審査員の公平性への脅威

審査員としての公平性とバランスは必ず維持しなければなりません。しかし、これはなかなか難しいことだと感じているのではありませんか?是非セルフチェックを行ってください。

第三者認証の全体的な目的は、認証に頼っているすべての当事者に信頼を与えることです。信頼を強化するための主な原則は、行動および外観の両方における独立性、公平性、および力量です。

脅威は、審査員の状況を公平に判断する能力を損なう可能性がある、または損なっているだろうと合理的に推定してもおかしくはないので、潜在的な先入観の源である脅威の影響を特定し、分析することが不可欠であるといえます。審査員の公平性への脅威は、審査において先入観のない観察事項および結論を出すという審査員の能力を損なう可能性があり、また損なっているだろうと合理的に推定してもおかしくはないのです。


脅威は、多様な種類の活動、関係、およびその他の状況によって引き起こされます。これらの脅威の性質および審査員の公平性に対するその潜在的影響を理解するために、認証機関または審査登録機関(CRB)は具体的な活動、関係、またはその他の状況により引き起こされる脅威の種類を明確にすることが望ましいでしょう。

以下は、先入観のある審査行動に結びつくと考えられる圧力およびその他の要員を作り出す可能性がある脅威の種類の例を示したものです。このリストの内容は、それぞれが相互に独立しているわけではなく、すべてを完全に網羅しているものでもありませんが、審査員の独立性および公平性に関する問題を分析する際に、CRBが検討する必要のある様々な脅威の種類を説明しています。

あなたは以下のような脅威に屈していませんか?

  • 自己利益の脅威‐審査員が、自らの利益で行動することに起因する脅威。自己の利益には、審査員の感情的、金銭的、またはその他の個人的利益が含まれます。審査員は、マネジメントシステム審査を実施する際、意識的に、または無意識に、このような自己利益を得ることを選択している可能性があります。例えば、顧客とCRBとの関係は、金銭的利害関係を生む、といえます。なぜなら、顧客はCRBの料金を支払っているからです。審査員は、その他にも、受審組織の株式を所有している場合には金銭的利害関係を有しているといえます。また、審査員の家族と受審組織との間に雇用関係がある場合には、感情的または金銭的利害関係を有する可能性があります。
  • 自己見直しの脅威‐審査員が、自分自身またはその同僚が行った仕事を見直すことに起因する脅威。他の人の仕事、または他の組織の仕事を先入観なく評価することに比べて、自己の組織の仕事を先入観なく評価することは、より困難なことかもしれません。したがって、自己見直しの脅威は、審査員が、自分自身またはその審査員の所属している組織の他の人が下した判断を見直しする際に起こる可能性があります。
  • 親しみ(または信用)の脅威‐審査員と受審組織との密接な関係に影響されて起こる脅威。このような脅威は、審査員が受審組織の主張に対し、十分に懐疑的になれない場合、また、結果として受審組織と親しいこと、または受審組織を信頼しているために、受審組織の見解を簡単に容認しすぎる場合に起こります。例えば、親しさの脅威は、審査員が受審組織と特別密接な、あるいは長期にわたる個人的または仕事上の関係を有している場合に起きる可能性があります。
  • 威嚇の脅威‐審査員が、公然とまたは極秘裏に受審組織またはその他の利害関係者により強要されている、または強要されていると信じていることに起因する脅威。このような脅威は、例えば、審査に使用している規範文書の特定要求事項を受審組織が適用することについて、審査員またはCRBとの意見が一致しないことが原因で、審査員またはCRBを罷免すると脅されているような場合に起きる可能性があります。
  • 弁護の脅威‐審査機関またはその要員が、紛争または訴訟において顧客である特定の受審組織を支援、または反対側に回って行動していることに起因する脅威。
  • 競合の脅威‐受審組織と下請負の技術審査員との間に競合の脅威がある場合。

このような状況に心当たりがあるならば、自分自身をよく見つめ直し、本来あるべき公平性を保っているかどうか、自身に問いかけてみてください。


ISO 9001審査実施グループは、QMSの専門家、審査員、熟練家からなる非公式なグループで、ISO専門委員会(Technical Committee)であるTC176 品質管理と品質保証(ISO/TC 176) から生まれました。このグループは、ガイダンスや、QMS審査に関する説明を含むプレゼンテーションを数多く作成してきました。これらは、ISO 9001の審査に必須のプロセスを基礎としたアプローチを反映したものです。