ISO 19011 が大きく変わります:

- Richard Green からの報告 -

2017年4月18日にミラノで開催されたISO/302/Joint Working Group 1の会合にCQI を代表して出席したRichard Green が、CD に加えられた根本的な変更を、興奮をもって伝えてくれます。

ISO 19011:2011 はマネジメントシステム監査の指針を提示しています。監査の原則を示し、監査プログラムをどのように管理し、マネジメントシステム監査をどのように実施するかのアドバイスを提供しています。

さらに、監査プロセスに関わる要員、例えば監査プログラムを管理する人や監査員、監査チームといった人々の力量の評価についても述べています。

したがって、マネジメントシステムの内部もしくは外部監査を実施する必要のあるすべての組織、あるいは監査プログラムを管理する必要のあるすべての組織に適用することができます。

監査に関するこの規格に対し、現在改訂作業が進行中です。2016年11月に、ISO PC (Project Committee) 302がオーランドで会合を開き、文章の変更について話し合いを行いました。この会合の成果物として、CD 19011:2016 が出されたわけですが、これは現行の規格を大幅にリフレッシュしたものというより、現行の規格を進化させたものとお考えください。

進化させたものと申し上げたのは、CD 19011:2016 では、リスクに大きな焦点が当てられ、監査の実施について附属書SL の要求事項の影響がところどころで認められる一方、実質的な変更はあまりなかったからです。多くの委員にとって、このCDは、21世紀に反旗を翻し、20世紀にフィットする監査規格へ向かっているように見えました。

そして、ミラノにやってきました。4月18日、ISO/302/Joint Working Group 1がミラノにあるイタリアの国家規格機関 UNI のオフィスに集いました。

18日に開始した会合では、その週を通じて、規格の内容が形を変えていきました。足かせが外れ、イタリアの委員に導かれ、オーランドでのCD の構成と内容に根本的な変更が加えられたのです。

それはどのような変更なのでしょうか?

おそらくもっとも顕著なのは、箇条4に導入された新しい「監査の原則」です。高潔さIntegrity、公正な報告 Fair Presentation、専門家としての正当な注意 Due Professional Care、機密保持 Confidentiality、独立性 Independenceと証拠に基づくアプローチ Evidence Based Approach に加えて、監査員は、「リスクに基づくアプローチ Risk Based Approach」を採用することを当然のこととして求められることになります。 

「リスクに基づくアプローチ: リスクと機会を考慮する監査のアプローチ。リスクに基づくアプローチは、監査が被監査者や監査プログラムの目的の達成にとって重要な事柄に確実に焦点を当てるよう、監査の計画、実施及び報告に実質的な影響を及ぼす」。

新しい原則は、附属書SL に基づくすべての規格に通底しているリスクを強調するだけでなく、すべてのビジネスマネジメントシステム (第三者認証されている、いないにかかわらず) においてリスクを管理することが全般的に重要であるということを示唆しています。

この新しいリスクに基づくアプローチの原則は、新しく加えられた一連の細分箇条 5.1.1、6.1.1及び7.1.1に盛り込まれており、監査プログラムを管理するとき、監査を実施するとき、そして監査員の力量を評価するときにリスクと機会を考慮するよう求めています。

オーランドCD に加えられたその他の変更は:

附属書Aへの重要な追記、「監査を計画し、実施する監査員のための追加の指針」。新しいパラグラフでは、パフォーマンスの成果、プロセスアプローチ、ライフサイクル、専門家としての判断、遠隔監査、監査のリスクと機会、そして監査プロセスにおける ICT の使用が網羅されています。監査員は、また、組織の状況を理解することを要求されています。

構成に関しては、現行の附属書A「分野に固有の監査員の知識及び技能に関する手引き及び例」はオーランドで削除されたのち、再び導入されることになりました。ただ、ISO 19011そのものに入れるのか、どこか適切なウェブサイトで公表することになるのか、どちらかになると思われます。そのようなウェブサイトをどのように運用していくかについてはまだ意見は一致していません。

ISO 19011 自体はマネジメントシステム規格ではないので、 附属書SL の上位構造 (HLS) は適用されません。現行と同じ7章からなる構造を保持することになります。ただし、箇条6.4の細分箇条はより論理的な順番に並べ替えられます。

適用範囲にはほとんど変更はありませんが、序文が簡略化されました。

最後に、複合監査 combined audit、合同監査 joint audit 及び統合監査 integrated auditの違いを説明する追加の文章もしくは表が加えられる予定です。

次のステップ

今回提起された変更の性質や程度からいって、合同ワーキンググループとしては、このままDIS に行くのではなく、国家機関のコメント募集のためのCD2を策定したいということになりました。ISOにこのアプローチの許可を求めたところ、ISO の答えは最初のCD の得た賛成票の数からいってそれは問題外であるというものでした。

したがって、破棄されたもののミラノで受け入れられたコメントと、我々合同ワーキンググループ自身が合意し改訂したCD の文章を、約1か月後に投票に付されるDIS の中に入れ込まなければなりません。

ご注意ください!

現在、ISO 19011 はまだ移行の作業中です。この現況報告は、現時点での規格の内容を反映したものであり、今後の会合において現行の文章はまだまだ改訂される可能性が非常に高いです。したがって、このアップデートは「ご参考までに」ということでご提供しているということにどうぞご留意ください。

Richard Green、 CQP (Chartered Quality Professional) はISO 17021-3、ISO 19011及びISO 45001 に関する委員会にCQI を代表して参加しており、Kingsford Consultancy Services の代表取締役を務めています。

IRCA ISO 19011 セミナー

IRCA ジャパンは、ISO 19011 の改訂をにらみ、英国からRichard Green を講師に迎え、
ISO 19011 セミナー 監査原則の進化 監査の何が変わるのか」を開催いたします。

日程: 2017年11月30日  10:00~16:30
場所: 東京都千代田区 紀尾井町フォーラム

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