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ホットトピック-ISO 17024

ISO 17024と監査・審査員の力量については、読者の皆様一人一人が何らかの強い信念を持っておられるようです。IRCAディレクターのSimon Fearyの本件に関する前号INformの記事(こちらをクリック)に対して、数多くのご意見が寄せられました。 以下にその概要をご紹介します。また、Simon Fearyの公開フォーラムの質問に対する回答についてはこちらをクリックしてください。

ISO 17024が監査・審査員の審査登録に及ぼす影響に関する各種の評論は、非常に興味深い読み物となっています。賛成論、反対論のいずれにも説得力がありますが、その説得力を示すには、まず、両論を誠実に伝えなければなりません。Feary氏は、RABQSAインターナショナルのプログラムの特徴を誤って伝えておられ、彼の記述内容の一部は、事実に反するとしか言いようがありません。RABQSAが使用しているISO 17024のプロセスは、「ISO 19011に基づく登録モデルの伝統から袂を分かった」ものではありません。なぜなら、ISO 19011に基づく登録モデルの伝統というものが、そもそも存在しないからです。ISO 19011は、監査・審査員に要求される経験に関するコメントを含む監査・審査のパフォーマンスに関するガイダンス文書です。監査・審査員の審査登録に関する言及は、この文書にはまったく含まれません。

Feary氏は更に「この機関は、トレーニング、学歴資格、実務経験、実施した監査や・審査の数などの要素をインプットすることはやめよう、と主張しています。これらは、ほとんど意味がないというのです。力量を明示する本当の指標として受け入れられるのは、スキルと知識をどのように現場に適用するかを独立した立場で審査した結果のみであるというのです。」と書いています。

これは、まったく事実に反しています。事実は、RABQSAの登録プロセスには、個人の登録のための、資格、職務経験、監査・審査経験、品質(あるいはEMS)の経験という四本の柱がいまだに存続するということです。これらの要素はIRCAやIATCAの言葉遣いとは若干異なる言葉で表現されていますが、その本質は同じです。

従って、その根本的な相違は、力量の審査方法にあるのです。これは理論と実践という二つの要素に分けられます。理論は、L/Aプログラムの最後にある筆記試験と同等ですが、ひとつ異なる点は、IRCAの試験では、審査するべき基準の約75%しか出題できていないということです。試験に出題されない25%がどの部分であるかは、各回の試験で異なります。このことは、私がテクニカル・コミッティーの委員長として共通試験について作業をしていた時に、同僚達と試験内容の評価をしてわかったことです。IRCAがISO 9001に対応するために行った変更によっても、この75%というレベルは改善されていません。

RABQSAのモデルは、要求事項の全100%について、試験をし、知識力を示すことを、受験者に要求します。そのどこがいけないのか、と問わざるを得ません。

実践面の力量というのは、新しいもので、これが、コストの追加分の原因となっています。これは、監査・審査活動を独立の立場の人間が立ち会って、定義された基準に従って評価するものです。ここでも、受験者は基準の100%に関して審査を受け、力量を示さなければなりません。そのどこがいけないのでしょうか。

事実はFeary氏の説明からかけ離れたものです。そして「この議論が特に活発なのは」で始まる次の段落が肝心な部分です。Feary氏は、認証機関は一般的に第三者審査登録の完全性よりも金銭目的の傾向があり、監査・審査員の力量について真剣に考える姿勢がないかのように書いています。また、認定プロセスの妥当性も疑問視するようなことを書いています。ここが肝心な点ですが、第三者審査登録の公式な体制の方こそ、システムの完全性を十分に重視しておらず、監査・審査員の力量という課題を前面に押し出しはしないのです。

N RABQSAインターナショナルでは誰も現在のモデルが完璧な解決策だとは考えていません。しかし、いまだに使用されている20年来のモデルよりは、力量を評価する上で良い方法であることに疑う余地はありません。議論を活発にするのは大いに結構ですが、比較をするときには事実を誠実に比較しましょう。

Rod Goult

 

 

Simon Feary氏は、監査・審査員の力量と審査・監査員登録の諸課題について、事実に基づく正確な分析をされましたので、敬意を表します。監査・審査員の評価と登録に現在使用されている方法が完璧でないことは明白であり、認証機関の大半がこのことに気づいています。

