品質管理者

このプロファイルは、典型的な品質管理者の力量を要約したものです。5つの要素(状況、ガバナンス、保証、改善、リーダーシップ)にわたる、プロフェッションマップの18個の各構成要素について、必要とされる力量の階層が記載されています。

下図左側の構成要素のラベル(CA、CBなど)をクリックすると、力量の階層のレベルに対応した各構成要素の詳細説明が表示されます。

  • CA 4
  • CB 3
  • CC 2
  • CD 2
  • GA 3
  • GB 3
  • GC 2
  • AA 3
  • AB 3
  • AC 3
  • AD 4
  • IA 2
  • IB 2
  • IC 2
  • LA 3
  • LB 3
  • LC 3
  • LD 4

CA 4:顧客及び市場

  • セクターの動向、変化、リスク及び機会のレビュー、スキャン、予測に使用されるアプローチを主導、展開、または助言することができる
  • 顧客や市場に関する知識を活用し、クオリティを維持及び向上させるための方法を主導、展開、または助言することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

CB 3:法規制の要求事項及び自発的な基準 (ISOなど)

  • 規格や規則の要求事項に対応するための戦略、方針、計画の策定を指導することができる
  • 利害関係者に影響を与え、規格や規則の遵守を維持することへの積極的な関与を引き出すことができる
  • コンプライアンスに関連するリスク及び機会をマネジメントするために用いられるアプローチの影響、効率及び有効性を評価することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

CC 2:パートナー及び供給者

  • 組織内で確立されたサプライチェーンクオリティマネジメント活動に貢献することができる。これには、選定、要求事項の定義、パフォーマンスの測定、改善などが含まれる
  • 社会的利害関係者の要求事項を理解し、効果的な関係の構築及び維持に参画することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

CD 2:組織の構造及びアイデンティティ

  • クオリティマネジメント活動を組織の使命、ビジョン、価値観、文化及び倫理と調和させることができる
  • クオリティの計画や活動を組織の目標や目的に沿ったものにすることができる
  • チームまたは機能/部門内でクオリティに関する力量を構築する機会を認識し、対処することができる
  • リスク及び機会を特定し、評価し、優先順位を付けるために、組織内で確立された枠組みを理解し、使用することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

GA 3:戦略、方針及び計画を策定し実行する

  • マネジメントシステムの影響、効率及び有効性を評価し、改善を実施することができる
  • 目標や目的を実行可能な戦略、方針及び計画に落とし込むことができる
  • パフォーマンス評価指標の妥当性を評価することができる
  • 戦略、方針及び計画の達成に関連するリスク及び機会をマネジメントするために用いられるアプローチの影響、効率及び有効性を評価することができる
  • 戦略、方針及び計画の達成に向けて利害関係者に影響を与え、積極的な関与を引き出すことができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

GB 3:製品及びサービスを開発し一貫して提供する

  • 製品及びサービスの設計、開発、提供において、規格や規制だけでなく、すべての利害関係者の要求事項に対応することの重要性を唱え、その方法を指導することができる
  • 製品及びサービスの使用、クオリティ、信頼性に関わるリスク及び機会をマネジメントするために用いられるアプローチの影響、効率、有効性を評価することができる
  • 製品及びサービスを提供するために使用される方法と、それらがどのように監視及び測定されているかを評価することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

GC 2:プロセス及びプロジェクトを開発し提供する

  • 現状のプロセスマップを構築し、プロセスマッピング活動を円滑に進めるようにすることができる
  • プロセスを分析して、無駄を省き、そのプロセスのフローを改善する機会を特定することができる
  • プロセスのばらつきを特定し、定量化することができる
  • 将来見込まれるプロセスを顧客や利害関係者の要求事項に対応して構築することができる
  • 組織内で確立されたプロジェクトマネジメントの枠組みを理解し、適用してプロジェクトをマネジメントすることができる
  • 確立された枠組みを使用して、プロセス及びプロジェクトの達成に関連するリスクを特定、評価、優先順位付けすることができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

AA 3:要求事項を満たすことができるという確信を与える

  • リスクやイノベーションなどさまざまな要因を考慮し、組織内で使用される管理策の策定や管理のシステムを指導することができる
  • 組織の保証のアプローチを開発、マネジメント、評価することができる
  • リスク評価活動をマネジメントし、リスクに関する保証の方法の影響と有効性を評価することができる
  • 保証の目的と価値、及びクオリティを保証し、オープンで信頼される文化を発展させる上での役割について、複数の事業分野の利害関係者や同僚に影響を与えることができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

AB 3:保証のために監視し測定する

  • モニタリングや測定に用いる方法を指導及び助言することができる
  • 分析のための統計的手法を選択し、適用することができ、また、他の人々がそれを行うのを支援することができる
  • 内部及び外部のパフォーマンス比較を適切に決定し、適用することができる
  • 品質コストを評価することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

AC 3:保証のために評価し監査する

  • 監査、評価及び保証活動に対する組織の理解が深まるようにし、使用するアプローチに自信を持たせることができる
  • 保証スキーム全体を計画及びマネジメントすることができ、その有効性を評価することができる
  • 監査、評価及び保証業務に携わる者を監督、コーチング及び育成することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

AD 4:保証に関する指摘事項を報告し対応する

  • 非難をせず、学習する文化を発展させる、または主導することができる
  • 保証の結果が、組織、顧客及び利害関係者に与える影響を説明することができる
  • 保証の成果を意思決定や行動に落とし込むことを主導、展開、または助言することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

