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継続的な改善を監査・審査する

インフォのAuditing Practices Group によるISO 9001:2000 ガイダンス文書のシリーズ第3番目では、継続的改善の監査・審査が焦点に取り上げられています。

どれくらいの改善なら「十分」なのか? ISO 9001:2000での要求事項は、QMSの有効性の継続的改善を目的としたものです。継続的改善は、トップマネジメントによって設定される目標から生じ、それは、少なくとも以下のことを言及しているべきです:

  • 経済的な競争力を維持するための組織内部の効率性の改善
  • 個々の顧客のニーズ
  • 市場が通常期待するパフォーマンスレベル

例えば、航空産業においては引渡し品の受入可能な不適合の比率は0パーセントであるので、組織にとってこの比率の改善に関して目標を設定するのは有用ではないでしょう。しかし内部の効率や競争力改善を目指した目標(例えばイノヴェーション(改革)を通じて)を持つことは組織にとって有用でしょう。

目標を設定する

審査員は被審査者が以下の3つの要素を相互に関連させた目標を設定しようとしかたどうかを明確にする必要があります。3つの要素とは:

  • 法人の目標
  • 顧客のニーズ
  • 市場の期待

そのあとは、内部効率の改善のニーズと対外的なパフォーマンスを進歩させるニーズのどちらに重きを置くかは組織次第です。ただしこの2つは非常に密接に関連しあっていることがよくあります。どちらか一方だけが単独で考慮され、十分かそうでないかがわかるものではありません。

審査員にとって問題となりうる分野の1つは、何が市場のベンチマークとして妥当なのかを知ることです。航空産業の例をとると:もし組織が引き渡された不適合製品の比率を50%から40%のレベルに向上させたと発表したならば、これは継続的改善を実証するものでしょうが、業界での通常の0%という基準を考えると受け入れられるものではありません。ですがもし組織がそのパフォーマンスを0.50%から0.40%に改善するための目標を設定したと発表したならば、これは市場の常識にずっと近いものであろうということです。

審査員にとって唯一の解決策は、組織がどのようにこの改善レベルの提案を決めたのか、どのように関連するリスクを評価したのか、またこれがどのように顧客要求事項と関連しているのか、そして顧客の満足度に関するフィードバックの監視と関連しているのかを検証することです。「十分な継続的改善がなかった」と記述する不適合報告書が発行されることはほとんどありえないでしょう。

証拠を通じて厳密に調べる

どういった種類の情報が関連性のあるものであり、それはどこで見つけられるでしょうか。審査員は会社全体の目標が適切なプロセスを通して内部の要求事項に変換されているのか、そしてこれらの要求事項がどのようにして伝達され監視されているのかを検証する必要があります。

ですから審査員は組織がプロセスの監視から得たデータを分析し、結果をプロセスの効率性の評価や/またはプロセスアウトプットの改善へとつなげて進めている証拠をさがすべきです。特に吟味が必要とされる点は、1つのプロセスの改善であっても、一貫して、全体的な目標達成を目指す手段をとる必要があることです。つまりこれにより、他の目標の達成に矛盾をきたすことがないようにする必要があります。

審査員が探る必要のある情報としては、会社の目標がどのようにして具体的なQMSの目標に変換されているのかを示す証拠が挙げられます。例えば、組織が顧客の苦情を30パーセント低減するという目標を掲げたとします。トップマネジメントの分析では苦情の50パーセントは納品遅れに関連していることを示しています。審査員はそこで組織が遅延を減少させるため、そのプロセスやプロセスインターフェイスを通じそのスケジュールと計画の活動における鍵となる側面を監視し分析している証拠をさがすべきです。

プロセス、それともQMSを改善する?

審査員は組織がすべての潜在的な改善を同時に進めることを期待するのは非現実的であることを覚えておくべきです。各改善活動には資源についてのコミットメントが要求されるでしょう。とくに投資が必要な場合にはトップマネジメントによる優先付けが必要とされるかもしれません。そうではなく、審査員は改善目標が全体として一貫しており、先に述べた3つの要素(法人の目標、市場のニーズ、顧客の期待)とぴったりと整合していることが確実かどうかを探るべきです。

しかしながら、継続的改善と関連した方針や目標をもたない組織は明らかに規格に準拠していません。同様にこれらの側面の少なくとも1つに関しても何か改善した証拠がない場合には、組織の品質方針がISO 9001にそっていないことを示すと考える必要があるでしょう。

警告:組織が全てのプロセスを同時に改善する目標を設定すべきであるという要求事項はありません。顧客苦情の低減についての上の例にあるように、プロセスの中にはトップマネジメントが遅延の短縮には顕著に貢献しないと考えるものもあります。そのような場合、組織はこれらの領域には集中しないのが通常です。

もしトップマネジメントがあるプロセスに対し(現実的な)目標を設定しており改善の証拠がない場合、この情報はマネジメントレビューに投入され、その結果トップマネジメントはどんな種類の処置が適切であるかを決定することができます - 例えば、目標を再調整したり、プロセスに影響を与えるために別の方法を提供したりします。

この記事は、ISO 9001 Auditing and Practices Groupのウェブサイトの「継続的改善を審査する」の編集版であり、ISO とIAFの好意により再編されたものです。これらは現在のベストプラクティスに基づき作成されたもので、従って、 IAF ガイダンスまたはISO TC176 の解釈として正式に承認されているものではありません。Auditing Practices Group についてさらに詳しい情報が必要な場合には、www.iso.org/tc176/ISO9001AuditingPracticesGroup(英文)にアクセスください。

ISO 9001 Auditing Practices Groupは、QMS専門家、審査員およびISO 専門委員会 176 品質マネジメント及び品質保証 (ISO/TC 176) 及びIAF の実務者による非公式グループです。QMSの審査について説明する多くのガイダンス文書やプレゼンテーションを作成しています。これらの文書の内容は、ISO 9001:2000 品質マネジメントシステム-要求事項を審査するために不可欠であるプロセスに基づくアプローチを反映しています。

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