顧客のフィードバックのプロセスは、QMSの重要な部分であり、したがって、第三者審査の際には十分留意されることが必要です。顧客からのフィードバックはQMSの全体的な有効性を判断するのに使用できる主要なパフォーマンス指標の一つです。それゆえ審査員が以下のことを検証することが重要です:
1) ISO 9001の全体的な目的は、組織が以下の状況の場合、条項1.1で述べられたように、QMSのための要求事項を明確に定めることです
2) 条項 7.2.3 では、組織が「顧客苦情を含め顧客からのフィードバック...に関し顧客とのコミュニケーションのための効果的な取り決めを決定し実施すること」を要求しています。
3) ISO 9001の条項 8.2.1 では、「 組織がQMSのパフォーマンスの指標の一つとして、組織が顧客要求事項を満たしているかどうかということに関する顧客の受け止め方についての情報を監視すること、この情報の入手及び使用の方法を定めること」と述べています。
用語に関するISO/TC176 ガイダンス文書 (ISO/TC176/SC2/N526R)は、監視とは「観察し、監督し、レビューし続け;定期的に測定または試験する」ことであることを強調しています。ISO 9001 の条項 8.2.1 では組織が正式な顧客満足度調査を実施したり、またその他の顧客満足度の測定を実施することを、もちろんこれは顧客の受け止め方を監視するツールとして有益であるとなりえるけれども、規定要求事項としてあげてはいないということを審査員が認識していることが重要です。
したがって、組織は顧客の視点で物事を見て、顧客の受け止め方を監視しようとすることが重要です。顧客満足度の測定は、ある状況では適切かもしれないが、それは規格で直接要求されていることではありません。
したがって審査員は、組織のアプローチに影響を与えうるその多くの要因について認識しているべきであり、また、ある「定まった」方策があるわけではないということも認識しておかなければなりません。当然のこととして以下のような要因を留意しなければなりません:
審査員は、顧客満足に影響を与える可能性のある、組織の製品の具体的な特性について認識しておく必要があります。審査を通して審査員は、顧客満足あるいは不満足を示すような現象がないかどうか注意し、顧客フィードバックプロセスの審査の中にそれが含まれることがあります。そのような情報は以下含まれるかもしれません。そのような情報のよい情報源として以下があげられるかもしれません:
これらは、顧客のフィードバックプロセスの審査で審査員が取り扱わなければならない問題のいくつかです:
a) このプロセスのアウトプットとして望まれるものは何ですか?顧客の受け止め方に関して実際入手可能な情報として何がありますか?この情報は、マネジメントによって製品、プロセス、QMSへの改善を促すためにどのように使われていますか?すべての顧客分類がこの情報で網羅されていますか?組織によっては2種類以上に分類される顧客のあるところもあるということを覚えておくことが重要です。(ISO 9001: 条項3.3.5の「顧客」の定義を参照)
b) プロセスにインプットするためにデータはどのよに収集されていますか?組織が顧客の受け止め方を監視する方法はたくさんあります。審査員は、どうなされるべきかという先入観をさけなければなりません。組織が使用できる方法として、以下のような例をあげることができます:
しばしば苦情が顧客から自発的に受け取る唯一のフィードバックであることがあります。この情報は傾向や鍵となる問題、影響などの点を分析されなければなりません。顧客からの苦情が顧客の受け止め方を監視するための唯一のインプットであるはずがありません。審査員もある特定の苦情をみて結論を出すことだけは避けるべきです-それらの苦情は、常にQMSに与えるそれらの全体的な影響を考慮して扱われるべきです。
c) 情報はどれくらい信頼できるか?
理想としては、組織がすべての顧客の受け止め方を監視するでしょう。しかし、そうすることはコスト的にも許されないこともあるでしょう。したがって、顧客をサンプリングするのに組織が使った基準を検証する必要があります。そしてこのサンプルが実際実態を代表するもので、組織と顧客の両方にとってのリスクを反映していることを確実にしなければなりません。
審査員は提供された情報、を審査をしながら入手した他の証拠と比較しながら検証することを模索しなければなりません。(条項3.1を参照) 場合によっては、審査員が組織の顧客と直接情報をとって検証することが適切なこともあるかもしれません。ただし、その際には、ある種の外交上の駆け引きも要求されるでしょう。
d) データはどのように分析されるか?
顧客の受け止め方についての単なるデータ収集では十分ではありません-審査員はプロセスを追って、データがどのように分析されているのか(条項8.4を参照)、またQMSの有効性という点においてどんな結論が出されているのかを確認しなければなりません。
なにか傾向はあるか? 状況は安定しているか、改善しているか、それとも悪化しているか?顧客のニーズや期待は変化しているか?顧客からのフィードバックを視野にいれるため、ISO 9001の要求事項ではありませんが、業界他社との比較やベンチマーキング上の活動について組織に尋ねることも適切かもしれません。
e) このプロセスへのフィードバックによって得られる情報は、全体としてのQMSにどのように扱われるか?
f) その他のQMSプロセスとのつながりは何か?
審査員は、顧客フィードバックプロセスが以下の規格条項を含む、しかし限定されない、他のいくつかのQMSプロセスと重要なつながりやインターフェースをもっていることを認識すべきです: 5.6 マネジメントレビュー、 7.5.2 プロセスの妥当性確認、 7.2.3 顧客とのコミュニケーション、 7.3.6 設計及び開発の妥当性確認、 7.3.7 設計及び開発の変更
この記事は、ISO 9001審査及び実施グループのウェブサイトで掲載の「顧客フィードバックプロセスを審査する」を編集し、ISOおよびIAFの好意で再編されたものです。現在のベストプラクティスに基づき開発され、したがってIAFガイダンスまたはISO TC176解釈として承認されているものではありません。審査実行グループについて、さらに情報の必要な場合には、以下にアクセスしてください。