マネジメントシステム調査
マネジメントシステムの著しい急増で、それらがどの程度うまく機能しているのか、マネジメントシステムの未来とはどのようなものなのかを問う時期が来たことは明白です。Lloyd’s Register Quality Assurance(LRQA)による新たな調査では、運用管理システムや法規制順守の手段としてだけではなく、それぞれの戦略的なビジネス統制の手段として、マネジメントシステムを大きく再評価しました。
まず第一に、組織はマネジメントシステムに投資する際、どのようなことを達成したいと考えているのでしょうか?第一の動機として、82%の上級経営層が顧客満足度を向上したいと答えました。同じく上位を占めたのは、評判という回答で、これは組織が株主の信用にますます依存していることを反映しています。
それにもかかわらず、システムを新しい市場への参入のためのツールとして認識しているという回答はわずか48%、そして株主への価値を生み出すために投資するという回答はわずか60%でした。これは、恐らくマネジメントシステムの専門家にとって、上級経営層の期待と株主への価値に貢献するようなシステムへの理解を慎重に構築するうえで、最も大きな問題となるでしょう 。
マネジメントシステムが演じる対外的、社会的役割に関して言えば、環境と社会マネジメントシステムは、どちらも効果的であるように見えます。しかし、非常勤の取締役や方針などの既存の統治システムが、実は株主の関心を保護するものであると信じているのは、わずか53%にすぎません。マネジメントシステムが将来的に大きな貢献をするにも関わらず、ほとんど未開拓の領域なのは、この運営統治の分野なのです。これらを機能すべき組織の構造に組み込むことにより、そして価値や原則が首尾一貫して実施に移されることにより、マネジメントシステムの専門家は株主に対し、アカウンタビリティや価値において劇的な違いをもたらすことができるのです。
これを達成するためには、組織が厳格で透明性のある報告プロセスを持つことが必要となります。3分の1の組織には、未だにこれが欠けています-報告を、実質的な契約や公正な情報公開の手段としてではなく、広報活動のツールとして取り扱うことに。同時に、3分の1の組織が、良いニュースと悪いニュースを同等に報告してはいないことを認めています。組織がどの程度の範囲まで、その程度深く報告を行ったら良いかということに関して、ほとんど理解していないことは明らかです 。
発展を遂げた市場における組織にはこのような欠点があるにもかかわらす、新興市場における審査は成熟した市場のそれよりも厳格さに欠けるという41%の意見と合わせ、倫理、環境及び品質規格は新興市場では普及率が低いということが広く認知されています。結果として、今や65%の企業が、新興市場において提携する企業を選択する際に、強いシステムの証拠を、特に認証を通じた形で模索しているのです。
マネジメントシステムの成果は評価が難しいことで知られています。回答者の大半はパフォーマンス改善の測定に尽力しています。
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回答者の半数を少し上回る人が、自組織のシステムのビジネスへの影響を測定することができると主張していますが、それでも、より良くそしてより戦略的な評価指標を望んでいます。3分の2が、システムがリスクにもたらす効果を理解したいと思っていると答えました。また、70%が他組織との比較をオープンに行いたいと思っていると回答しました。評価指標がより戦略的になれば、ビジネスリーダーに対するアピールはより強力になります。
個人単位でビジネスリスクに取り組むことは徐々に難しくなってきています。例えば、従業員の安全は貧弱な環境活動による影響を直接的に被りますし、社会及び環境影響は貧弱な統治によってより著しいものとなるでしょう。上級経営層の3分の2が統合の実施を主張しているのと同時に、76%の回答者が、統合マネジメントシステムはリスクを管理する際の助けになると信じています。一つのリスクに対して一つのプロセスしか持たないことは、リスクマネジメントとしてはもはや有効とは言えないという認識が統合への原動力となっていても、問題が依然として残っていることは明白です。最も憂慮すべきは、37%の回答者が、組織の鍵となるリスクに対処するための手助けとなるマネジメントプロセスを持っていないと答えたことです。
結局のところ、なぜ人々はマネジメントシステムに執着し、身を捧げるのでしょうか?回答により、説得のプロセスはリーダーシップにより始まる、ということが明らかになりました。88%が、もし上級経営層がシステムの価値を強調したならば、従業員やパートナーはよりそのシステムを使うようになるであろうと答えました。この他、回答者の3分の2がそう答えたことにより、一流のブランドがシステム順守への動機付けとなる、というような軽い誘因も功を奏していることが判明しました。システムには人々が必要であり、また組織が人々の動機付けや姿勢にもっと投資をすれば、それはより効果的になるでしょう。
調査結果をもとに、LRQA はいくつかの鍵となる教訓を示しました。組織は以下の事項を実施するべきです:
- 株主の関心を含めた広範囲の項目に焦点を当て、これを採用し、内部統治の指針とすること。
- 報告の指針とするためにマテリアリティのプロセスを採用し、財政的なリスクかそうでないかに関わらず、全てのリスクがマネジメントシステムによって把握され、株主に報告されること。
- マネジメントシステムに関する理解をビジネスパートナーと共有すること。
- システムのパフォーマンスを評価すること-システムがどのようにリスクやビジネスへの影響を低減しているか。
- 事業への保証を提供し、組織が将来改善すべき領域を特定するための手助けをするものとして、審査の価値を高め、過去に行った改善の影響の有効性を確認すること。
- マネージャークラスの要員を確実に味方につけておくこと-システムは、財政的な投資と個人によるコミットメントの両方を享受しなければならない。
- マネジメントシステムへのより良い理解を育て、これらを明確なビジネスの成果と結びつけること
著者について
Ian Hodgskinson はLRQAのマネジメントディレクターであり、LRQAの世界戦略の開発と実施を運営する責任者です。
LRQAはLloyd’s Register Group のメンバーであり、検証活動、認証活動及びトレーニングサービスを世界中の様々な組織に提供しています。LRQAは最近 BusinessAssurance.comを立上げました。これは、世界初のオンラインによるマネジメントシステムコミュニティーです。詳細はwww.lrqa.co.ukをご参照ください。