IRCA (International Register of Certificated Auditors) は、クオリティに従事する人のための英国の専門組織であるCQI (Chartered Quality Institute) の一部門であり、世界で最初のマネジメントシステム審査員評価登録機関です。現在も全世界で認知される審査員評価登録機関としてベンチマークされています。 IRCAの定める審査員の力量の基準及びトレーニングの基準は、第三者認証審査員のみならず、企業における内部監査員、二者監査員を含むマネジメントシステム審査員/監査員の力量評価のデファクトスタンダードとして世界で認知され続けています。
IRCAの来歴は、英国のサッチャー元首相が第三者認証制度導入した1980年代に遡ります。その後、各国で国内の審査員評価登録機関が設立されましたが、今なお、IRCAが唯一世界で認知される機関であり続けているのは、IRCAが常に時代のニーズと期待を先取りし、「審査員/監査員にとっての力量は何か」「経営者が必要とする人材の力量は何か」を追及し、それを基準に反映してきたからです。 なお、日本においてはIRCAジャパンが設立され、日本語での申請や窓口対応のみならず、日本の皆様向けの独自のサービスも提供しています。
CQI|IRCA 100周年-クオリティの100年(約6分)
CQI (Chartered Quality Institute) は、1919年、英国において設立されたクオリティに従事する人のための専門組織です。それ以来、時代に応じ、少しずつ姿を変えながら、2019年に100周年を迎えました。2001年には、各専門分野でたった1組織のみが認められる王室公認 (Chartered) の専門組織となりました。 今日、第4次産業革命と呼ばれる激しい変化の時代において、クオリティという職業を時代に即して定義し続け、従事する人の地位を確立/向上させるために活動しています。
CQI IRCAは、要求される技術及び教育訓練の専門性が明らかであり、かつ審査員/監査員の能力とパフォーマンスを試験、評価する能力がある機関のみを認定しています。CQI and IRCA認定研修パートナー機関は、厳格な認定プロセスを通じて慎重に選定されることによって、最高レベルの水準を満たす研修機関とみなされます。これにより、世界的に認知されているCQI IRCAのブランドは、顧客に対して認定コースに対する信用と安心を与え、長年にわたり世界の市場で信頼され続けています。
CQI and IRCA認定コースは、現在100カ国以上の国々の100を超えるCQI and IRCA認定トレーニングパートナーから提供されており、世界各国のクオリティ職務の従事者に、”デファクトスタンダード”として認知されています。 毎年、世界で70,000名以上の方々が、世界最高水準のコース受講と修了試験にチャレンジしています。 特にCQI and IRCA認定 審査員/監査員コースは、審査員/監査員に必要とされる知識ならびに技能を習得できるように設計されており、合格修了により世界水準の高い技量を有する審査員/監査員として、自身の力量を国際的に証明することが可能となります。
産業界全般のステークホルダーニーズに基づき、最適化を維持するプロセスノウハウが用いられており、絶えずコース内容を最新の内容へと更新し続けています。 さまざまな見地から必要な力量を定義し、コース基準を策定することで専門分野における人材開発のリーダーとしてベンチマークを提供しています。
IRCA の基準は世界共通です。つまり、CQI and IRCAの認定トレーニングコースを受講し、IRCAへ登録することは世界のほかの国々の審査員/監査員と同じ基準に基づき、評価登録されていることを意味します。さまざまな意味で世界との距離が縮まっている今日、世界で通用するIRCAの基準に基づき評価登録されることには大きな意味や価値があることは明らかです。
なお、IRCAの登録者には、内部監査及び第二者監査の計画、実施、報告に対する手引を提供する規格ISO 19011:2018 に関するテクニカルレポートなど、IRCAが発行する各種の技術的な文書が無料で提供されます。また、その他の各種メリットについてはこちらからご確認ください。
IRCAでは、第三者認証審査だけでなく、第二者監査、また一定の制約はありますが、 内部監査の実績も昇格の要件として認めています。 第三者認証審査を実施しない、企業内で活躍する監査員であっても昇格することが可能であり、審査員、主任審査員、さらにはプリンシパル審査員として登録している企業人も少なくありません。
