欧州連合(EU)の一員であるスペインは、人口4110万人、国民一人当たり総所得は21,210米ドル、非公式経済の規模は国民総生産の22.6%と見積もられる国です。「高所得」の国に分類されるスペインは、1992年の不況以後、好景気が続いており、主要産業への投資も拡大しています。8.42%(2005年)という失業率が心配の種であることは変わりませんが、これも前年よりは大きく減少しています。1998年には、規律正しい財政管理を実現し、フランコ政権が築いた国有産業の迅速な民営化を成し遂げて、スペインは単一通貨への移行実施第一波に乗りました。
ISOの2004年年次調査によれば、ISO 9001:2000品質マネジメントシステム(QMS)認証登録の世界総数は2004年現在で670,399件でした。これは前年比35%増で、ISO 9001:2000版への移行開始前年であった2000年時点と比して64%増でした。同規格は現在、世界154カ国で実践されています。しかし、ISO 9001認証取得の世界的な伸び率は2001年12月より大幅に下降しています。
ISO 14001認証登録数は127経済圏で総数90,569件、37%増で、ISOの環境マネジメントシステム(EMS)規格の普及は好調であり、その伸び率も上昇中です。
ISO 9001:2000 認証登録数上位10カ国 |
ISO 14001 認証登録数上位10カ国 |
中国: 132,926 |
日本 : 19 584 |
イタリア : 84 485 |
中国 : 8 862 |
英国 : 50 884 |
スペイン : 6 473 |
日本 : 48 989 |
英国: 6 253 |
スペイン: 40 972 |
イタリア : 4 785 |
米国 : 37 285 |
米国 : 4 759 |
フランス : 27 101 |
ドイツ : 4 320 |
ドイツ : 26 654 |
スウェーデン : 3 478 |
オーストラリア : 17 365 |
フランス : 2 955 |
インド : 12 558 |
大韓民国 : 2 609 |
スペインは2004年末までにISO 9001認証登録数40,972件を数え、これは世界総数の6%でした(下記チャート1参照)。スペインは、ISO 9001認証登録数世界第5位で、4位の日本との差は8,017件、人口ではスペインの1.5倍である隣国フランスよりも2位上に位置しています。スペインのISO 9001 2004の数字を見ると2003年の数字から29%増となっています。2003年には、スペインは認証登録数31,836件で、やはり第5位、日本との差もほぼ同じでした。
ISO 14001のスペインにおける普及は、特に世界の他の諸国や欧州諸国と比較しても堅調です。スペインは2003年より1位上げて、日本、中国に次ぐ第3位、認証登録数は6,473件となっています。日本からはかなり引き離されていますが、スペインは欧州諸国のいずれよりも高いISO 14001認証登録数を誇り、4位の英国を220件上回っています。
2001年12月 |
2002年12月 |
2003年12月 |
2004年12月 |
|
ISO 9001 |
17,749 (ISO 9001: |
28,690 (ISO 9001: |
31,836 ISO (ISO 9001: |
40,972 (ISO 9001: 2000 only) |
ISO 14001 |
2,064 |
3,228 |
4,860 |
6,473 |
スペインの国家的認定機関はEntidad Nacional de Acreditación(ENAC)といい、これは英国の認定機関であるUKASと同様の機能を果たしています。ENACはスペイン科学技術省の監督下にあり、産業における品質と安全性の基盤構築のための規制を規定した産業法21/1992と勅令2200/95により設立された機関です。
ENACは民間の独立した非営利組織であり、欧州連合内および国際的に確立された基準と規格に沿った認定制度の調整・管理を行います。ENACは適合性審査に従事する機関であれば、その事業の対象とする産業、規模、私有であるか公有であるか、何らかの協会に加入しているか、企業であるか大学であるか研究機関であるかなどを問わず、認定の対象とします。
ENACは国際的規格に沿った制度を使用してスペイン全土で認証検査機関や検査・校正試験所の技術的力量を認定することをその目的とします。ENACは認証取得が任意である品質分野と、義務である安全性および環境分野の双方で事業を展開しています。また、試験、校正、品質システム認証、環境マネジメントシステム認証、製品認証、要員認証および検査に関して、欧州認定協力機構(EA)で調印された多国間相互承認協定(MLA)に加盟しています。
