最小限の文書しか持たないQMSの審査

ISO 9001に適合するために要求されている文書の程度について、受審側と審査員の意見が合わないことは、よくある話です。もし、審査中にISO 9001で要求されている品質マニュアルと6つの文書化された手順のみを提示されたら、あなたはどうしますか?クイズに答え、審査実施グループが推奨していることを理解してください。

新しい概念です!クイズに挑戦してみましょう。

1. 次のうち、どれがISO 9001:2000で規定されている文書化の要求事項として正しいでしょうか?

a) 文書化された品質マネジメントシステム

b) 品質方針

c) 文書のシステム

d) 上記全て

2.  品質マニュアルの定義として正しいものはどれですか ?

a)  達成された結果を記述した、または実施した活動の証拠を提供する文書。

b) 個別のプロジェクト、製品、プロセスまたは契約に対して、どの手順及びどの関連する資源が、誰によって、いつ適用されるかを規定する文書。

c) 組織の品質マネジメントシステムを規定する文書。

d) 上記全て。

3. 組織は、以下の活動のうち、どの活動について文書化された手順を持たなければなりませんか?

a) 内部監査

b) 不適合品の管理

c) 是正処置

d) 上記全て

4. ISO 9001:2000によれば、次のうちのどれが効果的なプロセスの計画、運用及び管理を確実にするために必要ですか?

a) 組織図

b) 品質目標

c) 内部コミュニケーションに関する事項を含んだ文書

d) 上記全て

何点取れましたか?文末の解答を参照してください。

 

意見の不一致は、多くの場合、ISO 9001 の4.2.1項の要求事項及び参考に対する解釈の違いから生じます:

" 4.2.1 一般    
 品質マネジメントシステムの文書には、次の事項を含めること:

d) 組織内のプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実に実施するために、組織が必要とした文書。

参考2:品質マネジメントシステムの文書化の程度は、次の理由から組織によって異なることがある。
a) 組織の規模及び活動の種類
b) プロセス及びそれらの相互関係の複雑さ
c) 要員の力量"


文書化-その主な目標:

a) 情報の周知徹底

文書化の種類と程度は、製品やプロセス、コミュニケーションの仕組み及び組織の文化によって異なります。

b) 適合の証拠

計画された活動が実施されているか。

c) 知識の共有

組織の経験を広め、保存するため。

文書の様式及び媒体の種類はどのようなものでも構いません。ISO 9000:2005 の3.7.2項では、次のような例を挙げています:

      • 磁気
      • 電子式若しくは光学式コンピュータディスク
      • 写真
      • マスターサンプル

ISO 9001:2000の文書化に関する要求事項

ISO 9001:2000 の4.2.1項「一般」では、品質マネジメントシステムの文書には次の事項を「含めること」を規定しています:

a) 文書化した、品質方針及び品質目標の表明

b) 品質マニュアル

c) この規格が要求する文書化された手順

d) 組織内のプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実にするために、組織が必要と判断した文書

e) この規格が要求する記録

4.2項の次の「参考」には、規格の中で「文書化された手順」という用語が使われている場合には、その手順が確立され、文書化され、実施され、かつ、維持さていることを要求しています。

QMSを構成する全ての文書は、ISO 9001:2000の4.2.3項に従って管理されなければなりません。また、記録は4.2.4項に従って管理されなければなりません。

ISO 9001:2000 4.2項への指針

a) 品質方針及び品質目標に関しては、5.3項に規定されています:
文書化された品質方針は、4.2.3項に従って管理されなければなりません。品質方針を初めて改訂する組織は、特に4.2.3 項の(c)、(d)及び(g)に気を配る必要があります。品質目標についての要求事項はISO 9001:2000の5.4.1 項に規定されています。

b) 品質マニュアル-4.2.2項
マニュアルのフォーマット及び構成は個々の組織が自ら決定することができ、組織の規模、文化及び複雑さによって異なるものになるでしょう。組織によっては、品質マニュアルを単なるQMSの文書化以上の目的のために利用することもできるでしょう。

c) 文書化された手順
組織は、次の6つの活動について、「文書化された手順」を持たなければなりません:

  • 4.2.3
文書管理
  • 4.2.4
記録の管理
  • 8.2.2
内部監査
  • 8.3
不適合品の管理
  • 8.5.2
是正処置
  • 8.5.3
予防処置

d) 文書は、プロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実なものにしなければなりません。

  • ISO 9001:2000 で特に言及されている文書は、以下の3つだけです:
    • 品質方針 (4.2.1.a)
    • 品質目標 (4.2.1.a)
  • ISO 9001:2000では、組織は規格で要求されている以外の文書を作成することによって、QMSに付加価値を与え、適合性を実証することができる、とする要求事項がいくつかあります。以下がそのような文書の例です:
      • プロセスマップ、プロセスのフローチャート及び/またはプロセスの説明
      • 組織図
      • 仕様
      • 作業指示書及び/又は試験の指示書
      • 内部コミュニケーションに関する文書
      • 生産スケジュール
      • 認定された業者のリスト
      • 試験及び検査計画書

参考:記録の管理に関する要求事項は、文書に関する要求事項とは異なるものです。そして、すべての記録は4.2.4項に従って管理されなければなりません。
ISO 9001 に従った記録管理についての指針は、次の文書の付属書Bに記載されています:
「ISO/TC 176/SC 2/N 525、ISO 9000の導入及び支援パッケージ:ISO 9001:2000の文書化に関する要求事項への指針

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クイズの解答:1. (a)、2. (c)、3. (d)、4. (b)

第2問への補足 :

a) 記録についての規定

b) 品質計画書についての規定

c) 品質マニュアルについての規定