ISO DIS 9004:2017 品質マネジメント - 組織の品質

ISO 9001 が組織の製品/サービスの品質に言及するものであるのに対し、ISO 9004 は組織そのものの品質を対象とする規格です。「ISO 9004:2009 組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ」は改訂作業中であり、2018年前半に新しい規格として発行されます。

ISO TC 176

今年 (2017年) 9月、ISO 技術委員会 (TC) 176のメンバーはインドネシアのバリ島に参集しました。TC 176 は、おそらくISO 9001 と結びついた形でよく知られていると思いますが、この委員会の担当範囲は広く、23個の発行された規格だけでなく、現在も10個の規格を開発中です。これらはすべて品質マネジメントと品質保証に関係するものです。

それらの中の1つが ISO 9004ですが、この規格はTC 176小委員会2によって改訂作業が進行中であり、バリにおいて会議がおこなわれました。この改訂作業はDIS の投票の段階を無事通過し (賛成75、反対3、棄権9)、正式のISO 規格の発行前の最終段階である、国際規格最終案 (FDIS) へと進みます。

ISO 9004 とは

しかし、ISO 9004とはそもそも何であり、9000シリーズの他の規格とどのように関わっているのでしょうか。

ISO 9004が最初に発行されたのは1987年のことであり、当時は「品質マネジメント及び品質システムの要素 – 手引き」という名称でした。その目的は、ISO 9001規格の要求事項への適合であり、9001に基づくQMS の実施に成功している組織が今後システムのパフォーマンスを改善するためにどうすればよいかを提示していました。パフォーマンスの卓越性を達成することを目指し、ISO 9004には品質コストの削減、品質の継続的な改善を達成するための手引きが含まれていました。

ISO 9004 は2000年に改定され、「品質マネジメントシステム – パフォーマンス改善の指針」となり、2009年にふたたび改訂され、このときに「組織の持続的成功のための運営管理 – 品質マネジメントアプローチ」と名前が変わりました。これはISO 9004が、QMS をどのように構築するのかということから、持続的成功を達成するために組織をどのように運営管理していくかに視点が移ったという大きな変化を反映しています。組織が戦略、リーダーシップ、資源及びプロセスに関する強みと弱み、改善あるいは変革の機会をまず特定し、それに対応していくという品質マネジメントのアプローチを適用することによって持続的成功は実現されるのです。

ISO DIS 9004:2017

ISO DIS 9004:2017 – 品質マネジメント – 組織の品質 – 持続的成功を達成するための手引き Quality management - Quality of an organization - Guidance to achieve sustained success」は、2009年版に含まれている手引きを基礎として、これを強化することを目指しています。組織のビジョン、ミッション、価値基準及び文化というより幅の広い文脈の中で、戦略、方針及び目的をそろえていくことの重要性が確認されており、トップマネジメントの役割はこれを確実に達成させることです。すべての階層のマネジャーは、内部及び外部の課題と組織の利害関係者の関連する要求事項の変化に対応し、プロセスと活動を管理し適用させることを求められています。やるべきことは改善と変革です。

ISO 9004の附属書Aには自己評価のツールがありますが、これは組織が自分たちの活動やパフォーマンスの結果を包括的かつ体系的にレビューする際に役立ちます。規格のそれぞれの詳細箇条について、5つの状況 (position statements) が提示されており、これはそれぞれレベル1の「基礎レベル」の適合から、レベル5の「ベストプラクティス」までの「成熟度レベル」に対応しています。

自己評価を実施する組織は、提示されている5つの状況のうち、どれが現況をもっともよく表しているかを決定する必要があります。組織全般の成熟度は、すべての箇条の到達レベルのうち一番低いレベルが当てはめられます (例えば、ある組織が33の箇条のうち26の箇条がレベル3、4つの箇条がレベル4、のこりの3つがレベル5の場合、全体的な成熟度はレベル3となります)。そして、自己評価の結果は改善を推進するために使うことができます。

ISO 9004とISO 9001 は一緒に使うことができますが、一緒に使わなければならないということではありません。しかしながら、ISO DIS 9004 は「ISO 9000:2015 – 品質マネジメントシステム – 基本及び用語」を引用規格としていますので、この2つの文書は一緒に使うことが望ましいでしょう。また、ISO 9004は認証、規制、あるいは契約上の要求事項として使うことを意図した規格ではないということを理解しておくことも重要です。

では、ISO 9004 の新しい版はいつごろ発行されるのでしょうか。現時点では、ISO はバリの会議後に変更したスケジュールを発表しておらず、公式にはISO 9004:2018は2月に発行予定とされています。しかし、改訂プロセスに近い人たちは、これは少し野心的なスケジュールであり、3月末か4月初旬がより現実的だと見ています。

ISO 9004だけでなく、ISO/TC 176/SC2では「ISO 10005 品質マネジメントシステム - 品質計画の指針」、「ISO 10006 品質マネジメントシステム – プロジェクトにおける品質マネジメントの指針」並びに「ISO 10007 品質マネジメント – コンフィギュレーションマネジメントの指針」について進行中の改訂を担当するワーキンググループがあります。

Richard Green、 CQP (Chartered Quality Professional) はISO 17021-3、ISO 19011及びISO 45001 に関する委員会にCQI を代表して参加しており、Kingsford Consultancy Services の代表取締役を務めています。

IRCA ISO 9004 セミナー

新しい「ISO 9004 品質マネジメント – 組織の品質 – 持続的成功を達成するための手引き Quality management - Quality of an organization - Guidance to achieve sustained success」では、「組織のアイデンティティ」についての新しい箇条が追加され、まさに、今日、世界中の多くの企業が直面している問題の根底にあると思われる「組織のミッション、ビジョン、価値基準、文化」についての手引きが示されています。

IRCA ジャパンは、ISO 9004の改訂をにらみ、英国よりRichard Green を講師に迎え
改訂最新情報も含む「ISO 9004セミナー 組織の持続的成功のために」を開催いたします。

日程: 2017年11月29日 10:00~16:30
場所: 東京千代田区 紀尾井町フォーラム

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