スペインで活動する認証機関の大半は、ENACによる認定を受けています。スペイン最大の認証機関は、マネジメントシステム認証のスペイン標準化認定協会(AENOR)とスペイン品質協会(AEC)です。AECの登録認証センターは、スペインで認証された要員に欧州品質機構登録証を発行します。
スペインで重要なその他の認証機関はCalitax Certificacion、IVAC、ACCM、Eduqutia Certificacion、及びSanitasです。このすべてがENACにより認定されたQMS及びEMSの認証機関です。国際的に認められたスペインの認証機関としてはSGS、BVQI、DNV、BSI、TUV Internacional及びLRQAがあります。
認証機関の大半はQMSとEMSの分野で事業展開していますが、一部は、欧州品質協会のようにTickITと航空宇宙分野でも活動したり、AENORのように自動車産業の品質分野で活動したりしています。その他によくある分野としては、情報セキュリティマネジメントシステムや労働安全衛生が挙げられます。また、商取引、教育、サービスのマネジメントシステムを認証する機関も幾つかあります。
歴史的にも工業が主要産業であって認証機関の大多数が拠点を置くビルバオ、バルセロナ、マドリードなどの特定の地域では、スペイン国内でも特に認証産業の興隆目覚しいものがあります。
Below: Barcelona
スペインはISO 9001認証登録数の堅実な伸びとISO 14001の顕著な普及で、国際舞台での確固たる地位を維持しています。しかし、スペインでも他の国でも、認証の受け止め方は一概には言えないものがあります。認証の価値に関しては現在、懸念の声が上がっており、注意深い再考が求められています。市場が認証飽和状態になると、低コストで「買う」ものとなる危険があります。このように価格が破壊されれば、監査・審査員の給与水準も下降し、力量の乏しい人材ばかりを雇用するようになり、認証プロセス全体の価値を下げることになります。監査・審査業界関係者の多くが懸念するこのような事態は、既に起こり始めています。
新しい要員認証規格であるISO 17024:2003は、監査・審査員認証機関を認証し力量を特定するための全方面に役立つ万能薬であると主張する人もいます。IRCAは、今年この比較的新しい規格による認定を取得する計画ですが、この規格は現実的視点で検証されなければなりません。米国の監査・審査員認証機関であるRABQSAは、2005年中に監査・審査員がISO 17024認証に移行するという要求事項を取り下げました。つまり、市場は実際にはこの規格を究極の万能薬と受け止めなかったということです。ISO 17024によって監査・審査員の力量を確保するには、この規格単独ではなく、他の認定制度等と平行して機能させなければならないということが明らかになったのです。
これは一カ国に限られた問題ではありません。全てのエンドユーザーにとって利用価値のある認定制度を創設するためには、全ての主要な機関が協働することが重要です。IRCAは、世界各国の国内認証・認定機関や業界の主要な関係者と協調して、この課題に取り組み何らかの解決策を提供して行きたいと思っています。
スペインでIRCAが認証した監査・審査員が増加する中、IRCAはスペインで増加する需要を認識し、スペインの監査・審査員のために特に内容を工夫した下記のサービスを開発しました。
新たな展開
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新しいISO 22000食品規格によるスペイン初の認証取得が2005年末にありました。ISO 22000はフードチェーンにおける安全性を確保するための国際的要求事項を網羅し、食品管理の全側面を調和させる試みです。スペイン初の認証を取得したのはAngulas Aquinaga SA社でした。
- スペインにおける商取引は、仮想空間での国際的な商取引の安全性を確保する統合型デジタル認証システムにより、電子取引の障壁を飛び越えました。スペインの銀行各行はAgencia de Certificacion Electronica社からのデジタル認証の発行を最近開始しました。これにより同社は世界に先駆けて、国内の電子決済企業を国際的電子商取引の安全性規格であるセット(SET)規格で統一しました。
詳細情報については、www.irca.orgを通じてIRCAに連絡を取るか、新しいスペイン語版ウェブサイト spain.irca.orgをご覧ください。