エンドユーザーの意見:完璧な第三者認証審査とは
「完璧な認証審査を実施するには?」これは適合性評価の業界の権威者、尽力者、そしてしばしば厄介とされる人々の間でも思案されている問題です。しかし、誰の意見が本当に信頼できるのでしょうか。認証制度のエンドユーザーの意見は確かに信頼できます。この理由から、新しい認証プロダクトの開発において、IRCAはエンドユーザーからの意見を求めました。本書ではこのアウトプットを概説しています。
彼らは何と答えたでしょうか?
- 費用と価値: エンドユーザーが望む付加価値は認証機関からはもたらされません。なぜなら、認証機関は通常価格競争をするからです。このために、審査員は審査計画や準備のために必要な時間を充当できません。これは、「鶏が先か、卵が先か」的な状況となっています。つまり、エンドユーザーはより多くの費用を支払う必要はあるが、価値が上がるかどうか定かではないため躊躇しているという状況です。
- 審査員の状況: 上記の通り、認証のコモディティ化とそれによる価格下落に伴い、審査員はより安い日当でより多くの仕事をこなすようになっているようです。これにより、より力量のある審査員が業界にとどまることをあきらめ、残った審査員は毎週4、5日をオンサイトで審査して疲労困憊している状況です。これは専門職業はもちろんキャリアと呼ばれるようなものではありません。
- 審査員の力:
私たちのビジネスを理解している 私たちが求めているのは、ビジネスにおける戦略、計画、利害関係者の要求事項を理解し、ビジネス目標と関連した審査成果物に焦点をあて、目標を達成するのを助ける改善を促進できる、第三者審査の審査員です。私たちが顧客に提供する価値という視点で私たちのビジネスを捉えることができる審査員を必要としています。私たちはこれを支援してくれる審査計画を必要としており、望んでいる審査員とは以下の通りです:
- ビジネス上の問題を理解している審査員
- 敬意を抱かせる審査員
- 円熟していて信頼できる審査員
- 業界の知識が豊富である審査員
- 安心感があるが自信過剰ではない
- 求められるときには規格を別にして審査できる
- 卓越した文章能力がある
- 分析し明確な結論をまとめることができる
- 分析的であるが、人を引きつける魅力がある
- 経験豊富な審査員
- アクティブ・リスニングができる
- 上級管理者からの抗議には毅然と対処する準備ができており、おじけづかない
- ビジネス上の利点やリスク削減の視点から所見を格付けできる
- 組織の「醸し出す空気」に対する感受性をもっている
トップマネジメントに関する力量:私たちが望むのは、「パートナー」としてトップマネジメントとビジネスの問題点を話し合うことができる審査員です。トップマネジメントとビジネスについての話ができる審査員を求めています。主任審査員を選択する際に、「あなたはこの審査員を上級管理者として雇いますか。」と尋ねてみることです。
斬新な視点:組織内で行われていることを確認できる斬新な視点を持って組織に訪れ、政治的な理由のために言及されずに放置されてしまうような問題を指摘できる審査員を評価しています。
価値:クライアントにどうすべきかを教えるようなコンサルティングを避けなければならないことは認識していますが、以下の点においてはもっと価値を見出す必要があります。
- ビジネス目標と審査所見の間に関連を持たせる
- (規制、市場、技術的な)リスクと審査所見の間に関連を持たせる
- 所見の優先順位を定める
- 過去の審査所見と関連を持たせる
- 改善を通してクライアントを指導する
- 根本原因の分析の視点から、過去の不適合のフォローアップなど有意義な継続的な改善に焦点を当てる
- 複数サイトの審査: 現在エンドユーザーは複数の審査員が作成した山のような審査報告書を受け取ります。私たちが望むのは、集約され概要をまとめた傾向を明確にした報告書です。繰り返しになりますが、このサービスを受けるには余分に支払わなければならないことは認識しています。
- マネジメントシステム(複数)審査員が必要: 私たちは、QMS審査員やEMS審査員ではなくシステム審査員を必要としています。品質、環境などを別個の機能ではなくビジネス全体として捉えるなら上級管理者をもっと巻き込むことができます。審査員もこのアプローチを採用することを望みます。ですから、IRCAにお願いですが、QMS審査員やEMS審査員はやめて、マネジメントシステム審査員だけにしてください。このような審査員は少なく、審査の計画ももっと必要となりますから、私たちもコストが高くつくことは理解しています。
望まない審査員:
- 自己流で審査する(自分の得意分野に固執する)。特化した知識ベースに重きを置いて、その他の分野は無視する
- 規格の独自の解釈を持つ
- 話過ぎで相手の話を聞かない
- 問題に対する文書化が不正確
- 規格の知識しかなく、規格の文字通りの表現に固執する
- 時間管理が下手
更なるディベートの場の提供
ここにまとめた調査報告書は、公開用で、国際的な適合性評価や認証の機能についての継続中のディベートに貢献する目的で発行されています。IRCAはこの問題は深刻であると考えています。
審査に関するこのトピックについてご意見がある場合や、本書を読んで思われた感想がありましたら、IRCAオンライン・ディスカッション・フォーラムに投稿してください。forum.irca.org (英語) |
あるいは、IRCAジャパンまでご意見をお寄せください。2007年5月20日のフォーラムのトピックです。皆さんのご意見を含み、業界の代表者によるプレゼンテーションを企画しています。ircajapan@irca.org
その他のご意見:
興味深いことにエンドユーザーの意見はIRCAが尋ねた認証機関の意見と同じでした。認証機関の意見は、以下のIRCAインフォの記事からご覧いただけます。 http://www.irca.org/inform/issue12/INform.html
IRCAの適合性評価に関する意見をお知りになりたい場合は、以下をご覧ください。 http://www.irca.org/inform/issue8/SFeary.htm
オープンスペース・イベントの開催に当たりご尽力いただいた、Business Improvement NetworkのメンバーであるJim Wade氏に感謝申し上げます。 http://www.bin.co.uk/
このアウトプットはIRCAが開催した、オープンスペース・イベントのまとめです。このイベントには民間、公営、国内外、国際的な組織やマネジメントシステムの認証を持つ組織、サプライヤーが認証取得している組織もしくは、両者とも取得している組織の代表者30人が出席して行われました。
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