IRCAの現行のやり方を批評するなら、二つの点を見落としてはなりません。その一つは、IRCAの沿革です。IRCAは、第三者が認定する審査登録(認証)認証登録の支援を、その明確な目的として設立されました。このことは、IRCAの顧客は、Baid 氏が「大規模な組織」と言われる認証機関であることを示唆するものです。二つ目は、IRCAの機能に関わる点です。IRCAの役割は、力量を認証することであり、これを行うのに、多種多様な利害関係者がその有効性を認める形式を使用しています。その形式は、ISOによる監査・審査のガイダンス規格であるISO 19011 に基づいています。
法的に義務付けられていない事を提供する事業であれば当然のことですが、IRCAの提供するサービスは、そのユーザーが、ユーザー自身にとって価値があるかどうかを判断した上で、使用するかしないかをを選択できるものです。しかし、現在100カ国以上の国々から13,000人以上の監査・審査員が登録しているという事実は、IRCAのサービスが、地理的には広範囲に、量的には多くの人々に、価値あるものと認められていることを示します。登録数が13,000人であり、適合性審査という領域の潜在的規模はその何倍にもなるであろうことから、13,000人という数字は、IRCAが誰でも達成できるような容易な基準を設けてはおらず、IRCAの登録基準は、現場では十分に力量のある人のすべてに適切とはいえないものであることを反映しています。このことが、Baid氏のご指摘内容です。
現在、監査・審査員の力量を明示する方法として何が最良なのかという点については、監査・審査員登録業界内で、盛んに議論されています。これについて、とりわけ闊達な議論が展開されているのは、ISO 17024規格が最近発行され、これらの事項に関する要求事項が示されたことと、ISO 19011に基づく登録モデルの伝統から袂を分かった大手監査・審査員登録機関の一つが、力量を明示する適切な手段は唯一つであり、それは有効かつ独立性のある審査を通してスキルを見ることであると強く主張していることによります。
この機関は、トレーニング、学歴資格、実務経験、実施した監査や・審査の数などの要素をインプットすることはやめよう、と主張しています。これらは、ほとんど意味がないというのです。力量を明示する本当の指標として受け入れられるのは、スキルと知識をどのように現場に適用するかを独立したの立場で審査した結果のみであるというのです。この議論が特に活発なのは、監査・審査員を利用するユーザー側である認証機関が、この新しい思想に強い不信感を抱いているためです。一方には、この新しいアプローチに学究的な関心を抱き、財政的利害関係はない人々がおり、彼らはこのアプローチをかなり支持しています。他方には、誰かのパフォーマンスを、多くの場合、現場に立ち会って評価することに伴う当然の費用負担の発生を認識し、この費用を吸収するか顧客へ転嫁する方法を見出さなければならない立場の人々がいます。そして、その顧客達は、大概、監査・審査員の力量評価の方法論的な問題について知らないか関心がなく、新しいアプローチへ変更すると、コスト効果の点で有益なのかどうかとなると、全く確信がありません。
私達が力量を測定する方法として長年使用してきた命題が、今、疑問視されています。これ自体は、健全な、歓迎すべき議論です。しかし、新しい時流に流されて結論を急ぎ、現在の評価と登録のやり方は良くないとしてやめてしまう前に、私達のような監査・審査員登録機関と、登録された監査・審査員を使用する認証機関が、その業務を営む文脈と制約というものを意識しなければなりません。
私達が監査・審査員の力量を評価し登録する方法は完璧とは言えません。しかし、その費用は受け入れられる範囲内のもので、このやり方は、かなりの価値を付加していることは確かです。最近、私は、私達が本当に懸念するべき第一の事項は監査・審査員の力量ではなく、認証機関のやり方と認定機関によるコントロール(の不足)であるという議論を展開しました。しかし、今後、登録認定のコントロールの仕方が再考される中で、私達のような監査・審査員の登録機関が、そのやり方を改め、異なる登録基準を採用する時期がくるのかもしれません。それが、Baid氏が指摘された懸念への答えになるのかもしれません。
公開フォーラム
しかし、これはIRCAの意見です。他の方々は、異なる意見をお持ちかもしれませんので、以下の質問を皆様にお聞きしたいと思います。ご回答をお待ちしております。
1.
IRCAの現行の登録基準は、力量を評価するのにの有効な基準だと思われますか。
2.
現行の登録基準は、マネジメントシステムの監査・審査を行う監査・審査員の主な分類を全てカバーしていますか。
3.
改善の余地があると思われますか。それならば、どのように改善したらよいですか。
4.
改善の結果、費用が高くなる場合、登録申請者はその増加分を負担する用意がありますか。その場合、負担してもよい増加分は幾らまでですか。
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