これが、認証機関が彼ら独自の包括的な訓練及び力量評価の手順を確立した所以です。このような手順は、費用がかかりますが、監査・審査員は、認証機関の最大の資産であり、その訓練には投資が必要です。監査・審査員の資格の第三者による検証、訓練、経験、最低限の力量の四つを、認証機関の審査員として活動するための最低限の用件とするという現行のIRCAの監査・審査員登録に関する「伝統的な」アプローチは、完璧ではありませんが、そのコストはその目的に見合った合理的なものです。また、組織内部の手順とアプローチに関する包括的な訓練を、認証機関に起用される監査・審査員の全員に実施するべきであると考えます。

17024の規格が、能力と知識の活用状況の第三者審査を導入することにより、自動的に監査・審査員の力量を向上することにつながるとするのは、考えが甘いですし、誤っています。効果が上がるかどうかについて疑問が残っているのに費用を追加するというのは、正当化できません。認証機関の顧客は、今以上の費用を支払う用意はありません。

信頼性のある評価方法を確立するには、試験、心理分析、第三者立会いの審査以上のものが要求されます。試験官が要求するあるいは期待する通りに監査・審査員が行動することを強制するというのは不可能だと思われます。観察・試験下での監査・審査員の行動は、また、観察されている状況、被監査・審査組織の監査・審査に関する知識や備え、技術や産業の分野、被監査・審査組織の文化など、様々な要因により変化します。第三者立会い審査が、力量のある試験官により、適正な環境の下で行われることが重要です。

私は、力量の乏しい監査・審査員が多いというのは信じられませんし、よく言われる監査・審査員の力量不足という話も事実に反すると思います。本当の問題は、力量のある監査・審査員が力量を発揮できるような起用・管理をされていないということです。

Feary氏は、「認証機関のやり方と認定機関によるコントロール(の不足)」に言及しておられますが、これは正しい指摘です。(プロセス、技術、文化などを理解できるかという意味で)顧客企業に見合った審査員が選ばれておらず、審査に対する準備ができていない場合、このような審査は、顧客企業も認証機関も満足のできる結果をもたらさないでしょう。

私はISO 17024の原則に反対ではなく、この規格は、監査・審査員の力量レベルを向上する可能性があると考えています。しかし、認証機関に雇用されているフルタイムの審査員に関しては、雇用する審査員の力量を保証するために、既に適切なコントロールのシステムが存在しているにもかかわらず、ISO 17024に基づく監査・審査員登録プログラムを適用するという考え方には多くの懸念があります。その懸念とは、認定機関により既に実施されている立会い審査を重複して実施することになること、情報の機密性の問題、第三者である試験官を被審査組織が受け入れるかどうかという問題、正当化できない費用の追加などがあります。

Alex Ezrakhovich

ISO 9001 審査実施グループ(APG) ISO TC176共同議長

 

 

監査・審査員の力量評価と評価結果をどのように検証するのかという問題は、単独で議論するべきではありません。監査・審査員の力量は、非常に重要ですが、マネジメントシステム認証への利害関係者の信頼を向上するために改革を必要としている制度全体の一つの要素部分なのです。私は、ISO 19011、ISO/IEC 17024、ISO/IEC 17021などと、めまぐるしく次々と文書を発行することによって答は見出せないだろうと思います。一連の文書は、相互に一貫性とつながりのあるものであるべきで、つぎはぎであってはなりません。

監査・審査員と監査・審査チームの力量を評価する責任は、認証機関にあります。認証機関はFeary氏も述べているように、RABQSAやIRCAのような機関が実施する人材の審査登録制度を信頼している場合もしていない場合もあります。私は、RABQSAやIRCAは、認証機関のみならず、認定機関まで、そしてより重要な点ですが、マネジメントシステム認証の実際のユーザーに至るまで関与してもらって、監査・審査員の力量に関するユーザーの立場からのオープンな議論を活発化するべきだと思います。

購入担当者のサプライヤーリスク軽減戦略の一環として、信頼できる評価サービスを一貫して提供することができなければ、このプロセスの先は見えています。マネジメントシステム評価サービスの商品化への市場圧力が高まるにつれて、監査・審査員の力量の部分は、より真剣に再考を迫られると思います。監査・審査員の能力、知性、そして、上層経営陣に対峙する際の勇気というものが、もっと重視されるべきだと思います。しかし、それを実現するには、それなりのコストが必要です。

Sidney Vianna

カリフォルニア州DNVサーティフィケーション社航空宇宙防衛認証サービスディレクター

 


