審査員がプロセスアプローチを理解していない、または誤解している場合には、ISO9000「品質マネジメントシステム-基本および用語」およびISO 9000 の導入および支援パッケージ:マネジメントシステムのためのプロセスアプローチの概念と使用に関するガイダンス(ISO/TC176/SC2/N544 、www.iso.org/tc176/sc2で参照).
を見るべきであったということです。 審査登録機関は、所属するすべての審査員が、ISO 9001の、特にプロセスアプローチに関する要求事項について十分なトレーニングを受けていることを確実にしなければなりません。 その結果、審査員が以下を含むいくつかのステップが必要とされることを認識しなければなりません:
プロセスアプローチの概念は、審査員にしっかりと理解され、規格の用語に制限されることがないということが必要です。 しかし被審査者は、独自の社内用語を用いるかもしれません。 審査員は、プロセスアプローチの適用は組織ごとに異なり、組織の規模や活動の複雑さによりちがうということを認識していなければなりません。 中小企業には特別な配慮が必要です- 審査員は、中小企業のQMSにはそれほど多くの数のプロセスがあるなどと期待してはなりません。
もし審査員が被審査者がまったく誤解している事態に出くわす場合、これは通常第一ステージでの審査で明確になるものです。 そうしたならば審査員は、被審査者に対し認知した情報源、たとえば上で示した内容について言及するべきです。 被審査者は、また以下に対して十分な配慮を払うことが必要です:
被審査者が多くのプロセスを特定しすぎることがよくあります。 それらのいくつか、またはすべてはISO 9001 が使用する概念では、一つのプロセスとしての要求事項を満たすものではない活動で、このような場合、審査員は(第一ステージ審査で)被審査者が、たとえば活動の重要度に基づき再度プロセスの定義をやり直すことを提案すべきでしょう。 特に中小企業に関係のあることかもしれません。
プロセスを十分に理解することは、審査員、被審査員双方にとって複雑な問題です。しかしもっとも困難な側面の一つが、そもそもプロセスを明確に特定することではないでしょうか。
被審査者がプロセスと活動の概念を区別できない時には、バックグラウンドとなる情報としてISO9000のガイダンス〈条項2.4〉や定義(3.4.1)を使って簡潔な説明をすることができます。 審査員は、被審査者の固有の状況に適応することができなければなりません: 被審査者のシステムとアプローチを理解するのは審査員の責任です。
審査において審査員は、用語だけが違いの問題であるのか、それとも被審査者によって本当にプロセスアプローチが実施されていないという問題があるのかを判定しなければなりません。 被審査者がISO9001の4.1に述べられた要求事項を十分に実施していないのであれば、不適合報告書を発行する必要があるでしょう。 もしこれが単に用語上の問題であり、条項4.1の要求事項のすべてが十分に満たされているのであれば不適合報告書を発行する必要はありません。
規格の要求事項が満たされていれば、被審査者は独自の用語を用いる権利があります。審査員は、頭の中で相互参照することにより整合させ、理解するよう図らなければなりません。
もし、被審査者がプロセスでは目標(必ずしも測定可能でなくてもよい)、インプット、アウトプット、活動および資源が明確になっていなければならないということを理解していない場合には、審査員は被審査者に対しての質問の仕方を変え、品質マネジメントの専門用語の使用を避けるのがよいでしょう:たとえば「ここで行われている業務を説明していただけますか」とか、「貴方の部署で行われている基本的な仕事は何ですか」、また「貴方が仕事を始めるのにどのような情報が必要ですか」などです。 審査員が(ISO9001に関し)プロセスのインプット、アウトプット、目標等がすでに明確に設定されているかどうかを判定するのに役立ちます。
もし、上で述べられた審査技法の適用後、プロセスが分析され監視され改善されていることを実証できる記録やその他の証拠が見当たらない場合にはISO9001、条項4.1の一部に不適合があるように思われます。
もし審査員がこれが正しいアプローチであると考えるのであれば、その審査員は関連のISO文書(特にISO/TC 176/SC 2 文書「 N544 ISO 9000 - Introduction and support package: guidance on the concept and use of the process approach を参照するとよいでしょう。 ここにははっきりとそれとは反対のことが記されています。
ISO 9001 の序文でのプロセスアプローチに関する記述は、説明を提供するもので、それ自身、追加要求事項を示しているのではありません。 条項 4.1 では具体的にQMSプロセスに関しプロセスアプローチを実施するために必要なステップを示しています。また条項4.1の備考ではQMSに必要とされるプロセスの例が提供されています。 審査の手法は、組織のプロセスを分析する方向で選ばれなければなりません。
本記事は、ISO 9001 Auditing Practices Groupのウェブサイトの「プロセスの明確化」と「プロセスを理解する」をISOおよびIAFの厚意にあずかり編集したものです。 現在のベストプラクティスに基づき作成されたものであり、したがってIAFガイダンスまたはISO TC176 の解釈として正式に認可されるにいたってはいない文書です。 Auditing Practices Groupに関する更に詳しい情報が必要な場合には、APG website にアクセスください。
ISO 9001 Auditing Practices Groupは、 ISO TC 176 品質マネジメントおよび品質保証 (ISO/TC 176) 、そしてIAFのQMS専門家、審査員、従事者からなる非公式グループです。 QMSの審査に関しての説明を内容とする数多くのガイダンス文書やプレゼンテーションを作成しています。 これらの文書は、ISO 9001:2000 品質マネジメントシステムの要求事項を審査するのに不可欠な、プロセスに基づくアプローチを反映した内容になっています。