新シリーズ パート3: マネジメントの意図を確実に、効果的に実施するには

審査員のための力量のフレームワークのパート3では、トップの決定した戦略を現場で実際に実行するために附属書 SL をどのように活用するかについてRichard Green が提案します。

 

このシリーズでは、これまでに、「マネジメントの意図は明確化されているか?」、そして、
「マネジメントの意図は目的に合致しているか?」という、ガバナンス (Governance) の
重要な側面に関する問いへ答える形でマネジメントシステム監査員/審査員の役割を
検討してきました。

これらの問いに対して、明確な答えに達したなら、保証 (Assurance) の問題に移っていく
用意ができたということになります。では、組織がこれらの願望をビジネス上の有形の
成果に転換させていくことができる枠組みを実施してきたかどうかを検討していきます。

CQI の力量のフレームワークでは、保証に関しても、2つの質問を設定しています。まず、
「マネジメントの意図は効果的に実施されているか?」、そして次に、「それは所望の結果を
生み出しているか?」です。今回の記事では最初の質問について見ていきましょう。

附属書SL: マネジメントシステムの設計図

保証の部分では、私たちは、トップマネジメントの決定した方針が、ステークホルダーの
要求事項を一貫して満たすことのできる製品やサービスを提供する場面においてどのように
翻訳されて (実施に移されて) いるかを確認するための客観的証拠を探します。

私たちは、方針、戦略、目標、計画、プロジェクト、プロセス、そして個人のタスクを
1つの首尾一貫したシステム、つまり組織のビジネスマネジメントシステムに結びつける
「黄金の糸」を探しています。

附属書SL は、すべてのマネジメントシステムに適用できる設計図を提供しています。
箇条4.4「マネジメントシステム」では、組織は必要なプロセス及びそれらの相互作用を
含むマネジメントシステムを確立し、実施し、保持し、継続的に改善することが要求
されています。

同時に、箇条5.1「リーダーシップ及びコミットメント」では、トップマネジメントが
これらのプロセスを通常のビジネスに組み込むことが要求されています。 

箇条 5.2「方針」においては、トップマネジメントは組織の状況を理解した上で、
ステークホルダーの要求事項を含む、組織に適用される要求事項を満たすことにコミット
することを示す方針を作成し、周知することが求められています。方針は、また、
マネジメントシステムの目標を設定する枠組みを提供しなければなりません。トップ
マネジメントは、その目標と組織の全般的な戦略的方向性とが両立することを確実に
しなければなりません。

箇条 6.2「マネジメントシステムの目標及びそれを達成するための計画策定」は、
マネジメントシステムの目標とそれを達成するためのシステムレベルの計画の間をつなぐ
ものです。箇条 8.1「運用の計画及び管理」は、システムレベルの計画とプロセスの
設計、実施及び管理をつなぐものです。 

最後に箇条9.1「監視、測定、分析及び評価」は、組織がマネジメントシステム全般の
パフォーマンスと有効性を評価することを要求しています。

監査員/審査員は、これらの各要素が存在することが確認できれば、マネジメントの意図を
実施する方法が確立されていると結論付けることができるでしょう。ただし、これらの
要素が一体となって作用し、途切れることなくマネジメントシステムの意図した成果を達成
している場合に限り、監査員/審査員はマネジメントの意図が効果的に実施されていると
結論付けることができるのです。

マネジメントシステム監査/審査の世界標準

監査/審査のプロフェッショナルとして、私たちは保証の分野での仕事は慣れ親しんだ
仕事です。証拠に基づく、公平な保証を提供することは、私たちの職務が果たしてきた
ことの中心にあるものです。

もしあなたがこの職務について新人であるなら、あるいはご自身の現在の監査/審査スキルを
次のレベルに引き上げる潮時だと考えているなら、CQI|IRCA の提供する監査/審査関連の
さまざまなコースをチェックしてみるとよいかもしれません。

これらのコースは、マネジメントシステム監査/審査の世界で世界標準として広く認知されて
いるIRCA の監査員/ 審査員登録への足掛かりとなるものです。

パート4では

さて、組織が意図する成果を生み出す潜在的な能力があるマネジメントシステムを整えた
ことを確認しました。しかし、潜在的な能力を持つことと、実際に生み出すことは
別々のことです。

次回のパート4では、現場で何が起こっているのかを検証するための監査員/審査員の役割を
検討していきます。焦点は、監視、測定、分析及び評価へと移り、プロセスの保証から、
製品/サービスの保証へとシフトしていきましょう。

Richard Green、 CQP (Chartered Quality Professional) はISO 17021-3、
ISO 19011及びISO 45001 に関する委員会にCQI を代表して参加しています。

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