私は、現行のシステムは機能しているが一部に欠陥があると考えます。監査・審査員が、何らかの様式に記入して、誰か他の人が監査・審査を実施したと証言することにより、力量があるとするということでは、監査・審査員の監査・審査力を正しく反映することにはなりません。私はカザフスタンで仕事をしていますが過去3年間に87件の審査を実施しました。主に、ISO 9001の審査ですが、一部はISO 14001とISO 18001の統合システム審査です。もちろん、カザフスタン国内から監査・審査員を調達し、契約して、弊社が費用を負担して、現場での訓練と評価を行っています。

弊社で仕事をしたいという審査員候補が現れ、その人がIRCAの審査員登録をしていても、私には、彼らの訓練レベルは、IRCAの審査員登録をしていない審査員とほとんど変わらないように見えます。私は最近、システムを実施している複数のコンサルティング会社について、認証審査における不適合指摘数を調査しました。第二者審査でIRCA登録を取得したコンサルタントが大半を占めるコンサルティング会社は、システムを導入した企業の第三者認証登録審査一件あたり平均不適合指摘数が、最大です。

弊社のデータベースでは、カザフスタンにおける認証登録審査一件当たりの不適合指摘数は平均3.8件です。上記のコンサルティング企業の場合、同7.4件でした。コンサルティング・第二者審査・第三者審査などの各種の審査方法でIRCA登録を取得したコンサルタントを一部雇用している他の二社のコンサルティング企業の場合、この結果は大きく異なります。一社は同3.0件、もう一社は同4.0件で、弊社のデータベースの平均値に近い数値となっているのです。

ですから、監査・審査プロセスの有効性を維持するには、力量に基づく監査・審査員の承認が不可欠です。私は、訓練も私たちのビジネスの一部であると考えており、私たちの業界内部の職業としての期待のみならず顧客の期待に応える資源を確保するには、訓練費用を間接費に含めるべきであると思います。監査・審査員によってはオブザーバー参加、審査の一部に参加、システム全体の審査に参加という合計3回(すべて、監督下で実施)で力量を十分に見せる人もいますし、修得までに7~10回を要する人もいますし、何回やっても修得できない人もいます。

また、審査員/単独審査員/主任審査員というように、力量の基準に分類を設けるのもよいのではないでしょうか。例えば前述の3回で修得できた審査員の場合、チームに主任審査員がいれば、この人が審査に審査員として参加することに私は何も問題を感じません。しかし、同じ人が単独審査員として一人で審査を実施することを期待することはできません。チームの成員として2回か3回の経験を積んだ後、そのチームの主任審査員のフィードバックが毎回、良好であれば、単独審査員として起用することも考えるでしょう。

カザフスタンのような開発途上国では、IRCA登録の審査員が、IRCAのために他の審査員を審査するという制度を設け、これをIRCAの間接費用として賄うことが必要かもしれません。そうすれが、審査員の力量に関するIRCAの評判を維持できるでしょう。これは、特にこの方面の人材を雇用したいという動機がなければ、IRCAのフルタイムの職員である必要はなく、この国・地域に住み、慣習・多様性・文化を心得ている資格を持った審査員を契約雇用すればよいと思います。そうすれば、雇用する審査員は外国人の国外勤務条件ではなく現地採用条件で雇用でき、IRCAのコスト削減にもなります。これについても、審査員の独立で偏りのない審査という観点から若干の問題点が残りますが、「審査員を審査する人」の選抜の際の力量基準を正しく設定することによって、乗り越えられる問題だと思います。

Roger Willmott

ムーディーインターナショナル社MD認証・研修担当(カザフスタン駐在)

 

 

IRCAの現行の監査・審査員登録制度は、有効であり、合理的なコストですばらしい成果を挙げています。(スキルの第三者による審査により力量を顕示するという)新しい規格は、雇用している審査員の力量の妥当性を確認することに関して、認証機関を信用することはできないということを言っているようです。認証機関が力量のない審査員を雇用しているかどうかは、市場が決めることです。IRCAは、最初の資格認定と以後の継続的な資格認定を供与するというレベルのサービスを提供する機関です。認証機関は、ローカルなレベルで資格認定を維持管理します。IRCAは、認証機関を支援するために設立されたのですから、従来の要求事項に沿って同じ路線を突き進むことが妥当でしょう。

IRCAさん、がんばってください。

Jay Fisher

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