前のページに戻る   このページを印刷

能力がすべてか?

マネジメントシステムのさまざま仕様において要員の能力が大きく取り上げられていますが、要員の品質、環境、労働安全衛生のリスクを最小にする機能の実施能力に影響をもつ別の問題があります。審査登録機関、DNVのDavid Powley氏は、信頼性と可用性の要素に着目しています。

審査員の能力

マネジメントシステム仕様の ISO 9001 (条項 6.2), ISO 14001 (条項 4.4.2) and OHSAS 18001 (条項 4.4.2) では関連する要員が、その機能を実施する能力があることを確実にすることをめざす明確な要求事項があります。これらの要求事項には、品質であれ、環境や労働安全衛生であれ特定のリスクに基づき、トレーニングのニーズを評価し、適切なトレーニングを適用し、必要であれば開発することが含まれています。

はっきりとは述べていないものの、仕様では要員の能力が組織への入社時、あるいは別の役割に移動するときに確実にされているべきであることを暗示しています。品質、環境、労働安全衛生のマネジメントシステムの第三者審査員は、審査の際、力量の保証について考慮し、ほとんどの部分で組織の多くがこの活動をうまく処理しているのを見ます。さらに第三者審査員は〈顧客苦情、事故、法規制への違反など)望ましくない事象や状況に対する調査が多く実施されているのを発見し、その部分における関連した要員に力量不足があると結論付けます。 しかし、能力だけが、決めてとなる考慮すべき事項として限られるものではありません。

信頼性および可用性

簡潔に述べると、最小のリスクで要員がある作業を実施する決めては、能力、信頼性、そして可用性です。能力は、別の用語で力量といわれ、経験、資格、教育、トレーニング、知性などの要因で決定されます。

信頼性は、意味が広く肉体的、精神的健全性、疲労や態度、適正、人格、イニシアティブ、その他の要因によって決定されます。 総称して、これらを「人的要因」と呼ぶことができるでしょう。 可用性は単純には、ある機能を実施するのに使える時間を寄せ集めたもので、これは実施する仕事量および使用される作業方法に関係しています。

灰色の領域…

上記に記述したように、能力を決める第一の事項はマネジメントシステムの仕様でよく網羅されています。 可用性の第三番目の決めては仕様の中での十分な人的資源を適用する必要性という点で網羅されていると言えますが、審査員や審査される組織はこのことに対して十分な意識を払っているでしょうか。更に言うと、仕様のどこにもマネジメントシステム自身が要員の信頼性を考慮すべきであるということを考えさせる部分がありません。 そこで第三者審査員や審査する組織にとってこのことは何を意味しますか。

第三者審査で発見された不適合の統計のすべては見ないまでも、おびただしい数の不適合が可用性や信頼性における不備により引き起こされたものであるでしょう。 可用性が欠如するケースにおいては、それが当然の場合には許されるものではありません。 組織の中には、他の投資や代替を考慮せずに大きな労力の筆よな作業を少ない人員にさせてもリスクは大きくなることはないと誤って考えているところがあります。 第三者審査員は、このことに明確にして強調する義務があります。 結局のところ、人的資源を十分にすることが必要であることは仕様の中にある要件です。

しかしながら信頼性に不備がある場合、不適合の発行を審査員が保留することが無理のない場合もあります。 評価はむずかしく、仕様のどこにもそれが網羅されていません。 審査員ができる最良のことは報告書で観察として取り上げ、裏づけが確実な場合にのみ不適合とします。

すべての要素を考慮する

望ましくない事象や状況を調査する能力を組織が審査される場合、考慮する原因となりうる要因の数に制限があってはなりません。 もし、この制限が発生する場合、トレーニングや力量の不足がないのに、また力量不足が事象に何の影響も与えないときでさえ、トレーニングを行うといった、効果のない是正処置を行う結果を招きます。 可用性や信頼性などのその他の要素が考慮されないとき、それは否認が存在するかのような状況にさえ思われます。

現在では、第三者審査員がそのようなケースに出会った場合、当然の場合、すべての要素が調査で考慮されていないことを基礎にして不適合を宣言することは適切であります。 

もっとも力量のある人々でも信頼性の欠如や十分な時間がないため、まったくもって規格はずれの行動をとることもありえます。 信頼性や可用性の要素はリスクマネジメントにおいて能力と並んで重要視されなければなりません。 審査員やマネジメントシステムの運用者は、そのことに当然の認識を与えることが重要です。

筆者についてDavid Powley氏について

認証機関であるDNV Certification Ltd.のプリンシパル主任IMS審査員を勤めるかたわら、公認化学者である氏は王室化学学会および労働安全衛生協会の会員でもある。 IEMAプリンシパル環境審査員、IRCAQMS2000主任審査員、またEMAS主任検証人の資格を有する。 更に詳しい情報の必要な方は、www.dnv.com を参照ください。

©2005 IRCA. All rights reserved www.irca.org 連絡先 略語

表紙  
特集 arrow
ニュース  
フィードバック