審査チームリーダー
リーダーがすべてを管理すべきでしょうか?または先頭を切って活動できるかどうかはチームメンバーに依るのでしょうか?氏がチームによる審査で起こりうる、人々の問題について分析しています。

どのような仕様や管理限界も、たとえそれが標準化されていたり合意されていたとしても、依然として曖昧な場合があるものです。では、人々の仕様についてはどうでしょうか?
グループ審査の実施プロセスは、次のように始まります。認証機関が審査業務を打診し、各審査員が主任審査員のEメールアドレスや電話番号を受け取ります。ラッキーな場合は、審査員はリーダーについて、そしてリーダーの審査基準に対する考え方や、さらには世界観に関する情報をも入手できます。
しかし、多くの場合、審査員はチームリーダーについて知らされることはないかもしれません。ラッキーな場合は審査計画を入手することができますが、このような審査計画はほとんどの場合、認定機関の要求事項を満たすように作成されているので、実務上はほとんど役に立ちません。審査計画が入手できなければ、審査員は何を審査するのか、いつ審査するのか、そして審査の時間数はどのくらいか、ということについて全く分からないことになります。
クライアント企業との打ち合わせの際、審査チームリーダーは審査計画のレビューを行います。組織との最初の口頭による合意の後、たびたび変更が生じることになります。大抵の場合、1時間ごとに審査計画の変更が発生します。
審査中、まず始めに行うのは、トップマネジメントへのインタビューです。このインタビューには、マネジメントシステムのレビュー、パフォーマンス、目標との比較、是正処置、改善計画および事業計画が含まれます。チームリーダーは質問を行い、メモを取ります。審査チームは聞くのみで、ほとんど話す機会はありません。
このような場合に問題となるのは、クライアント企業の代表者が、チームリーダー以外のメンバーが何のために居るのか、聞いているだけの彼らのために審査料を支払わなければならないのか、と考えてしまうことです。
チームによる審査の次のステップでは、顧客の巧みな策略が功を奏し、審査チームのうち3人も(特にISO/TS 16949の審査において)が4時間にわたり、会議室の中でコンピューターによるプレゼンテーション、図や表を(うとうとしながら)見続けることになりました。その後、30分間の休憩があり、チームリーダーは昼食時間を心待ちにしているチームメンバーを急かして審査を進めました。
昼食に、巧妙なクライアント組織は遠くにある豪華なレストランを選び、豪華な食事や飲み物でもてなした後、審査現場に戻ってきました。たっぷりの昼食を食べた後の審査プロセスの効率性は推して知るべし、です。さらに、建物の内外の気温、湿度、そして騒音が耐え難いほどのものだったら?
問題は、なぜチームリーダーは、審査計画を策定するときに、審査の効率性に影響を与えるかもしれない環境条件を考慮しなかったか、ということです。
別の問題として、チームリーダーは営業および設計、研究室、内部監査および是正処置など、よりかっこよく見えるプロセスを自分で審査し、文書管理、人的資源のマネジメント、製造(特に不快な環境条件の下で行われているもの)、購買など、どちらかというと関わりたくないプロセスを審査メンバーに押し付けることがあります。
不適合を見つけようと躍起になっている審査チームリーダーが審査計画を作るので、不適合の大半はチームリーダーが見つけることになります。たくさん見つけたらボーナスでも出るのでしょうか?
様々なタイプのリーダーがいます。
- 強気のチームリーダー‐審査チームからの異論なく、企業の認証は維持される
- 弱気のチームリーダー‐チームリーダーは企業の認証を推薦するが、メンバーの審査員のほうがずっと強いので、審査チームの所見にしばしば不一致が生じる
- カインとアベルの関係‐チーム内に人間関係の問題があるため、問題解決が不可能となる。チームリーダーがからんでいなくても、このような問題は生じうる。
- オオカミとヒツジの関係‐審査員の1人が受審企業の元コンサルタントであるが、チームリーダーは今回この企業を初めて訪問するため、企業に対する知識と理解が乏しい。このような場合、誰が審査を指揮するのか?
リーダーシップは芸術である:リーダーシップのあるところには権限や責任も存在するはずだ、と言う人もいます。絶対的な概念はありませんが、もしあなたが権限を持っているならば、行動や損害に対する責任も負わなければならないのです。
審査員の要求事項が通常、個人的特質やパフォーマンスに焦点を当てて規定されているにもかかわらず、審査員の試験は記憶力と規格に関する知識を問うことに終始している場合が多いことは残念です。
著者について
Umberto Tunesi氏は大学で工業化学を学び、その後開発研究所で4年間、製品検査企業で17年間の実務経験を積みました。同氏は、1994年からマネジメントシステム審査員としての活動を開始し、1996年からは自動車産業の審査、および技術方法論のコンサルタントをしています。
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