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方針、目標、レビュー

ISO 9001審査実施グループ(APG)が、品質方針、品質目標、マネジメントレビューの監査・審査という、しばしば頭を悩まされる点について解説します。

品質方針の監査・審査

品質方針とその効果的な展開は、監査・審査の全体的結果を見ることによってのみ本当の評価をすることができます。監査・審査の手法には以下が含まれるべきです。

  • トップマネジメントにインタビューし、彼らの品質へのアプローチとコミットメントを理解する。(トップマネジメントのプロセスを監査・審査する際のガイダンスは、こちらをクリックしてください。)
  • マネジメントレビューの記録を通して、品質方針の確立、実施、監視、更新へのトップマネジメントのコミットメントと関与を評価する。
  • マネジメントが品質方針を組織の全てのレベルで、要員が理解できる効果的な言葉とガイドラインに置き換え、また、各部署やレベルに対応する目標に置き換えているかを評価する。
  • 要員にインタビューし、彼らが自身の活動に組織の品質方針がどのように関連するかについて必要な意識、理解、知識を備えているかどうかを検証する。ただし、要員が彼らの理解内容を表現するのに用いる用語が規格の用語と一致するかどうかは問題ではない。
  • 適切なコミュニケーションにより品質方針を効果的に普及させている証拠を探す。

品質目標の監査・審査

監査・審査員は組織全体の品質目標が定義され、それが品質方針を反映したものであり、顧客満足度を含めた組織全体の事業目標と実質的な整合性・釣り合いの取れたものであることを検証する必要があります。そうでないならば、監査・審査員はトップマネジメントの品質に対するコミットメントを更に評価しなければなりません。

品質目標の達成は測定可能であり文書化されていなければなりません。品質目標の特定と文書化の方法として特に規定はなく、事業計画書、マネジメントレビューのアウトプット、年間予算書等に提示されるもので構いません。目標が適切に文書化されているかどうかは監査・審査員自身の判断で評価します。全体的な戦略目標から経営目標へ、そしてより具体的な業務活動へと品質目標が組織の構造とプロセス全体に浸透していくやり方が適切であるという証拠を、監査・審査員は見出さなければなりません。

文書化された品質目標を監査・審査の文書審査段階で審査することが望ましいとされます。監査・審査の終了前に、監査・審査員は品質目標が現実的で事業に関連性があり、目標達成に責任を持つ要員に必要な資源を組織が割り当てているということを満足の行くまで検証しなければなりません。この証拠を組織の全てのレベルから収集するべきです。

品質目標は静的なものではなく、現在の経営環境や継続的改善の追求という観点から更新されなければなりません。監査・審査員は、組織の全体的なパフォーマンスが品質方針のねらいを反映したものであり品質目標を合理的と言える程度に充足するものであることを検証しなければなりません。監査・審査員は、目標の充足は数量的にも質的にも測定できるものであることを覚えておくべきです。また、品質方針と品質目標の改訂という動的側面と継続的改善への組織のコミットメントの間には明らかな関連があることを念頭に置いておきましょう。

マネジメントレビューを監査・審査する

ISO 9001は組織の品質マネジメントシステム(QMS)を、トップマネジメントが定期的にレビューし、その継続的な適切性、妥当性、有効性を確保することを要求します。このレビューは、そのためだけの個別の会議で行ってもよいですが、規格はそうすることを要求しているわけではありません。トップマネジメントがQMSをレビューする方法にはいろいろあり、管理責任者その他の要員が作成した報告書や電子的コミュニケーションを受け取ったり、見直したり、予算や数値目標などの課題を討議する通常の経営会議の一部として行ったりしてもよいのです。

マネジメントレビューはプロセスアプローチを活用して実施し監査・審査するべきプロセスです。ISO 9001の5.6.2項は、マネジメントレビューのプロセスへのインプットと、そこに含まれるべきトピックを規定しています。しかし、これらがレビューに含まれてもよい議題のすべてであるわけではありません。これらの議題に個別にあるいは複数同時に対応していないように思われる場合も、事業の全体的なレビューの一部として対応している場合があります。監査・審査員はインプットが報告書、トレンド図、その他の多種多様な様式であり得ることを意識すべきです。

マネジメントレビューのプロセスからのアウトプットとして、以下の項目に関する意思決定の証拠がなければなりません。

  • 品質方針と品質目標の変更
  • 改善のための計画と取り得る処置
  • 資源の変更
  • 改訂された事業計画書
  • 予算

アウトプットは、改善や変更に関するもののみならず、新製品の投入計画など他の重要課題に関する決定も含まれる場合があります。マネジメントレビューの記録がなければなりませんが、その様式には特に指定はありません。会議の議事録が最もよくある記録ですが、電子媒体による記録、統計チャート、プレゼンテーション資料等も記録として採用できます。

マネジメントレビューのプロセスは、プロセスやシステムの変更を考慮するQMSの計画策定の要素も含む場合があります。このような場合、監査・審査員は以下の諸点が考慮されているかを検証すべきです。

  • マネジメントシステムや事業全体の変更事項はシステムや事業の他の部分に影響を与えるか
  • 提案された変更内容は実施前に評価されているか
  • 事業計画策定段階で、規格の4.1項に記載されているような課題を考慮しているか
  • プロセスの外注を開始する前に必要な管理項目を特定しているか

マネジメントレビューのプロセスは、規格や監査・審査員の要求事項を充足することを唯一の目的として実施するべきではありません。これは、組織の経営管理プロセスの不可欠な一部分であるべきです。マネジメントレビュー全体は、組織のあらゆるレベルで実施される複雑性の高いプロセスです。これは、組織の全レベルからのインプットを受けてトップマネジメントが行うという常に双方向的なプロセスです。その活動内容は、毎日、毎週、毎月開催される組織の部門・部署会議から、簡単な話し合いや報告書まで、多岐に渡ります。

監査・審査員はマネジメントレビューのプロセスにおけるインプットとアウトプットが組織の規模と複雑性に合致したものであり、これらが事業を改善するために活用されているという証拠を探すべきです。監査・審査員はまた、組織のマネジメントがどのような構造になっており、マネジメントレビューがこの構造の中でどのように活用されているのかを考慮するべきです。

この記事はISO 9001審査実施グループ(APG)のウェブサイトにある同じ表題の論考 'Auditing quality policy, quality objectives and management review’ を編集したもので、ISOおよびIAFのご好意により転載しています。これらの論考集は現在のベストプラクティスについて作成されており、IAF のガイダンスや ISO TC176 の解釈として正式な確認を得たものではありません。審査実施グループについて、より詳細な情報をお知りになりたい場合は、こちらにクリックしてください。

ISO 9001 審査実施グループは、 QMS の専門家、審査員、熟練家からなる非公式なグループで、 ISO のテクニカルコミッティー、 176 品質管理と品質保証 (ISO/TC 176) と IAF から生まれました。このグループは、ガイダンスや、 QMS 審査に関する説明を含むプレゼンテーションを数多く作成してきました。これらは、 ISO 9001 の要件審査に必須のプロセスに基づくアプローチを反映したものです。

 

 

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