効果的な内部コミュニケーションのプロセスは、どの組織の QMS をも成功に導くものです。反対に、組織の QMS について生じる問題の多くはコミュニケーション不足から来ているといえます。
内部コミュニケーションについて、 ISO 9001 の項目 5.5.3 では次のように述べています。「トップマネージメントは、組織内に適切なコミュニケーション・プロセスが確立されており、 QMS の有効性について確実にコミュニケーションが行われるようにしなければならない」。
ISO 9001 には、明確な「はい/いいえ」によるアプローチでは十分ではない要件が数多くあり、組織内の内部コミュニケーション・プロセスの効果的実施の評価もそのうちのひとつです。
ISO 9001 にはこの他にも数多くの要件があり、その中で、トップマネージメントは以下について組織内の人たちとコミュニケーションをとる責任があることを述べています。
ISO 9004 の項目 5.5.3 のガイダンスでは次のように述べています。「組織の管理者は品質に関する方針、要件、目的および達成のために効果的で有効なプロセスを決定し実行しなければならない。そのような情報を提供することにより、組織のパフォーマンスの改善を助けることが可能となり、品質に関する目標の達成において担当者と直接関わることになる。管理者は、担当者と関わる手段として、組織の担当者からのフィードバックとコミュニケーションを得るよう積極的に図る必要がある」。 ISO 9004 のこのガイダンスは審査できる内容のものではないものの、内部コミュニケーションの妥当性について洞察を加えているものであることに留意することは重要です。
ISO 9001 の項目 5.5.3 には検証を必要津する 2 つの主要な要素があります。
a) 組織内に、以下のものを含む適切なコミュニケーション・プロセスが確立されていること
b) コミュニケーションが行われており、 QMS の有効性と関連しているということ。
効果的なコミュニケーション・プロセスの証拠を探す場合に、審査員は以下のいくつか、あるいは全部を、組織にとって適切なものとして観察する必要があります。
文書化された手順については特別な要件がありませんが、組織の規模、複雑さ、文化によっては、その効果的な実施を確実なものとするためにそのような要件を持つことは必要だと思われます。
審査員は、組織内で情報を伝達する以下の手段のいくつかあるいは全部について観察を行います。
審査員は、組織の内部コミュニケーション・プロセスを以下によって判断することができます。
審査員が、ひとつの審査セッションあるいは「時間帯」の中で組織内のコミュニケーション・プロセスの有効性を判定することができるかどうかは疑問です。審査全体を通したさらに総体的なアプローチが必要ですが、審査計画において別項目として含める必要はありません。審査チームはこの問題について協力的な検討を行うことを計画する必要があります。同様に、組織の内部コミュニケーション・プロセスの有効性を組織のひとつのソースからだけで決定できるかどうかについても疑問があります。
ISO 9001 の要件に対するコンプラアンスについては、審査終了時、審査のための証拠を評価し、他のチームメンバーとの同意に達した後でのみ決定されなければなりません。
筆者について
この記事は、 ISO 9001 審査実施グループのウェブサイト上の「不適合の文書化」を編集しなおしたもので、 ISO と IAF のご好意を得て掲載するものです。これらの文書は現在のベストプラクティスについて作成されており、そのため
IAF のガイダンスや ISO TC176 の解釈として正式な確認を得たものはありません。審査実施グループについてさらに知りたい場合は、
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ISO 9001 審査実施グループは、 QMS の専門家、審査員、熟練家からなる非公式なグループで、 ISO のテクニカルコミッティー、 176 品質管理と品質保証 (ISO/TC 176) と IAF から生まれました。このグループは、ガイダンスや、 QMS 審査に関する説明を含むプレゼンテーションを数多く作成してきました。これらは、 ISO 9001 の要件審査に必須のプロセスに基づくアプローチを反映したものです。