ISO 45001発行情報アップデート

当初今年度中の発行が予定されていた労働安全衛生の国際規格 ISO 45001のDIS (国際規格案) が、先般行われた投票で否決されてしまったというニュースはお聞き及びの方も多いと思います。発行までのスケジュールはどうなるのでしょうか。

ISO45001は今までにもすでに開発が遅れていましたが、さらなる遅れが生じることとなりました。それだけでなく、規格の開発、発行に関するさまざまな規定も絡み、少々複雑な事情が発生しています。 

DIS (国際規格案) が各国規格協会の投票において否決された結果、労働安全衛生の新しいISO規格の開発を担当するPC 283の事務局は、現在WG1 からのDIS 第2版のテキストの提出を待っている状況です。その新しいテキストはおそらく11月半ばごろまでには、翻訳のために各国の規格協会のメンバーに提示されます。各規格協会は2か月以内にそれを翻訳し、1月か2月ごろから2か月をかけ、レビューと投票が行われます。2017年4月下旬か5月上旬ごろ、PC283 が再度召集され、投票結果と各国からのコメントをレビューします。同時に、その会合では作成したテキストをFDIS (国際規格最終案) として進めるのか、それともそうはしないのかを決定する必要があります。

なぜそのような決定をする必要があるのかというと、プロジェクトの完了時期については制約があるからです。規定に基づく正式の期限は、開始地点である2013年10月から3か年です。今回のDIS の否決を受け、PC283 の申請した9か月の延長はISO に認められましたが、その延長された期限が2017年6月なのです。

DIS 第2版が承認され、且つFDIS の段階を省くことが同意されれば、何とか6月の締切りに間に合うように発行できる可能性があります。とはいえ、FDIS を省くことは問題ですから、実現は難しいでしょう。かといって、6月の期限を逃すと、さらなる問題が発生します。というのは、すべてのISO 規格は、上記のように開発開始から3年以内に発行しなければならないからです。例外的に最大9か月の延長が認められていますが、今回はこの延長分もすでに使われてしまっています。

もしPC283が6月に間に合わせることができなければ、プロジェクトを続けるためにはISOのTechnical Management Board (TMB) から期間延長のために特別の許しをもらわなければなりません。もし許可されなければ、すべてのプロセスを最初からもう1回繰り返すことになります。それはだれも望んでいないでしょうから、6月になればTMB はおそらく延長の延長を認めざるを得ないのではないかとは思います。

以上がこれまでの経緯と今後の予想です。ISO45001 の発行まではまだ越えなければならない道のりがあるということがお分かりいただけたかと思います。

なお、DIS の段階で問題となっている事項には次のようなことが含まれます。法的要求事項は fulfilment of 遂行する/ 満たすのか、そうではなくcompliance with 順守するのかという問題、また、各国で関連法規の内容が違うことから、注記とするのか、要求事項とするのかについての合意が難しいという問題、ISO14001との整合性と附属書SL のテキストからの逸脱の問題、Worker という用語とその範囲を含む定義の問題、consultation協議の定義の問題などなど。

IRCAでは、今後継続して最新情報を発信していきます。

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