ある審査員の物語?
氏は、これまで20年以上にわたり審査員として活動し、この間、多くの驚くべき体験をしています。インフォでは、今後数回にわたり、Green氏の非常に興味深く、おもしろいお話を掲載していく予定です。
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多くの人々は、今のキャリアは自分で計画した結果、獲得したものであると考えたいでしょう。私ももちろんそうです。しかし、往々にしてあることですが、時として思わぬ変更が生じるもので、私が現在品質に携わっているのも予定外の変更の1つなのです。 |
審査を始めたばかりの頃は、審査を終えて家に帰ると、コンピュータに向かってその日起こった異常なことをメモに書き留めていました。今思えば、そのような異常な経験があったからこそ、より良い審査員になることができたのでしょう。このような体験が他の審査員の方々にとっても重要な情報となることを願っています。また、未だそれほど経験豊かでない審査員の方々が、私の話をきっかけにどんどん議論してくだされば幸いに思います。
科学であり芸術でもある
すべての科学は事実に基づいています。昔の科学者は、事実同士を関連付け、それによって知識を構築するために、まず基本的な事実を調査し、次に収集した情報について研究を行いました。その結果、ごく近い、または遠い未来に起こり得ることを予測するための理論が確立されたのです。
良い審査員が科学者である必要はありません。しかし、審査員はどのような決定であっても、必ず根拠に基づいて行わなければなりません。審査員は規格の要求事項が十分に取り扱われ、実行されているかどうかの決定を行う際、意見やうわさを根拠にしてはなりません。
審査は芸術でもあります。良い審査員は、被審査者から必要な情報を得るために不可欠な個人的技能を持っていなければなりません。このような技能を定義することは簡単ではないのですが、あらゆる種類の人々と共に働き、被審査者からどのような答えが返ってきたとしても、適切に返答できる人、といったところでしょうか。
被審査者は、審査員の質問に様々な形で返答します。極端な被審査者の例として、簡単な質問をしているのに、その人が行っている業務についてすべての側面を並べ立てようとする場合があります。まるで、その人の上司がこの数ヶ月間何をしていたのか一度もその人に尋ねたことが無いかのように。多分もっともなことではありますが、その被審査者は暴走状態になっているのでしょう。このような場合、良い審査員ならこのような人をそつなく抑制するとともに、必要とされる重要な情報を得ることができるでしょう。
もう1つ極端な例を挙げます。審査員が、被審査者が質問を受けることを拒んでいることに気づいた場合です。実はこのとき、その被審査者は何ヶ月にも渡り、または何年にも渡り、同じ業務を行っていました。部外者である外部審査員として、あなたならどうやってこの被審査者がそんなにも長い間何をしていたのかを突き止めることができますか?
良い審査員ならば、たとえ反発を受けても差し障りのないように対応し、多少のユーモア、賞賛、または質問に対する必要な答えを得るために思いついたことを色々と交えて、気難しい被審査者を味方に引き入れることができるでしょう。
審査員は、そのような困難な状況を、乗り越えるべき課題であると考えなければなりません。また、結局は、そのような課題に直面することによって、誠実な答えが返ってくるような質問ができるようになるのです。しかし、審査員はどんなに被審査者の反応が悪くても、また失礼であっても、決して腹を立ててはいけないのです。
著者について
Dennis Green博士は国際的コンサルタントであり、ISO 9001のプリンシパル審査員でもあります。また、品質マネジメントシステムに関する5冊の著書を執筆しています。そのうち3冊は、先日BSIより発行されました。タイトルはそれぞれ、” Quality Patient Care in Hospitals”、” Quality of Care in Residential Homes for the Elderly”、”Medical Devices: ISO 13485 and ISO 9001”です。
審査員の業務では、受審組織、認証機関、そして審査員自身の機密を常に守らなければなりません。この記事で紹介するエピソードは、この要求事項を逸脱したものではありません。
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