OHSAS 18001 最新版
多くの関心を集める中で、待望のOHSAS最新版が英国にて発行されました。 この規格の発行が審査員に与える影響は何か、そして旧版からどの程度変更されているのかをDavid Smithが調査しました。
労働安全衛生(OH&S)規格の開発の動向を熱心に見守っている人々にとって、英国における今回の規格開発は、大きな前進を意味しています。
英国は最新のOHSAS 18001:2007 の採用を決定し、BS OHSAS 18001:2007として発行しました。英国版は、規格名の頭にBS(英国規格)と表示することにより、それらがこの規格を英国で使用する際に考慮されなければならない問題であることを明らかにしています。
OHSAS 18001:2007における主な変更点は以下の通りです:
- 「衛生」の重要性がより強調されている。
- これまでの版のような「仕様」や「文書」ではなく、OHSAS 18001は今や「規格」である、と自ら言及している。これは、OHSAS 18001を労働安全衛生マネジメントシステムに関する国家規格の基礎をなすものとして、採用が増えていることを反映している。
- 「PDCA 計画-実施-点検(評価)-処置(見直し、改善)」のモデル図は冒頭に述べられているのみで、主な各章の始めに提示されていたセクションごとのモデル図も記述がなくなった。
- 第2項「参考出版物」は、純然たる国際文書のみに限定された。
- 新たな用語の定義が追加され、既存の定義が改訂された。
- 規格全体に渡ってISO 14001:2004 との整合性が図られるという大きな改善があり、ISO 9001との互換性も改善された。
- 「許容できるリスク」が「受容できるリスク」に変更された。
- 「事故」は「事故誘因」の定義に包含された。
- 「危険源」は「財産や職場環境の損害」を含まなくなった。
- 現在では、このような「損害」はOHSAS 規格の目的である、労働安全衛生マネジメントには直接関係がなく、むしろ資産マネジメントの分野に含まれると考えられている。その代わり、労働安全衛生に影響を与えるような「損害」のリスクは組織のリスクアセスメントのプロセスにおいて特定され、適切なリスク管理を適用する中で管理されるべきものである。
- 4.3.3項及び4.3.4項が統合され、 ISO 14001:2004に合わせて4.3.3 項「目標及びプログラム」となった。
- OH&S計画の一部として、管理策を決定する際の階層(順序)を考慮するという新たな要求事項が追加されている。
- 「変更管理」の必要性が明確に言及されている。
- ISO 14001:2004と同じく「順守評価」の条項が新たに設けられた。
- 参加と協議についての新たな要求事項が追加された。
- 新たにインシデントの調査に関する要求事項が追加された。
ISO OH&S規格
しかし、この分野におけるISO の立場はどうなっているのでしょうか?労働安全衛生のISO 規格は、現在のところ、国際的な承認を受けていません。そして、指針及び/又は仕様のISO 規格を開発すべきかどうかについて引き続き評価が行われています。ISO レベルの規格開発が行われない中で、BSI は指針文書BS 8800:1996 (その後BS 8800:2004に改訂された)を発行し、1998年にはOHSAS プロジェクトグループが設立されました。このグループの本来の目標は、ISO による労働安全衛生マネジメントシステム規格の仕様及び要求事項の規格の発行を促し、仕様規格を開発することでした。OHSAS 18001:1999は1999年に仕様として発行され、その2年後にこれを支援するものとして、対応する指針文書OHSAS 18002が発行されました。
OHSASプロジェクトグループが実施した調査によると、正式なISO 規格ではないにもかかわらず、OHSAS 18001 は広く採用されています。プロジェクトグループによる継続的な取り組みの結果、改訂文書OHSAS 18001:2007の発行が実現したのです。
ISO 9001 の2000年版への改訂は、品質分野における目に見える形での前進的な変化でした。マネジメントシステムを統合する利点は今や広く受け入れられ、2004年に発行されたISO 14001の最新版も、OHSAS 18001:2007への枠組みを提供しています。現在では、最新版が発行される際には、できる限り環境規格及び品質規格の両方との互換性を持たせることが不可欠であると認識されています。しかし、互換性を追及するあまり、多くが独自の要素で構成されているOHSの要求事項に弊害をもたらすようなことがあってはなりません。
英国は改訂版OHSAS 18001:2007に重要なインプットを与え、労働安全衛生マネジメントシステムを掌握している英国規格委員会はこの最新仕様を英国規格として採用することを承認しました。効果的な労働安全衛生マネジメントシステムの実施を支援する規格、BS 8800 の改訂により、OHSAS 18001:2007の位置づけはより確実なものとなるでしょう。新しい指針文書は、将来BS 18004として発行される予定です。この指針文書の内容は、既存の英国規格及び労働安全衛生庁(HSE)の枠組み文書であるHSG 65に大きく基づいています。また、OHSAS 18001 のシステムの評価を支援するためのOHSAS 18002 も改訂される予定です。この文書の改訂プロセスは、現在進行中です。
OHSAS 18001についての詳細は、www.bsi-global.comをご参照ください。