審査のステークホルダーを

理解する

ステークホルダーマッピングが確実に審査を成功させる上でいかに重要かをDavid Straker氏が解説します。

監査や審査における課題の1つは、他の多くの職業と同様に、自分の顧客だけでなく自分の業務や成果に関心を抱いている可能性のある全ての人々が、自分が提起した推奨事項をいかに受け入れるか、または積極的に反対するかということです。審査のステークホルダーには契約マネージャー、審査領域のマネージャー(及び彼らの部下全員)、監査の対象になるかもしれないと考えている他のマネージャーたち、そして組織の品質マネージャーなどが含まれます。

ステークホルダーについて理解し、彼らが何をする可能性があるのかを予測するための有用なツールがステークホルダーマップです。これはステークホルダーが反対または支持を実行に移すための力に照らして、あなたが行っていることに対して起こりうる反対または支持を視覚的に表したものです。

ステークホルダーについて理解する

あなたのステークホルダーを描き表すための第一段階は、彼らについて時間をかけて理解することです。情報が多ければ多いほどマップの精度は高くなり、より彼らに影響を与えられるような戦略を立てることができます。

ステークホルダーが明確になったら、「彼らの関心はどこにあるのだろうか?」と問うてみましょう。審査でこの問いかけを行えば、良好で他に何もすることが無いように見えたり、それによって会社が改善されたりする可能性もあるでしょう。ステークホルダーが審査にどのような思いを抱いているかによって、彼らがあなたの活動を支持するか、反対するかを大きく左右することになるでしょう。

自分の身を危険にさらし、あなたの活動を成功裏に導くような行いをしてまでも、あなたを積極的に支持する人々もいるでしょう。また、あなたの努力をぶち壊しにしようと躍起になる人々もいるでしょう。このような積極的な人々はしばしば強い焦点が当てられるようなところにいます。

分類するのが難しい、静かで受動的な人々もおり、このような人々が大部分を占めています。彼らは積極的な行動は起こさず、じっと様子を伺うだけの立場を好むでしょう。成り行きにまかせるか、あるいは静かに物事の進行を阻止し、妨げることで、遠まわしに変化を支持するか、反対に回るかのどちらかです。

中立的立場で変化に対する支持も反対もせずに、どっちつかずの態度を貫く人々もいます。彼らは待機戦術を用いることが多く、実際に起ころうとしていることをじっと見守っています。このような中立的な人々の中には単に決定をしないタイプもいます。即時に決定をする人々もいれば、さらに熟考や説得が必要な人々もいます。

どちらにしても、中立的人々に関して最も重要なことの1つは彼らの人数です。このような人々は非常に多い可能性があります。彼らを変えるために一生懸命努力してください。そうすれば、ゲームに勝つことができるでしょう。

それが権限に裏付けられた正式な力であれ、あなたがしていることを支持するか、あるいは反対するよう他人を説得することができる社会的な力であれ、ステークホルダーは皆、力を持っています。

大きな力を持つステークホルダーはあなたにとって最も強力な支持者となるか、最も危険な反対者となるかのどちらかです。従って、力の分析はどのステークホルダーにまず注目すべきかを決める上で有用です。

マップを作る

マップを作る方法を解説します。最初に上述のような方法でステークホルダーを分析し、次に下図のようなマップに分析結果を描き、該当する欄に彼らの名前を書き入れます。チームでこの作業を行うときは、付箋にステークホルダーの名前を書いて、図1のような大きなチャートを壁に張り、そこに付箋を貼り付けるようにします。

図 1:ステークホルダーを 図にする

ステークホルダーの現在の立場が明確になったら、これをどのように利用するか、どのように動かすかを考えましょう。通常の場合、図2のように矢印を使って表中でステークホルダーの駒を動かしますが、それらを動かすには通常は時間と努力という対価を支払うことになります。従って、どのように動かすとどのような対価を払わなければならないかを考えなければなりません。つまり、アクションを起こすに当たって最も良い方法は何かということを考える必要があります。

図 2: ステークホルダーに影響を与える

実際に使用したステークホルダーマップ

私はかつて、品質への認識が低く、審査やその他の評価活動を嫌っているか、または価値の無いものだと考えているような組織で働いていました。しかし、ある上級マネージャーは、審査は改善のための有用なツールであると考えていました。我々は、審査を中心とした明確な改善のための枠組みを構築することに誰が反対で誰が賛成なのかを明らかにするために、二人で他の上級マネージャーや主要な要員のマップを作成しました。このステークホルダーマップは我々が誰の考え方を変えなければならないか、誰が早い段階で我々の新しいアプローチを受け入れてくれそうなのかをはっきりさせる上で非常に役に立ちました。現在でも依然として簡単な道のりではありませんが、マッピングは我々を正しい方向に導いてくれました。

著者について
David Straker 氏(MCQI CQP)はコンサルタントとして活動しています。また、同氏は知識共有のためのウェブサイトwww.syque.comを運営しており、Changing Minds: In Detailの著者でもあります。

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