事業継続について理解する
気候変動、テロリズム、疫病およびその他の危機により、事業継続マネジメントは今やすべての業界にわたって主流の活動となっています。氏が事業継続の概念の全容を説明しています。

事業継続マネジメント(BCM)の起源は、多くの場合、IT業界の災害復旧(DR)にあると言われます。「事業継続」と「災害復旧」ということばすら混同されています‐これらを同じ意味で使っている人もいますし、全く違う意味だと考えている人もいます。
有事計画、備え、代替物、代理、復元力および余剰など、様々な分野で目にするこのような用語を見ると、新規や独自の概念は1つもないことがわかります。どのスポーツチームにも交代要員用のベンチがあります。ウォータールーの戦いではウェリントンは蓄えをもっていたがために勝利しました。実際、蓄えを維持することはダートマス、サンドハースト、クランウェルおよびウェストポイントの戦いでの教訓となっているように、軍隊にとっては現在でも基本的な原則なのです。
この他にもリスク評価、事業インパクト分析、危機マネジメント、インシデントマネジメント、セキュリティ、保護およびガバナンスといった用語があり、さらに混乱が生じています。世界中のマネジャーたちは、日々、危機に対応していると言っても過言ではありません。
しかし、この話は依然として漠然としたものと捉えられており、一般的に、人々はBCMでは何が論じられているのかを理解していません。以下のFAQが十分な知識を与えてくれるでしょう。
今さら聞けない質問トップ10
1. BCMはコンピュータに関することだけを取り扱っているのですか?
いいえ。歴史的には、1970年代に組織がコンピュータに依存するようになり、ITのDRが誕生しました。DRはBCMの一部ですが、BCMは商業セクター、公共セクターまたは非営利セクターなど、すべての組織のビジネス(機能および活動)を取り扱っています。
2. BCMは新しいリスクマネジメントですか?
もちろん違います。BCMでは、規定されたことを確実に実施することが求められます。これにより、状況に関係なく、重要なことを継続して行うための能力が生み出されるのです。しかし、リスクを回避できるのであれば、それはBCMにとって良いことです。予防は回復に勝ります。
3. BCMは法律ですか?
BCMの必要性を促進しているのは、有力な規格、規制ガイダンス、ベストプラクティス、契約上の義務、そしてもちろん一般常識であり、法規制ではありません。
4. BCMには多額のコストがかかりますか?
必ずしもそうとは限りません。組織はあまりよく考えずに差し迫った危機にパニックになって物を購入するのではなく、状況に応じてBCMを解釈し、真の能力を得ることができるような啓蒙、教育訓練および予行演習により賢く投資する必要があります。
5. BCMは複雑ですか?
BCMの複雑さはあなたの組織の複雑さに比例します。混乱、危機発生時の対処、スピードが重視される活動の継続的な実施、およびすべてのものを順序どおり回復するための準備を行う仕組みが、あなたのビジネスと同じレベルで備わっていなければなりません。計画が複雑で、理解し難いものである場合は、うまく機能しないでしょう。
6. BCMに取り組むに当たり、何から始めれば良いのですか?
旅と同じように、出発する前に目的地を特定しなければなりません。なぜリーダーシップ、仕組み、計画および手順が必要なのかを明らかにするために、まず予行演習から始めてください。なぜあなたの組織が旅立とうとしているのかを理解し、最終目的地が見えてきたならば、事業インパクト分析、計画の記述およびガバナンスのような、途中の困難な段階を乗り越えるのも容易になるでしょう。
7. BCMが役に立つかどうか、どうすれば分かりますか?
予行演習をしなければ、分からないでしょう。予行演習から始めるだけでなく、予行演習をもって終えることもできます。また。予行演習は、教育訓練、メンテナンスに利用することができますし、あなたの組織が真の能力を持っていることを審査員、顧客、規制当局に示すために利用することもできます。
予行演習は絶対に必要です。何週間もかけるのではなく、数時間で終わらせることができます。そして、就業時間に従業員を集めるよりもコストが少なくてすみます。屈辱感や報復に気をつけてください。これは試験ではありませんから、不合格になることはありません。弱点を見つけ出すことができるだけです。練習を積むことによって、本当に問題が生じる前に弱点を特定し、修正することができ、余裕を持って過ごすことができます。
8. なぜ上級社員からのサポートを得るのは難しいのでしょうか?
避けて通ることのできないグレーゾーンや不可解な用語があまりにも多くあります。よく分からないものを買うような人はめったにいないでしょう。複雑そうに見え、利点が不明確な場合、そしてSMARTな目標がなく、基準、コスト、適切性のパラメータもない場合には、上級社員はこれを先送りするでしょう。
9. BS 25999とは?
2007年、この英国規格は事業継続マネジメントのために作成されました。この規格に関心を持つ人々が、英国および世界中にたくさん存在します。規格は2つのパートに分かれています。パート1は「それが何であるか」を規定したものです。パート2は「あなたが備えなければならないもの」を詳述しています。
この規格の良いところは、多くの概念、用語および方法論を1つにまとめるという発想のもとに作られた、ということです。悪い点は、BS 25999は矛盾していて、費用がかかり、管理を押し付けるものであると認識されていることです。
10. 実施にはどのくらいの期間を要し、どのくらいの費用がかかりますか?
BCMを導入するにあたり、何百万ポンドの費用、何年にもわたる時間を投資した組織をこれまで見てきました。その結果、最良の結果を得た組織もあれば、効果があるというよりむしろ損害をこうむった組織もあります。一方、高品質の包括的なBCMシステムを5000ポンドの費用で、1週間で実施することも可能だということが分かっています。
著者について
Andy Tomkinson氏は、全業界に事業継続、インシデントマネジメントおよび災害復旧の仕組みを提供している、Adtapt社のパートナーです。同氏は、2006年まで事業継続協会の取締役会に選任されていました。また、Survive Personnel SIGの会長でもありました。www.adtapt.comをご参照ください。
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