Sellafield社の内部監査

英国の大手原子力企業、Sellafield社では内部監査が大きな役割を果たしています。Andrea Routledge氏が解説します。

Sellafield社は英国原子力廃止措置機関(NDA)の委託を受け、安全なデコミッショニング、再加工、核廃棄物マネジメント及び燃料製造活動に取り組んでいます。組織は多数の下請負契約者を含む10,000名の従業員を擁するカンブリア州のSellafieldサイトを含む3サイトを基礎として運営しています。企業活動には以下のような、多様で複雑な数多くの取り組みがあります。

  • 核燃料の製造及び再加工
  • 再加工活動から生じた廃棄物の取り扱い、処理、保管
  • 廃止施設のデコミッショニング(処分)
  • 幅広いインフラの提供及び企業支援サービス

監査活動

Sellafield社の独立監査チームは社長及び環境、安全衛生及び品質取締役に独立した保証を提供する第一義の機能を有する全社「保証部」の一部を成しています。保証部は2004年の導入以来活動を続けており、部門における独立監査チームの役割は保証プロセスが次第に統合されてきたのと同じように発展を続けています。

チームは様々な知識と経験を備え、環境、安全、品質、衛生、セキュリティ及び各関連の安全問題に関する審査をSellafieldの役員が承認した年間プログラムに従って実施しているフルタイムの監査員4名で構成されています。このプログラムはリスクを基礎とした上記の項目を取り扱う5年単位の定期プログラムに由来しています。

監査チームは同じく保証部の一員である独立検査チームと密に連携して活動しています。独立検査チームの役割は、サイトの手順書や法規制への適合性をサーベイランスや検査で確認することです。独立監査時の監査員の役割は文書への適合性を評価したり、潜在的なプロセスの改善について提案したりするだけでなく、社内の他の領域で発見されたグッドプラクティスについての情報の共有も行っています。

独立監査チームが全社の監査を行う一方、各部門にも自部門監査プログラムが整備されています。組織の規模を考えると、自部門監査は全ての項目を適切な程度まで掘り下げて確実に監査するには不可欠であると言えます。

監査や検査の実施に加え、保証部の役割には監視プロセスの運営管理も含まれます。このプロセスは独立監査及び検査のアウトプットを分析し(報告された事象やパフォーマンス指標など他の情報源からの情報についても)、傾向やさらなる措置が必要な懸念される領域を明らかにします。このプロセスはうまく機能しており、全ての保証の源からの情報を照合することで、著しい問題を明確にすることができます。適宜、これらの問題は役員に報告し、何らかの措置を取ることになります。

課題

Sellafield社のチームは数多くの課題に直面しています。組織がデコミッショニングや処分の方向に向かって動いており、現場での業務に変更が多いこともその1つです。また、組織は「プロジェクト化された」現場への再構成をしようとしています。これは組織の部門をプロジェクト単位に分けようというもので、プロジェクトに必要な全要員の毎日の業務を管理しなければならなくなります。これは、機能領域からの資源をプロジェクトが責任を持ってサポートしている現在の体制とは異なります。

これにより、監査チームは役割及び責任についての最新の知識を身につけると共に、このような変更がマネジメントシステムに及ぼす影響について詳細な知識を身につけておかなければなりません。

将来

組織内の自部門監査と独立監査とはちょうど良いバランスを保っていなければなりません。Sellafield社は次の2年間で保証の枠組みを改正する予定です。改正プロセスでは独立監査のウェイトを変更し、各部門に自らの体制文書への適切性や適合性について保証する責任をさらに課します。そうすることにより、独立監査チームは各部門の適合性について逐一見直すのではなく、全体的なプロセスの健全性や自部門監査体制の適切性の評価に注力することができるようになります。

この改正プロセスにより、Sellafield社の保証体制の堅固さはさらに強化され、我々の体制に対する顧客や管理当局の信頼はさらに高まるでしょう。

著者について
Andrea Routledge氏は、 Sellafield社で独立審査チームのマネージャーを3年にわたり務めています。

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