コンプライアンスから
パフォーマンスへ:
マネジメントシステムの審査
審査は、すべての機能と協働し、あなたの会社のビジネスパフォーマンスに最大限役立っていますか?それとも、単なる形式的な行事にすぎませんか?氏が、マネジメントシステム審査に行動学的アプローチを採用すれば、いかにパフォーマンスレベルが向上するかについて説明しています。

できうる限り最低限のコストで提供される適合性審査を「必要悪」であると考えるのはたやすいことです。このような第三者審査は独立性、統合性および価値を提供しますが、その結果は多くの場合、単に通常通りビジネスを行っても良い、という許可証を与えるだけに過ぎません。さらに、価格競争のプレッシャーにより審査の商品化、簡素化が進み、審査は特定の品質、安全、環境または財務規格への適合性に特化して行われる、といった状況にあります。この結果、適合性審査を受けた企業には、株主の利益を希薄化させるような複数の解決できないパフォーマンスに関する問題や特定できないビジネスリスクを置き去りにしたまま、たった1枚の認証書が残されていくということもしばしばあります。
現在、ほんの一握りの審査員たちが、事業マネジメントシステムのリアルタイムのパフォーマンスを分析するための刷新的な方法論を開発しています。最も基本的なレベルにおいては、このような新世代の審査においても未だにISO 9001、ISO 14001、ISO 13485およびOHSAS 18001のような国際的に認識されている規格への企業の適合性を評価しています。しかし彼らは、企業が独自に構築したベストプラクティス、マネジメントプロセスおよびビジネスエクセレンスの枠組みへの適合性や有効性のレベルを特定することにより、適合性を超えた審査を行っています。彼らが実施する、詳細で各受審企業に特化した分析手法により、ビジネスリーダーたちはいかに現在の事業マネジメントシステムが効果的に機能しているか、そして顧客および株主へのより高い価値を生み出すにはどのようにしたら良いか、ということに関して真の洞察を得ることができます。重要なのは、審査員はまた、多くの規格で要求され、競争における優位性を確立・維持するために必要な継続的改善へのロードマップも提供してくれる、ということです。
いちかばちかの環境
近年、多くのエグゼクティブが、発行されている適合性規格に重点を置いた審査では、ステークホルダーが期待しているような高度なビジネスパフォーマンスには結びつかないことに気付いています。改善されたパフォーマンスや真のエクセレンスを達成するために、多くの人々が事業マネジメントシステムに投資し、経済的な付加価値から顧客満足に至るまで、すべてのものを測定するための重要なパフォーマンス指標を構築しています。ハイパフォーマンス、顧客中心主義の文化を構築することに重点を置いている人々もいます。
このようなシステムを構築すれば、多くのパフォーマンスデータを手に入れることができますが、これらのデータを収集することで、パフォーマンスの傾向や機会を特定するために必要な全体像が常に得られるわけではありません。多くの場合、過去のデータを収集するだけの審査では、現在のステークホルダーの認識や行動を反映することができません。さらに、情報は異なる施設で異なる人々によって収集されたり、リンクしていないデータベースに保存されている場合が多いものです。また、データが共有されている場合でも、そのデータを統合・分析し、ビジネス目標やリスクに結びつけるための一貫した方法がない場合がほとんどです。この結果、ビジネスリーダーたちは、ビジネスリスクやパフォーマンスの根本原因、および対処すべき現在のマネジメントシステムについて、ほとんど本質を見抜けないまま、紙の山だけが目の前に残されている、という羽目に陥るのです。
このような、どうなるにも結果次第、という状況を考えると、審査員は情報収集および分析に関するより厳密な高次の規格を適用しなければなりません。このようなプロジェクトには、ビジネスにおいて使用される言葉で話し、経営者の関心事を理解している、経験豊富な審査員が必要です。プロジェクトには、複数の機能、部門、サイトおよび地理上の境界を越えて、複数のステークホルダーのグループを取り込むような一貫したプロセスを実行するための基準が必要です。また、機密保持に関する政治的な課題や懸念を見抜き、収集される情報と分析プロセスの両方における偏見を取り除くための客観的なアプローチが必要です。結局のところ、問題の解決に前向きで、実際に活動に参加することができる、積極的なビジネスパートナーから得るところが大きいのです。
予測的な、行動を基礎としたモデル
新しいモデルにより、エグゼクティブたちは、どのようにマネジメントシステムが機能し、現在の行動がどのように将来のパフォーマンスに影響を与えるかに関する明確な見通しを得ることができます。データや事実の収集を中心とした従来のオンサイト審査とは違い、このモデルはカスタマイズされた、ウェブベースのユーザーインターフェースを用い、異なるステークホルダーのグループに、彼らが認識している行動や態度に関する記述文について匿名で回答してもらう、という手法から始まります。人々の行動、人々がどのように協働しているか、そしてどのくらい効果的に利用可能なマネジメントシステムや資源を利用しているかということに焦点を当てることにより、この360度からのアプローチは、特定のビジネス機能およびロケーション、そして組織全体におけるパフォーマンスの問題やリスクをリアルタイムに特定することができます。適合性とパフォーマンスのギャップが表面化することで、オンサイトの審査員はさらに深く探求し、より具体的な情報を収集するためのフォローアップ調査に的を絞ることができます。
著者について
Alex Fernando氏は、石油化学、製造およびサービス企業において様々な商業的および技術的責任を担ってきました。システムに関する考察およびリスクを基礎とした審査技術をツールとし、同氏は欧州およびラテンアメリカ全域においてUnderwriters Laboratories Business Improvement Solutions Groupを率いています。Fernando氏の連絡先は
+44 (0) 7918 888852 または Alex.Fernando@uk.ul.comです。
![]()
