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イランにおける基準を高める

広大な地域に 7 千万人が散らばって住んでいるイランでは、標準化と品質レベルの維持はこれまで常に困難な問題となっていました。しかし、 Farzin Entessarian 氏が認めているように、成長を続ける ISO 認証と十分に訓練された審査員の助けによって、この国では品質が文化政策の最前線にまで急速に進みつつあります。

イランは面積 1,650,000km 2 、人口 7 千万人の国です。大きな国内市場がありますが、面積が広いためにそれは広大な地域にちらばって存在しています。イランでは工業化が非常に進んでおり、開発途上国中トップレベルの工業国のひとつとなっています。国内総生産は、購買力平価で測ると US$5,170 億です。イランにおける産業の最大のものは、自動車、石油、ガス、石油化学産業で、これらはすべてイラン人によって経営されています。これは、その地域における産油国の多くとは異なっています。これらの国では、経営のトップから一番下の労働者に至るまで従業員の大部分が海外から来ているからです。

議会で法律として成立した第 4 次社会経済、文化発展 5 ヵ年計画が 2005 年初めから始まりましたが、この中で生産性の伸び率は 2.5% と予測しています。この法律中のいくつかの条項では、発展計画においては品質と生産性が重要な課題であることについて述べています。経済活動は大部分が国の支配下にあり、そのためこの国の生産あるいはサービス組織の多くは巨大化する傾向があり、西欧における同様の組織の平均的な規模と比べると何倍もの規模になっています。

イラン標準化局( The Institute of Standards and Industrial Research of Iran 、 ISIRI) は国家基準について定めており、さらに様々な分野で約 7,000 の基準を作りました。文書による管理基準の草案は、 1992 年から ISO9000:1987 の翻訳で始まりましたが、その後すぐに ISO の改訂版の草案と切り替わり、最終的には ISIRI-ISO 9001/2/3:1994 の標題で発行されました。

現在、 ISIRI にはシャドー・コミッティーがいくつかあり、マネージメントシステム基準に関する ISO/TC 176 のシャドー・コミッティーや環境マネージメントシステム基準に関する ISO/TC 207 のシャドー・コミッティーなど、 ISO の委員会として活動を行っています。同時に、国際基準の開発についても翻訳についてと同様作業を進めています。こうして、 ISO 9000 と ISO 14000 の新改訂版は、 ISO による英語版の発行と同時にペルシャ語でも発行されることになっています。

イランでは、 2000 年まで国家認定を行う機関がありませんでしたが、 2000 年に国家規格化審議会がイランの認定機関の設立を許可し、こうしてイラン認定組織 (Iran Accreditation System, LAS) ができました。この組織では以下のような活動を行っています。

  • ISO ガイド 58 や ISO ガイド 61 のような関連基準の実施。
  • 国際認定フォーラム ( International Accreditation Forum 、 IAF) 、 国際試験所認定機関協力機構 ( International Laboratory Accreditation Cooperation 、 ILAC)  の会員
  • 関連基準に基づいて、認定機関、試験所、監査会社、コンサルタントの認証を開始。
  • EFQM エクセレンスモデルを基に、国家品質賞を 2 回実施。
  • 多国間協定に基づいて、 IAF および ILAC への加入を準備中。

イランにおける民間および特に公的な組織のすべてにおいて、 ISO の認証を得ることは非常に一般的なこととなっています。実のところ、そのような認証を得ることはすべての政府機関における主要政策のひとつでさえあります。これまでのところ、イランの組織に対して、次のような認証が発行されており、その中には、県庁や省庁といった行政機関も含まれています。

  • 4,208 ISO 9001
  • 650 ISO 14001
  • 自動車産業に関する 443 ISO/TC 16949
  • 衛生および安全に関する 102 HACCP 認証
  • 衛生および案塩に関する 236 OHSAS 18001 認証

1994 年、 ISIRI はイランの会社に対し発行されたすべての ISO の認証を登録することとし、同年、何らかの確認と修正後に ISO 9001/2 の認証を与えられた多くの企業の登録を始めました。このプロセスは、およそ 700 社の企業が登録された 1990 年代終わりごろに中止されました。

ISO 9001 認証についてイラン人が初めて審査した 1994 年から現在まで、イランにおける審査は大きな進展を遂げました。現在では、約 250 名のイラン人の審査員がイランにおいて審査に携わっている 22 の認定機関で働いています。 250 名のイラン人審査員のうち、約 100 名がさまざまな認定機関で働く常勤の専門家で、残りはフリーランスで仕事をしています。また、 200 名の研修審査員やプロセス審査の専門家(アシスタント審査員)がいます。

問題点

残念ながら、他の多くの国と同様に、マネージメントシステム認証の発行にはある種の困難がつきまとい、たとえば経済的理由から認定機関の間に健全ではない競争が生じたりすることなどがあります。認定機関、あるいはおそらく認定機関によって適切に管理されていない機関の代表者により適切な審査が実施されることなく認証が発行されたり、あるいはなかなか認証が貰えないといったケースもあります。

 

これは、認定機関が広く仕事をする率、そしてほとんどすべての認定機関における審査の質の深刻な低下をもたらしました。 1990 年代半ばに ISIRI が認証を登録し、効果的な品質管理を行っていたときには、その仕事はしっかりとした健全なものでした。しかし、これが終了すると、イランにおけるマネージメントシステム認証の健全さと評判とは損なわれてしまいました。

 

イランのような国におけるマネージメントシステムの状況を危機的にするもうひとつの問題として、有効な消費者保護法がないということがあります。たとえば、英国には製造物責任法があり、製造者は製品の品質を保証し、消費者や重大な結果と直接立ち向かわなくてはなりません。イランにはそのような法律はありませんが、マネージメントシステムこそ、そのような問題をなくすための助けとなるものです。

 

イランにおける品質文化は、幸い広がってきており、品質および生産性の概念が始まるとともに、品質の問題は次第に重要なものとなってきています。今日では、イラン品質管理学会、イラン監査学会、およびその他数多くの NGO がこの概念と真面目に取り組んでおり、環境保護の基準と同様、品質と生産性のレベルを上げる努力をしています。たとえば、 2006 年 1 月には、イランで最初の国際審査員および主任審査員会議が開催され、イランにおける過去 10 年間の品質審査の達成度について討議する予定になっています。

 

 

筆者について

Farzin Entessarian 氏は機械工学修士で、大規模の監査会社である Iran Group of Surveyors の創設者として船舶および積荷の調査分野で 35 年の経験があり、同時に品質管理の専門家として 20 年の経験があります。現在は、品質管理学会会長およびイラン監査学会の副会長をつとめ、監査、品質、安全およびマネージメントに関連するさまざまな分野を専門とする 10 社からなる Experts Group の代表です。

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