「リスクに基づく認証」は、認定されたマネジメントシステム認証に取って代わるのではなく、それを提供するもう一つの方法です。これは、通常の品質、安全性、環境パフォーマンスから、特定されたリスク領域に審査の主眼を移すことを意味しています。また、認証プロセスの最終的成果は壁に掲示する登録証だけではないということを意味しています。リスクに基づくアプローチは、認証プロセス全体の価値を高めるのです。
伝統的なアプローチとは異なり、「リスクに基づく認証」は、事業に最も影響する課題に関連する3~5項目の着眼点を定義する機会を企業に与えます。(着眼点としては、顧客保持率の向上、プロジェクト管理の改善、返品数の減少などがあり得ます。)これは何らかの規格への適合を超えた概念であり、事業の主要な改善領域の特定を支援する上で欠かせない手続きです。
このプロセスのもう一つ重要な新しい部分は、審査後に打ち合わせがあることで、審査員がここで顧客に鍵を握る課題に関するフィードバックを直接伝えます。このフィードバックを報告書に要約したものが、顧客の手元に残ります。定期審査と認証更新のプロセスで、顧客は新しい課題に主眼を移し、優先順位の変更を行えます。
「リスクに基づく認証」の方法で認証された最初の数社のうち1社はアジアの航空会社でした。2004年10月下旬に実施された審査では、顧客はDNVに環境マネジメントシステム(EMS)規格のISO 14000が通常対象とする領域に加え、2つの領域に着目するよう依頼しました。
この航空会社の革新的な審査に参加したDNV Certificationの主任審査員は、「サプライヤー管理のプロセスと、環境意識向上・環境研修の領域に注目するようにということでした。この会社は環境に関する意識向上と研修がEMS実施に不可欠であると考えていました。また、サプライヤー企業が廃棄物をどのように取り扱い、環境課題に対してどのような行動を取るかも重要です。」と説明します。
この主任審査員は、審査チームによるフォローアップへの関与度が高かったという点が、この審査手法の革新的な点であると考えています。「事前に、顧客企業の管理者達に、注目するべき領域を具体的に特定するよう依頼しました。顧客とともに、選択された領域の中のあらゆる種類の問題を調査しました。最後に、審査チームの所見を要約し、顧客が以後の行動を取るための材料として報告書の形でお渡ししました。」
発券業務と保守作業の一部を外注していたこの航空会社にとって、これらの業務が社の方針通りに遂行されているかどうかを確認することが肝要でした。「私たちの所見から、理想と現実の間に埋めるべき大きな隔たりがある部分が認識されました。このような隔たりは『リスクに基づく認証』という新しい方法を取らなければ発見されることはなかったでしょう。」と、この審査員は言います。「例えば、顧客企業本社での研修は良質でしたが、地方支社の大半で行われている研修には、改善の余地が多々ありました。」
DNV社CEOであるHenrik O Madsenは、「特定の市場では認証事業が成熟期に入ったことを示す兆候があります。既に高いレベルの力量を獲得した企業は、認証のパートナー企業がより高い価値を付加してくれることを期待しています。適合性を検証するに留まらない事業へと躍進するには、認証プロセスの変更こそが成否の鍵を握っているのです。」と言います。
国際認定機関フォーラム(IAF)の、この新たなアプローチへのフィードバックも前向きです。Madsenは、この種の認証が主流となり、規格そのものに取り入れられる日も近いと予測するほどです。
著者について
Ferry Jansen は、DNV Certification Benelux社イギリス・アイルランド支社のマーケティングアシスタントです。「リスクに基づく認証」に関する詳細情報は下記をご覧ください。www.dnv.co.uk/certification/managementsystems
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「リスクに基づく認証」は、Det Norske Veritas AS社の商標です。