第一者監査(first party audit) - 第二者監査(second party audit) - 第三者審査(third party audit)
第一者監査
「組織」が自分たちの組織
に対して行う監査
例:内部監査など
組織が自らのプロセス及びその実施の適切性/妥当性/有効性を確認する
外部監査/審査
第二者監査
「組織」が外部の取引先に
対し行う監査
例:供給者監査など
組織が外部委託する/したプロセス及びその実施の適切性/妥当性/有効性を確認する
第三者審査
「外部の第三者」が
行う審査
例:ISO認証審査など
組織のプロセスのマネジメントシステム及びその実施の適切性/妥当性/有効性を第三者の立場で保証する 『ISO認証審査の場合』
第一者監査、第二者監査、第三者審査、それぞれ直接の目的は異なり、結果の利用の仕方も違います。 しかし、いずれの審査/監査も組織のプロセスを改善し、利害関係者のニーズと期待を満たすために役立てることが審査/監査依頼者の最終的な目的です。
注:組織は、コンサルタントなど外部の要員を用いて内部監査や二者監査を実施することがもありますが、それは第三者審査とは呼びません。
内部監査は、組織の経営層を監査依頼人として、組織が自らに対して行う監査です。内部監査は組織のマネジメントシステムの目標の効果的な達成を助けるために行います。QMS内部監査、EMS内部監査といった形だけでなく、複数のマネジメントシステムを統合した組織独自のシステムに対して、統合した内部監査を実施することもよくあることです。 内部監査は、通常、企業内の要員が行う、より深く組織と結びついた監査であり、改善に直結させていかなければならない活動です。監査の目的、実施の手法も第三者認証審査とはまったく性質を異にしています。業務効率化や不正の未然防止といった観点からも、より有効な内部監査の実施が強く求められています。IRCAではウェブサイトの記事や、CPD推進活動などを通じて、内部監査のより効果的な実施に役立てていただける機会を提供しています。
IRCAでは、審査員登録の昇格の際に認められる審査・監査として、内部監査の実績についても認めています。IRCAへの登録で、監査のプロフェッショナルとしての世界基準での認知をぜひ手に入れてください。
外部監査/審査には、主として外部の取引先に対して行う第二者監査と、ISOの認証審査に代表されるような、第三者として審査を行う、第三者審査が含まれます。
第二者監査には、例えば、購買先に対して行う供給者監査があります。供給者 (サプライヤー/ 外部提供者) については、最初に採用するときのみならず、継続して監査を実施し、マネジメントしていく必要があります。外部提供者のマネジメントの失敗が、組織にとって致命的なダメージを与える場合もあり、例えばISO 9001:2015でもこれまで以上に外部提供者の管理が重視されています。通常は企業内の要員が行うという点で、内部監査とも共通する部分がありますが、目的、手法とも、内部監査とは異なります。第二者監査についても、IRCAはウェブサイトで記事を提供しています。また、今後、関連するCPD推進活動も実施しています。
第三者審査では、組織からの依頼に応じて、独立した第三者の立場から依頼組織の審査を実施します。マネジメントシステムの第三者審査の代表的なものはISO認証審査です。ISO 認証審査においては、限られた時間の中で、被審査組織の状況をできるだけ正確に把握し、是正が必要な点、改善が望める点を見つけなければならず、まさにプロフェッショナルとしての力量を確保しなければなりません。IRCAは1980年代に英国において第三者認証制度が始まったときから、審査員に必要な力量についての洞察を重ね、基準を定めてきています。
IRCAでは、ISO規格のみでなく、その他一部の代替規格の審査についても審査実績として認めています。また、複数規格でご登録の場合は一定の割合でその他規格の審査についても審査実績として認めています。
IRCAでは、第三者審査の実績はもちろん、第二者監査の実績についても審査員登録の昇格の条件として、今後より幅広く認めていく方針です。IRCAへの登録で、審査/監査のプロフェッショナルとしての世界での認知をぜひ手に入れてください。
IRCAの評価登録制度は世界共通の基準に基づいて行われており、グローバルで認知され、通用する唯一の審査員/監査員登録であるということが、最大の魅力です。また、日本のみならず、国際的な知見や事例など、国際専門非営利団体ならではの充実した情報と、国際的なネットワーク資源を活用できる点も大きな魅力です。
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