BS 8901: 持続可能な
イベントの創出
氏が持続可能なイベントマネジメントシステム規格、BS 8901について考察します
2012年ロンドンオリンピックがいよいよ近づいてきました。世界最大かつ最も有名なスポーツイベントの1つとして、オリンピックは経済回復の兆しをもたらすだけでなく、環境や持続可能性に対する厳しい監視も伴うことになります。ロンドン大会の組織委員会は、既に大会サプライヤーおよびライセンシーに対し、BS 8901への適合を奨励する旨を宣言しています。オリンピックは、この規格が英国において推進されるためのまさに鍵となるかもしれません。
BS 8901は持続可能なイベントを開催するためのガイダンスを提供し、ISO 9001およびISO 14001といった品質および環境規格と共通のマネジメント原理に基づいています。この規格は単独で開発されたものではありませんが、BS 8901を他の環境規格と直接比較することはできません。
英国では、既にこの規格への適合が、多くの大手イベント運営会社に対する前提条件となっています。なぜならこの規格は、主催するイベントの環境マネジメントを改善するための核となる枠組みを、イベント運営会社やその他の個人に提供するものだからです。規格は、計画から実施にいたるまでの全体的なイベントのライフサイクルに適用可能で、関連するすべての製品およびサービスが含まれます。BS 8901には、規格を使用するに当たってのガイダンスが規定されており、イベントの設計および実施に関与するすべての規模の組織に適用することができます。
BS 8901がカバーしているセクターはイベント運営組織という狭い範囲にすぎませんが、その適用範囲は非常に多岐にわたります。持続可能性目標、安全衛生対策および社会的懸念事項といった新しいコンセプトを導入することで、規格はイベントマネジメントに特化されたものとなっています。
持続可能なイベント
持続可能な開発を運営管理するためのガイダンスを提供する規格であるBS 8900に由来しているため、BS 8901はイベント業界に特有の問題を取り扱っています。8901規格により、イベントの社会への影響に対するパフォーマンスの程度を実証することができます。持続可能なマネジメントシステムは、組織が手順を確立し、監視し、組織の目標を設定し、適合を実証することを可能にするのです。また、規格を利用して、イベントマネージャーは自らの持続可能性を追跡し、進捗状況を基準に従って評価することができます。
イベントの実施に関与している組織が、この規格を利用して持続可能性を向上したいと考えた場合、規格に従って持続可能なマネジメントシステムを構築し、文書化し、維持しなければなりません。証拠に基づいたアプローチを採用し、自らの目的を考察することによって、組織は独自のマネジメントシステムおよびプロセスをサポートするための方針を作り出すこともできます。したがって、異なる規模の2つの組織が同じようなイベントを企画しているとしたら、それぞれの方策は異なるものであったとしても、どちらの組織も規格の要求事項を満たしていることになるのです。
BS 8901は、イベント業界のサプライチェーン全体における環境、経済および社会的懸念事項を取り扱っています。この規格を利用すれば、イベント運営組織はCO2排出や廃棄物の削減、資源の有効性の向上、地域コミュニティ内での投資といった問題に注力することにより、周辺環境への影響を運営管理することができるのです。
組織が利用可能な予算の中で、持続可能なパフォーマンスを改善するための方策を継続的に模索しているとしたら、認証を取得した組織が持続可能なプロセスをもたない組織よりも競争力において有利な立場にあることは言うまでもありません。環境や持続可能性について配慮する必要性がこれまでになく高まりつつある現在、ますます多くの企業がそのサプライチェーンを監視し始めています。2つの企業が同じイベントに入札しているとき、一方の企業が持続可能性規格の認証を取得しており、もう一方はこれから取得すると主張しているとしたら、この仕事はいうまでもなく、持続可能性を証明する独立した証拠を示すことができる企業が落札することになるでしょう。
審査のプロセス
BS 8901の審査は、他の規格の審査と同じように行われます。組織やイベントのニーズを反映しながらも、そのマネジメントシステムが規格の要求事項に適合していることを確認するため、組織は規格の要求事項に照らした審査を受審します。続いて、審査の結果や改善の機会が、トップマネジメントに報告されます。
クライアントが達成した改善やコミットメントの意味を汲むという点からも、審査員は、クライアントが審査プロセスと持続可能性マネジメントシステムの両方から便益を得、さらに規格要求事項の枠組みの中でシステムを運用することを確実にするため、自らの知識や技能を駆使する必要があります。
著者について
Catherine Golds氏は、National Quality Associationの代表です。同氏は、国防省および環境局にも在籍しており、定期的に品質、環境および労働安全に関する問題について講演や執筆活動を行っています。
