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OEA 内部監査導入事例

監査員のクオリティとモチベーションが向上

導入経緯

株式会社ディスコ
品質保証部システムグループ

田村 直 様
松村 真吾 様
(聞き手:IRCAジャパン 藤野 光謙)

IRCAジャパンでは、CQIの力量のフレームワークに基づき、株式会社ディスコ(以下、ディスコ)の人材育成方針に即した総合的な力量向上への支援を目指しています。
ディスコの品質保証部門における取り組みや、IRCA OEAプログラムを導入されてからの感想などについて、品質保証部システムグループのお二人に話を伺いました。

OEAプログラム導入目的

  • グローバル企業にとって、マネジメントシステムの国際的な審査員登録機関であるIRCAとのパートナーシップがあることにより、顧客の信頼が得られる
  • 最新の品質マネジメントシステムのトレンドを先行して入手することができるため、顧客が要求する前に社内に取り入れることができる
  • 内部監査、二者監査の実績も審査記録として評価されるため、自社主導の活動を通じて審査員資格の昇格が可能になり、モチベーション向上が期待できる

OEAプログラムでクオリティのスペシャリストを目指す

藤野:ディスコ様では、独自のマネジメントシステムによって、ディスコバリューズ(企業理念)を体現する社内基盤の構築と、変革カルチャの醸成に成功していらっしゃるようにお見受けいたします。

特にPIM活動(Performance Innovation Management)を通じ、品質の活動領域を含めたすべての部門や社内機能において、事業貢献度を高めることを意識し、多様な改善・改革のプロジェクト活動を日常的に継続しておられる点が印象的です。

田村様:はい。当社では革新的なことをやっていく「PIM活動」があります。

これは、部署や業務単位で改善目標を設定し、日々の活動として取り組み、その内容や成果を定期的にコンペ形式で競い合うことで継続的改善を促進する社内活動です。

私たち品質保証部では、生産部門などの被監査部門に対し、業務プロセス改善の提案、リスクやコンプライアンスに対する考え方の啓発などを目標として設定しています。

この目標を実現するには、私たち社員全員が「イノベーションスペシャリスト」として継続的に力量を高めていくことも必要となっています。

田村直様
藤野:特に品質の専門領域でイノベーションスペシャリストを目指す方々の力量開発を促進する目的で、IRCA OEAプログラムをご利用いただています。

CQI|IRCAでは、マネジメントシステムの本質的運用を主導するクオリティプロフェッショナルに求められる力量の定義や、能力開発に有効な学習基準を策定する力が最大の強みとなりますが、お役に立てておりますでしょうか?

松村様:そうですね。当社の場合、ステークホルダーの定義に経営トップや被監査部門も含まれますので、監査員が見ているのは内部の視点になりがちです。IRCA OEAプログラムを活用し、内部監査に関わる規格の最新情報、グローバルトレンドや外部ステークホルダーのニーズといった情報を得ることは、対外的に信頼される監査の実施に役立つと考えています。

道半ばですが、IRCAが持つ内部監査の力量の定義などを組み込みながら、監査のクオリティをもっと上げていきたいです。

田村様:それに、監査部門としてもしっかり運用しようとか、監査員のパフォーマンスを示そうとか、そういった監査員のモチベーションを維持・向上させるツールとしても有効だと感じています。国際的に認知されるIRCAの認証登録と連動させることで、社内の活動が外部労働市場でも評価される仕組みを構築することは、社員の学習に対するモチベーションをさらに向上させる効果があると考えています。

監査員を育てる取り組みと体系づくり

藤野:例えば、「イノベーションスペシャリスト」の一人となる内部監査員はディスコ様でどのような役割を担っているのか、またその役割に応じた能力の評価と蓄積は、どのように実施されているのでしょうか?
田村様:私たちが考える内部監査とは、監査員が現場にどれだけ貢献できるかということ。その一つが、リスクやプロセス改善に関する「気付き」を与える。これを大切にしています。
松村様:単に問題点の指摘だけではなく、まずは被監査部門に問題点を気付かせ、メソッドチェンジをしてもらう。そのお手伝いをするのが私たち監査員の役割です。
また当社では、内部監査後に被監査部門に対してアンケートを実施しています。

