私はここ10年ほど、米国東南部にある企業のISO9001認証取得を手伝っています。主に自動車、家電、素材産業の企業に携わってきました。私見では、米国のOEM製造企業が中国のサプライヤーを使っている影響で、認証取得の動きが鈍っているのだと思います。
米国の製造企業は現地のサプライヤーもISO認証企業であることを要求していますが、中国の人たちもサプライヤーの現地訪問をしている米国人エンジニアたちも、認証は「詐欺」だと言っています。また、製造企業は米国にあるのだから、現地のいわゆる「孫請け」「ひ孫請け」のサプライヤーが認証を取得する必要はないのだと言われたこともあります。
また、コスト削減の圧力が高まり、過去にはISO認証が入札参加の必須要件であったところで、未認証の企業が入札参加を認められるケースが増えているのです。多くの企業は、ISOの規律正しい改善プロセスが改善に向かう確実な道であると信じています。しかし、適切に構築・実施されたISO品質マネジメントシステム(QMS)のメリットを享受するには、第三者認証登録が必要だという点には確信がありません。過去2年間、私の会社はISO規格に基づいたQMSの実施を支援する契約を3社と交わしましたが、彼らは第三者による認証を求めてはいませんでした。私が認証取得をお手伝いしたある企業は、最初の3年の認証登録期限が切れると更新しませんでした。今後こうした傾向が、特に伝統的な製造部門の周辺で強まるのではないかと思います。
ケンタッキー州ヘンダ-ソン市
フォーカス・コンサルティング社
Thomaas Arneson
大手企業の中には、価格を下げることを重視して、品質の高い製品やサービスを追求しなくなっているところがあります。儲け主義の成せるわざです。経営トップたちは、今年や来年の業績を帳簿上よく見せることができれば、高額な給料のほかに多額のボーナスとストック・オプションが手に入ると心得ているのです。国際企業の社長から聞いたことがありますが、今儲けてしまって事後処理は後任に任せるというのが彼らの考えです。システムに問題が発生しても後任は罰せられません。後任は問題発生を常に正当化でき、そして状況の改善に向けて努力しているという理由で巨額の特別報酬を手にするのです。
私がコンサルタントを引き受けていた中小企業の中には、審査料を支払うと認証を取得していないライバル企業との競合上不利になるため、ISO 9001の認証取得を断念したところがあります。製品やサービスの品質が問題になるのは、顧客の製造工程にダウンタイムを発生させた場合だけです。企業のトップへの報酬高騰を抑制し、もう少し顧客や社会の利益を重視できるようなやり方を見出さなければなりません。
私の考えでは、規格を増やしても事態は改善しないでしょう。現行の規格を本来の意図のとおり忠実に実施する人たちが必要なのです。
ルイジアナ州バトン・ルージュ
TQMシステム
Mickey Christensen
次号のホットトピックの質問は「コンサルタント業と認定された認証登録業は、いまだに利益相反の関係にあるのか?」です。肩書と在住国名をお書き添えの上、Amy Holgate までメールでご意見をお寄せください。aholgate@irca.org