コーポレートガバナンスに

統合マネジメントの必要あり

今や、効果的なガバナンスは組織にとってますます重要になりつつあります。David Smith氏が、複数のマネジメントシステム規格を統合することがいかに有用かについて説明しています。

米国銀行業界の貧弱な管理慣行と政府および政治家の信用失墜が原因で引き起こされた世界的な財政混乱を目のあたりにして、我々は皆、このような事態を防ぐための手段について、少々偏見をもたざるを得ない状況に陥ったように思います。超過不当利益および多額のボーナスを得ることを抑制するために政府が策定した規制要求事項は、果たしてリスクに関する問題のすべてをカバーしているでしょうか?

組織とそれらが活動を行っている社会に直面しているリスクを管理するために適用することができるマネジメントシステム規格がますます利用されるようになってきたのは恐らくこのためでしょう。これまでの数年で、貧弱なマネジメント、貪欲あるいは自己満足がもたらした事例を以下に挙げてみましょう。

  • 消費に適さない食品
  • 危険なおもちゃが子供向けに市場に流通
  • 環境の搾取
  • 世界中で搾取されている労働者のひどい労働条件
  • 極端にひどいデータ管理の事例

貧弱なコーポレートガバナンスの問題は、公共セクターにも同様にあてはまり、社会的により攻撃を受けやすい弱者たちを失望させる結果となっています。

しかし、新法が可決されたとしても、それがこれらの問題を取り扱っているかどうかは疑わしいものです。一方、多くの組織機関がリスク領域、つまりガバナンスの鍵となる領域におけるこのような弱点を検知することができる、審査基準となる規格を生み出しています。

マネジメントシステム規格がいかに役立つか?

すでにISO 9001の要求事項がサーベンス・オクスリー法の要求事項のいくつかを満たすために効果的に適用できることに気づいている組織もあります。次に挙げる論理的なステップは、他の規格がより勤勉なマネジメント、完全性、透明性を提供するための手助けとなり、以下のような問題に対処するための枠組みを提供できるかどうかを考慮するためのものです。

  • 倫理
  • 社会への責任
  • アカウンタビリティ(説明責任)
  • 組織のリスクをマネジメントする際に積極的な気風を生み出すこと
  • 説明責任を伴ったリスクマネジメントシステム

それぞれの規格は品質、セキュリティ、労働安全といった個々の分野のために開発されているので、この必要性を満たすのに適した単一ですべてを網羅するマネジメントシステム規格は存在しません。ステークホルダーに保証を実証することを要求している、認証基準となる規格は、ISO 9001、AA 1000、OHSAS 18001、ISO 22000、ISO 27001といった規格だけです。近年、より多くの規格が「グッドガバナンス」を行う際に懸念されるその他の主要領域を網羅するために開発されています。例えば、持続可能な開発(BS 8900)、リスクマネジメント(BS 31100、ISO 31000)、社会的責任(ISO 26000)などです。

多くの組織が、すでに複数の規格を利用することについての利益を認識し、統合アプローチを実施しています。なぜなら、それが経営上の理にかなっているからです。統合マネジメントシステムを採用することにより、組織は不必要なシステムの重複や余計な内部監査を避けることができるのです。

利用可能な規格の多くには、ISOガイド72(PDCA、リスクを基礎としたアプローチを約10年前に採用した)に定義されているコア要素が含まれています。このモデルはPAS 99‐統合マネジメントシステムのための枠組みを構築に特化された最初の仕様規格‐の中でさらに展開されています。

しかし、すべての規格がBSI、CEN、ISOといった規格開発組織に所有されているわけではありません。例えば、AA 1000やOHSAS 18001などがその例です。このため、グッドガバナンスを必要とする多くの領域をカバーする単一のシステムを早急に生み出すことは難しいでしょう。

グッドガバナンスを作り出す

どの組織でも最初にすべきことは、グッドガバナンスやリスクマネジメントへのより幅広いアプローチの支えとなるようなものを既に備えているかどうかを考慮することだと思います。例えば、労働安全におけるリスクアセスメントのための方針などは非常に適切なものであるといえるでしょう。効果的で効率の良いマネジメントシステムのある組織は、グッドガバナンスやリスクマネジメントといったより幅広い責務を取り入れるためには、効果的かつ効率的なシステムへのアプローチをさらに拡大すれば良いということに気づくでしょう。

欧州連合全体の基本的な労働安全に関する要求事項は共通しており、生じるあらゆるリスクを管理しています。財務、法規制順守、一般的なステークホルダーの期待についてグッドマネジメントを実証する必要があるすべての組織は、労働安全衛生リスクマネジメントの核となる原則に自らのガバナンスの基礎を置くと良いでしょう。

機が熟せば、国際的に認識された、リスクを運営管理するための統合マネジメントシステムの枠組みや、コーポレートガバナンス規格までもが策定されるでしょう。それが無い現在、客観的に検証可能なガバナンスのためのシステムを備えていることを実証するためには、一般的な原則を採用し、それらをより幅広く適用することにメリットがあります。OHSAS 18001やPAS 99の方式を採用することは良いスタートポイントとなるでしょう。

著者について

David Smith氏は、iMS Risk Solutionsのディレクターであり、労働安全衛生マネジメントシステムへの責任を担う、BSI委員会の議長でもあります。同氏はマネジメントシステム規格に関する多数の著書を執筆しており、最近では共著書、「グッドガバナンス‐内部管理のためのリスクを基礎としたマネジメントシステムアプローチ」が発刊されています。同氏へのコンタクトは、Eメール:david@imsrisksolutions.co.ukまで。

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