アンケートでは、「監査員が過剰な指摘を出していないか」「報告書はわかりやすいか」などで評価してもらい、監査の改善や監査員の質を高めることに役立てています。

松村真吾様
田村様:個々の監査員のパフォーマンスは「報告書の質」「スピード」「問題発見力」など6つの項目で評価し、被監査部門にも公開され、監査を担当する監査員も社内通貨を使用して、相対的な価値が可視化される仕組みになっています。こうすることで、他の被監査部門から「この人に監査してほしい」と選んでもらえるようになりますし、新人監査員が入ってきたときに「この監査員の下で勉強したい」という目安にもなります。こうした点においても、監査員のモチベーションアップにつながっています。
藤野:ディスコ様の掲げる「イノベーションスペシャリスト」では、問題発見能力やプロセス改善といった現場の要求やニーズに応えるために、被監査側からのフィードバックに基づいて内部監査員の力量を定義していらっしゃいます。このように聞いていると、IRCAのクオリティプロフェッショナルの考え方にとてもよく似ています。
IRCAの「クオリティのプロフェッショナル」も、市場や経営者の品質保証に対する期待に応えるために、世界中のメンバーシップの事例を通じて研究し、完成度の高い内部監査員の定義を確立しています。
IRCAの認証登録を、ディスコ様の力量定義と重なる部分に合わせてご利用いただくことで、市場で求められるクオリティのスペシャリストを目指せるとともに、外部市場でも威力を発揮していただけると思います。
松村様:そうですね。それに、リスクやデータ改ざんなどの不正対策についても、私たちが知り得る情報は限られますから、そこをIRCAの外部情報に補完してもらえるよう協力いただければ、潜在的なリスクの発見に役立つと期待しています。
Quality Professional

▲ディスコ様の「イノベーションスペシャリスト」と、CQI|IRCAの「クオリティプロフェッショナル」の間には事業貢献を主軸とした多くの共通概念が存在しています。CQI|IRCAネットワークが有する多様なノウハウや専門情報、実践の好事例等を有効活用いただき、事業成⾧に寄与していくことが本OEAプログラムの目的です。

リスクを数字で定量化するしくみづくり

藤野:ディスコ様のユニークな取り組みとして、独自に「社内通貨」を採用されていることも大きな特徴の一つです。
田村様:それは「Will(ウィル)」といいまして、社内外すべての活動を値付けして、部門間や個人間で取引を行うことにより、社員の自主性や財務的視点を養うしくみです。
松村様:例えば、「この社内業務をやってくれる人に1万Will」とか、手持ちのWillが多い人ほど仕事を発注できますし、個人評価にもつながっています。
田村様:内部監査部門でも適用されており、監査をすれば被監査部門からWillをいただいています。監査員も対価をもらうからには、付加価値の高い内部監査をしようと意識が高まります。
松村様:被監査部門には、私たちが指摘した改善内容を早急に対処しなければWillの課金が生じるといった、ペナルティもあります。
もちろん異議申し立てがあれば課金されませんが、これらは監査で指摘されたことを放置せず、しっかり対処しようという意識改革にも役立っています。

藤野:一般的に、リスクを定量化するのは難しいですよね。それをディスコ様では、社内通貨を活用して定量化している。品質保証部門の活動が全社に浸透し、生かされているという点が、すごいと思います。
こうした秀逸なマネジメントモデルを、全世界に2万人いるIRCAのメンバーシップに紹介させていただくことで、ディスコ様が「品質に強い日本企業」「優良なマネジメントシステムのある企業」と認知されることも、IRCA OEAプログラムを活用されるメリットだと思います。
もちろん、国際的なベストプラクティスやOEA企業間同士の情報交換、事例研究機会などを通じて他社の優れた事例もディスコ様へご提供させていただきますので、今後ともよろしくお願いいします。

 

田村様・松村様:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

インタビュー
外観

企業紹介

ダイシングソーをはじめ半導体や電子部品の加工・製造などに活用される精密加工装置を、世界各国のクライアントへ提供するディスコ。
近年、半導体メーカーではデータの大容量化やIoT技術の急速な発達により、生産量の増加や製造プロセスの複雑化がますます加速しています。
こうした多様化、高度化へのニーズに応えるため、ディスコでは品質マネジメントシステムのレベルをさらに進化させることを重要課題と捉え、IRCA OEAプログラムの活用を決定されました。