リスクマネジメントを利用した
持続可能性の達成
氏と氏が、ISO 9004の持続可能性へのアプローチにとってリスクマネジメントがいかに重要であるかを説明しています。 ISO 9004の最新版には、持続的成功とは「組織が長期的に自らの目標を達成し、維持する能力の結果」であると定義されています。 |
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持続可能な開発ということばが最初に定義されて以来、短期的な結果に影響を及ぼすことなく長期的に思考を巡らせることが、持続可能性のための慣行の基本原理とされてきました。持続可能性のための慣行を実施することは、現在の移り変わりの激しいビジネス環境において予測可能な開発のための方法を探究し続ける組織にとってますます重要なテーマになりつつあります。
リスクマネジメントを適用すべき8つの領域
持続的成功を達成する能力は、組織が適応能力、行動指針、ステークホルダーとの関係、ノベーション能力を備えているかどうかによって決まります。リスクマネジメントは持続的成功を支えるためのプロセスの1つです。
2009年に改定されたISO 9004規格では、リスクの監視/分析とビジネス環境の変化によって生じるチャンスが極めて重要であると記述されています。規格では、持続的成功を達成するための手段としてリスクマネジメントを効果的に適用することができる8つの領域が強調されています。表1は、これらのプロセス、潜在的リスクの関連領域、推奨される活動、そしてISO 9004の対応項目をまとめています。
表1:持続的成功を達成するための、ビジネスプロセスへのリスクマネジメントの適用
プロセス |
潜在的リスクのある領域 |
推奨される活動 |
ISO 9004 |
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明確化 |
評価 |
緩和 |
|||
1. 資源のマネジメント |
計画を実行し、目標を達成するための資源の利用可能性 |
○ |
○ |
6 |
|
2. 財務的資源 |
財務的資源の割りあておよび利用 |
○ |
|
6.2 |
|
3. パートナーとの関係 |
パートナーとの関係およびパートナーの能力 |
○ |
○ |
○ |
6.4.2 |
4. インフラのマネジメント |
安全性とセキュリティの有効性およびインフラに関わるその他の要素 |
○ |
○ |
6.5 |
|
5. ナレッジマネジメント |
テクノロジーの変化 |
○ |
○ |
6.7 |
|
6. 天然資源 |
天然資源の利用可能性および利用 |
○ |
○ |
6.8 |
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7. 監視および分析 |
組織をとりまく環境の変化 |
○ |
○ |
8 |
|
8. イノベーションマネジメント |
イノベーションのための活動 |
○ |
○ |
○ |
9.3 |
成熟度の指標
ISO 9004は、ビジネスプロセスは以下の5つの成熟度でランク付けすることができると提案しています:
- 基本的 ‐組織は既に発生している問題を解決するために対応しなければならないときにだけ変化を起こす。
- 積極的 ‐問題を予測し、起こり得るリスクを評価するなど、組織は予防のための改善努力に目を向けている。
- 柔軟 ‐プロセスシステムの中で基本的な変化が起こっており、組織は様々な状況に適応可能な融通の利くプロセスを構築することに注力している。
- 漸進的 ‐マネジメントシステムが組織の文化によって浸透しており、正式な手順にばかり頼るのではなく、「正しいことを行う」という組織全体の共通理念を信頼したシステムとなっている。
- 持続的成功を達成 ‐組織は「世界状況を自ら認識」している。影響を受ける関係者すべての利害のバランスを取れるような方法で成功を達成するためのより良い方法を常に模索している。
ビジネスプロセスに適用されているリスクマネジメントの慣行は、持続的成功を達成する上での成熟度を測るための重要な指標です。例えば、「柔軟な」組織、「漸進的な」組織、「持続的成功を達成している」組織は、主要なパートナーとの関係およびパートナーの能力に関連するリスクを監視しているはずです。
リスクマネジメントとダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)
ISO 9004に記述されている成熟度モデルの他にも、組織の持続可能性レベルを評価するために考案された認知度の高いモデルがあります。そのひとつがダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)で、1996年に考案された後、世界中の財務および投資マネジメントにおいて使用されています。組織のリスクマネジメントプロセスの成熟度は、この評価モデルでも重要な要素となっています。以下のような要素が考慮されます:
- グループレベルでの責任および権限の割りあて
- 以下の事項が規定され、展開されている:
- リスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーション、報告などを含む、統一された、グループ全体に渡るリスク分析の枠組み
- 発生可能性、重大性、発生までの時間および相互関連性などを含む、複数のパラメータの評価に基づいたリスクアセスメントのシステム
- リスクの負担、移転、回避に適用される方法および意思決定基準を確立するためのリスク対応戦略
- 起こり得るリスクについて、発生可能性と重大性という二次元のスケールでランク付けするためのツールの展開
この評価方法は、Quality Professionals' Resource Centreのウェブサイトにて無料で利用することができ、持続可能性のための慣行の歴史と将来の姿についての最新の情報を確認することができます。あなたの業務においてISO 9004:2009を効果的に利用しながら進めていく必要があるかもしれない領域が明らかになるでしょう。
著者について
Gary Cort博士は現在、ISO 9000シリーズ規格の技術委員会、ISO/TC 176の議長を務めています。
Natalia Scriabina氏は、カナダのオンタリオを拠点とするQuality Professionals’ Resource Centerのディレクターです。同氏はIRCAの主任審査員です。

