審査に付加価値を与える方
法
あなたは審査において価値を付加していますか?審査の完全性を損なわずに価値を付加することを確実にしていますか?が、あなたの審査を役に立つ、公平なものとするためのヒントをまとめています。
辞書を引くと、「価値」にはいくつかの定義がありますが、これらの定義はすべて役に立つもの/ことという概念を中心に説明されています。したがって、「付加価値を与える」とは、何かを「より便利な/より役に立つ状態にする」ことであると言えます。
ここで最初に生ずる疑問は、「誰があなたの審査から価値を得るか」ということです。
- 受審組織でしょうか?
- 組織の顧客でしょうか?
- 認証機関でしょうか?
答えは、もちろん、上記3つすべてです。正確な審査を実施することにより、組織の適合品供給能力を強化することができるので、組織の顧客に対して付加価値を与えることになります。また、第三者審査の信頼性を向上することにより、認証機関に付加価値を与えることができます。しかし、最も重要なのは、認証を受ける組織に付加価値を与えることなのですが、あなたはこれを実現できていますか?
- トップマネジメントに組織が戦略的目標を達成するための能力について情報を提供していますか?
- もしそれを解決すれば組織のパフォーマンスが向上するような問題を明確にしていますか?
- 改善の機会や潜在的なリスクが存在する領域を明確にしていますか?
これらのことをすべて達成しているかどうか分からない場合は、以下のガイダンスをお読みください。審査プロセスの各所に注目し、どのようにしたら審査に価値が付加されていると確信できるのかについてヒントを与えています。
あなたの審査に価値を付加するためのヒント
審査計画
次回の審査準備をする際に、以下のことを確実にしてください。
- 受審組織が何を期待しているのか、また組織の社風を理解する
- 以前の審査での指摘事項など、特に取り上げるべき問題はあるか?
- 業界や受審組織に対して適切なリスク分析を行う
- 規制、法令要求事項の事前評価を行う
- 審査目的を達成するために、適切な審査チームを選定する
- 適切な時間を割り振る
審査のテクニック
手順書ではなく、プロセスに着目してください。手順書、作業指示書、チェックリストの中にはプロセスを計画し管理するために組織にとって必要なものもありますが、あくまでも原動力はプロセスのパフォーマンスです。
記録ではなく、結果に着目してください。同じように、記録の中には組織のプロセスが効果的であるという証拠(計画された結果が達成されているという証拠)を残すために必要なものもありますが、価値を与えるためには、審査員は記録以外の証拠にも目を向け、評価しなければなりません。
組織のプロセスの有効性を評価するには、以下の事項を考慮したPDCAアプローチを用いましょう。
- プロセスは計画されているか?
- 計画に従って実施されているか?
- 計画された結果が達成されているか?
- 改善の機会が特定され、実施されているか?
審査を通じて証拠を収集するためには、規格の個々の条項に固執するのではなく、全体的なアプローチを用いるようにしましょう。分析および決定を行う際には、リスク分析や常識力を利用し、所見を総体的に判断するようにしましょう。あなたの所見を「組織が適合品を提供する能力」に関連付けて述べるようにしましょう。
報告及びフォローアップ
組織の成熟度、組織の品質マネジメントシステムの信頼度、関与するリスクおよび受審組織の態度によって、様々なアプローチから報告を行う必要が生じます。積極的な提案型の報告を行うか、単なる事実の報告にとどめるべきかを考える必要があるでしょう。また、以下の事項も行う必要があります。
- すべての文化的な側面が考慮されていることを確実にする
- 必要に応じて良い所見を強調する
- 組織が提案した悪い所見に対する解決策は役に立つ内容であるかを考える
最後に、報告は客観的で正しい所見に基づくものでなければなりません。トップマネジメントは、おそらく、管理責任者とは違う期待を抱いているはずです。
審査プロセスに関わるすべての人々に価値を付加することにより、審査は単に規格への適合性を確認するためのものだけではない、ということが確実になるでしょう。組織のシステムを実情に即して反映し、規格に適合していない部分を客観的に示したあなたの報告書は、組織にとって有用なものとなるに違いありません。
著者について
ISO 9001審査実施グループは、QMSの専門家、審査員、熟練家からなる非公式なグループで、ISO専門委員会(Technical Committee)であるTC176 品質管理と品質保証(ISO/TC 176) から生まれました。このグループは、ガイダンスや、QMS審査に関する説明を含むプレゼンテーションを数多く作成してきました。これらは、ISO 9001の審査に必須のプロセスを基礎としたアプローチを反映したものです。
