ISO 45001 - FDIS からいよいよISO 発行に向けて

ISO DIS 45001 - 労働安全衛生マネジメントシステム - 要求事項及び利用の手引

これまでの道のり、そしFDIS の発行とISO までのスケジュール

ついに私たちは長い旅路の終わりに近づきつつあるようです。4年以上にわたり、ISO のプロジェクト委員会 (PC) 283 は労働安全衛生マネジメントシステム (OHSMS) に普遍的に適用可能な要求事項を規定するISO 規格の策定に熱心に取り組んできました。もともと、これは3年間のプロジェクトであると予想されていましたが、プロジェクトの各段階で大きな問題が生じてきました。よいニュースは、これらの大部分が現在、解決されたと見られ、国際規格最終案 (FDIS) が11月の末に策定される予定だということです。このFDIS は、PC 283 委員会のメンバーによる投票に付され、投票の結果は、来年1月に発表されます。現時点ではFDIS が承認され、2018年3月までには、ISO 45001 が発行の運びとなることが期待されています。

労働安全衛生の国際規格が発行される理由

組織は、自社の従業員だけでなく、組織運営の結果として組織に関わりをもつ人たちについても気を配る法的、かつ道徳的な義務を負っています。国際労働機関 (ILO) によれば、15秒に1回の割合で世界のどこかで労働に関連する死亡 (年間では230万人) が起き、毎年、3億件の労働災害が発生し、1億6千万人が労働に関連する疾病に罹患するとのことです。この人的な損失に加え、ILO の試算によると世界のGDPの4%  (3兆米ドル) という天文学的な経済的損失が発生しているとのことです。ですから、労働安全衛生に関して国際規模で改善できるのは何であれよいことであると言えます。多くの国では、自国において労働安全衛生の基準を設定していますが、普遍的に受け入れられるOHSMS の規格を世界は長らく待ち望んできました。ISO 45001 が規定するのは、このOHSMS の国際基準です。

ISO 45001 とは

ISO 45001 は、OHSMS の目的が労働安全衛生のリスクをマネジメントするための枠組みを提供するものだとういうことを私たちに思い出させます。この点は、これまでのOHSAS 18001 と似ています。OHSMS の意図した成果も、詳述されています。これには、安全衛生パフォーマンスの改善、労働者の負傷及び/又は疾病の予防、及び安全で健康的な職場の提供等が含まれます。

附属書SL に基づく文書として、ISO 45001 にはISO 9001:2015 やISO 14001:2015 といった附属書SL に基づくマネジメントシステム規格と同様の見た目と雰囲気があります。これを利用する人は、同じ箇条の上位構造、中核となる本文と共通の用語及び定義を認めるでしょう。これまでOHSAS 18001 を利用していた方たちにとって、内容に関する最大の変更点は、新しい箇条である「組織の状況」と「リーダーシップ」、そして労働者の参加に関するいくつかの箇条、協議と参加の要求事項の大幅な拡充、OH&S に関する内部及び外部コミュニケーションに関する新しい細分箇条、新しい外部委託の要求事項、OH&Sをタコツボ的に運用するのではなく、OHSMS を普段の業務、「通常のビジネス」と統合して運用することが全体を通じて強調されていることです。

手順を確立するというOHSAS 18001の要求事項は、プロセスを確立し、実施し、維持するという要求事項に置き換えられました。文書は、文書化した情報に置き換えられ、「パフォーマンスの測定及び監視」は、「監視、測定、分析及びパフォーマンス評価」となります。管理策の階層は引き続き残っており、危険源の根絶及びOH&S リスクの削減のための管理策を決定する際の考慮事項となります。

OHSAS 18001 からISO 45001へ

ISO 45001 が発行されると、OHSAS 18001 は廃止されます。新しい規格への移行には、3年間の期限が設けられています。すでにOHSAS 18001 に適合している組織にとって、移行は比較的簡単なはずです。すでにリスクに基づく規格を使用し、リスクに基づく思考を適用した経験があるからです。本当に難しい課題は、規格がリーダーシップと労働者の参加の要求事項を設定していることでしょう。トップマネジメントは、積極的にコミットしていることを示し、マネジメントシステムにおいて労働者の積極的な参加を確実にする必要があります。組織内のすべての階層のマネジャーもまた、OH&S システムに積極的に参加していることを示さなければなりません。マネジャーをこのように行動させるためには、まさに組織における文化を変えなければならないでしょう。

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