ISOガイド83 – マネジメントシス
テム規格の革命?

氏が、全てのマネジメントシステム規格に影響を与える新たなガイドを紹介します。
ISO 9001やISO 14001のような規格を採用し、これらを組織で成功裏に実施している規格ユーザーの方は、ISO ガイド83について未だご存じ無いかもしれません。しかし、このガイドは将来、全てのマネジメントシステム規格に影響を与える可能性があるのです。このガイドの使用が開始されれば、マネジメントシステム規格の開発に革命的な影響を及ぼす可能性があります。警戒すべきことのようにも聞こえますが、長期的に見れば簡略化の方向に向かうことになります。
ガイド83は規格ではなく、規格開発者がマネジメントシステム規格を開発する際の支援となるガイドであり、2011年9月に国際標準化機構(ISO)によりレビューのため配布され、ISOメンバーの過半数の支持を得ました。ガイドはマネジメントシステム規格の上位構造及び共通テキストを提供しています。このガイドは、現在の各規格には多くの共通要素があるにもかかわらず、十分に整合していないため、組織がシステムを合理化し、調和、統合するのを難しくしているという規格ユーザーの批判に対応すべく開発されました。
ガイド83はISOが主なマネジメントシステム規格に関与している技術委員会から代表者を集めて設置した共同技術調整グループ(JTCG)によって開発されました。
このガイドの使用が開始されれば、全ての新規及び改訂されたマネジメントシステム規格は同じ構成となり、全ての規格の共通領域で、同じ用語及び条項構成が用いられることになるでしょう。ISO 9001の顧客重視やISO 14001の汚染予防のような問題などの要求事項についても、改訂の際には共通の構成の中で取り扱われることになります。
「プロセス」アプローチ対「PDCA」についての議論もどちらのモデルも使わずに、どちらのアプローチとも互換性のある枠組みを用いることで解決されています。
ISO 9001やISO 14001のような規格を新たなフォーマットに改訂するには数年を要するでしょう。しかし、例えば情報セキュリティのISO 27001や道路交通安全のISO 39001などは、ガイド83の開発時からガイドに記述されているアプローチに従っているため、改訂作業はより速く行えるでしょう。十分に確立され、効果的なシステムを持っている組織は、この新たなアプローチに何ら問題を覚えることもなく、むしろ新鮮なものと感じるかもしれません。
特に、ガイドの中には新規の項目があり、トップマネジメント、その役割、及び組織の状況を理解する必要性に主な焦点が当てられています。全体的な枠組みを以下に紹介します。
- 適用範囲
- 引用規格
- 用語及び定義
- 組織の状況
- リーダーシップ
- 計画策定
- 支援
- 運用
- パフォーマンス評価
- 改善
第4項では次のことを要求しています。
- 組織とその状況の理解(4.1)
- 利害関係者のニーズ及び期待の理解(4.2)
- マネジメントシステムの範囲の決定(4.3)
- XXXマネジメントシステム(4.4)
XXXには、ISO 9001であれば「品質」、ISO 14001であれば「環境」など、共通の文章中に特定のマネジメントシステム分野の名称が記入されます。
第5項では、分野に関わらず、トップマネジメントに何が期待されているかを明確に記述しています。
5.1一般:「組織全体に渡り、トップマネジメント及びその他の関連する経営層としての役割を担っている人は、XXXマネジメントシステムについてのリーダーシップを実証しなければならない。」
リスクを取り扱う
規格開発の各委員会で激しく議論されている分野の一つに、「リスク」という用語の使用があります。この用語はいくつかの規格とは関連させるべきでないと考えている人々もいます。今のところ、6.1項で「リスク及び機会に対応するための措置」を取り扱い、続く6.2項に「これらを達成するための目標及び計画」を記述するという共通意識が優勢です。文書及び記録に関する全ての要求事項は7.5で取り扱われます。
規格開発者は、この新規文書(ガイド83)で長年にわたり表明されてきた懸念、つまり様々なマネジメントシステム規格で矛盾や不必要な重複があるという認識(真実であるにせよそうでないにせよ)が取り扱われるであろうことを望んでいます。このガイドが必須文書となるかどうか、そしてどのように適用されるのかはまだ分かりませんが、英国規格協会(BSI)はそのマネジメントシステム委員会との協議の後、規格開発者がガイドを効果的に実施するための助けとなることを期待して、ISOに提案事項を提出しました。
開発グループにとって次のステップは、2012年2月のディスカッションに向けて作成されている改訂版草案に国家規格機関からのこれら全てのコメント及び提案事項を組み込むことです。
これらの変更がOHSAS 18001のようなISOの管理外にある規格にどのような影響を及ぼすかについては、現時点ではまだ分かりません。整合性を開発し、維持できるようにするためには、これらについても徐々に同じ経路が取られることを願います。
統合システムを運用している人々が、新たな規格が開発された際に容易に移行できるよう、この新しい構成を反映すべくPAS 99も改訂される見込みです。
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