IA 2:持続可能な改善を実現する

  • 組織の目標や目的、戦略、方針及び計画などと関連付けて、改善の事例をつくることができる
  • 改善プロジェクトを円滑に進める手助けをすることができる
  • クオリティのパフォーマンスを向上させるための適切なツールやテクニックを選択し、適用することができる
  • 改善プロジェクトを計画し、マネジメントし、監視することができる
  • 継続的改善の文化を生み出す要素を適用し、また適用するよう他の人々に奨励することができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

IB 2:変更をマネジメントする

  • 内部及び外部の変更の推進要因を理解し、変更のビジョンを同僚に理解してもらうことができる
  • チーム内で変更のマネジメントツールやアプローチを適用することができる
  • 利害関係者を管理し、変化に対する受容性を高めることができる
  • 変更が実施された後、他の人々が新しい慣行を採用するのを支援することができる
  • 変更のマネジメントに関連するリスク及び機会を特定し、評価し、優先順位を付けてマネジメントすることができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

IC 2:イノベーションを起こし機会を創出する

  • 同僚にイノベーションを奨励し、創造性とイノベーションに対する信頼と熱意を構築することができる
  • アイデア、解決策、革新的なアプローチを生み出し、周囲を勇気づけ、巻き込むことができる
  • 改善のアプローチの一環として、俊敏性/敏捷性 (agility) と復元力 (resilience) の原則を適用することができる
  • 組織内で確立された枠組みを使用して、開発中の新しいアイデア、解決策、革新的なアプローチに関するリスクを特定、評価、及び優先順位付けすることができる

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

LA 3:クオリティの良心であること

  • クオリティ、及び利害関係者の利益を支持することに関して、他の人々を支援及び指導し、改善と変革の擁護者として行動している。

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

LB 3:クオリティのアプローチを実証する

  • システム思考や、事実に基づくバランスの取れたアプローチをしばしば適用し、意思決定を行っている。
  • 「クオリティを組み込む」ことで、失敗を防ぐよう努めている。

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

LC 3:クオリティを円滑に進める人 (ファシリテーター) として働く

  • クオリティを円滑に進めるために、しばしば他の人々をコーチングし、やる気を起こさせ、協働して働き、促している。

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

LD 4:クオリティのロールモデルとして行動する

  • 周囲の人々が自分の仕事のあらゆる側面に誠実さと信頼性を適用するための基準を設定し、それを可能にする環境を作り、他の人々に支援、フィードバック、コーチングを提供している。

C=状況 Context

G=ガバナンス Governance

A=保証 Assurance

I=改善 Improvement

L=リーダーシップ Leadership

品質管理者のプロファイルのダウンロード

品質管理者とは?

一般的に品質管理者は、組織の品質のガバナンス、保証、及び改善のプロセスが効果的で、戦略的目標に沿ったものであることを確実にする責任を担います。その役割はコンプライアンスにとどまらず、組織全体のパフォーマンスと継続的改善の推進に注力します。

品質管理者はリーダーとして、経営層と協力してクオリティ文化を根付かせ、チームを導き、業務上の決定に影響を与えます。そして品質の基準が規制の順守だけでなく、事業パフォーマンスに貢献することを確実にする上で不可欠な存在です。

品質管理者は、プロセスが順守されていることを保証し、改善を提言することで、組織の長期目標をサポートし、業務の有効性を向上させ、リスクを軽減します。そのリーダーシップは、パフォーマンス全体と顧客満足を向上させる事業の機能としての品質を向上させる上で重要です。

役職の名称

品質管理者という役割に関連する役職には以下のものが含まれますが、これらに限定されません。

  • QA/QC管理者(QA/QC Manager)
  • 品質スペシャリスト(Quality Specialist)/品質コーチ(Quality Coach)/品質主任(Quality Lead)
  • 品質及びプロセスコントロール管理者(Quality and Process Control Manager)
  • 品質システム管理者(Quality Systems Manager)
  • オペレーショナルエクセレンス管理者(Operational Excellence Manager)
  • プロジェクト品質管理者(Project Quality Manager)
  • 品質部門長(Head of Quality)
  • 上級品質コンサルタント(Senior Quality Consultant)
  • 品質改善管理者(Quality Improvement Manager)
  • 品質及び教育訓練管理者(Quality and Training Manager)

活動内容

一般に、品質管理者が担う活動には以下のものが含まれると考えられますが、これらに限定されません。

  • 品質マネジメントシステムの進捗及び有効性を監視する
  • マネジメントシステム認証を主導する
  • 組織全体における品質の達成を推進する
  • 改善を提言し、実施する
  • 品質計画を作成し、実施する
  • 資格及び教育訓練の要求事項をレビューする
  • 請負者の品質システム及び品質計画をレビューする
  • スケジュールを監視する
  • 品質報告書を作成する
  • チームをマネジメントする

よくある質問

 

階層とは何ですか?

各階層は、プロフェッションマップによって定義された、基礎的な能力から高度な能力までの力量の明確なレベルを表しています。例えば、階層1は、知識を身に付けたり、スキルを開発したりしている途中のレベルであることを示しています。一方、階層4は、上級プロフェッショナル、特定分野のスペシャリスト、アドバイザーやコンサルタントの役割を担っている人などの多くに見られる高度な力量を反映しています。各階層は、クオリティにおける特定の責任、機能、及び期待に沿ったものであり、自分がどの段階にいるのか、どの分野で成長できるのかといった点をプロフェッショナルが評価するのに役立ちます。

各階層の具体的な定義については、プロフェッションマップに関するよくある質問を参照してください。

それぞれの典型的な役割のプロファイルに対して、適切な力量の階層をどのように決定しましたか?

各プロファイルは、自己評価データと厳密な統計分析の組み合わせを利用して作成されました。
特定の役割を担うクオリティプロフェッショナルから提供されたデータが、プロフェッションマップの各構成要素のモード (最も高い頻度で特定される力量の階層) を特定するのに役立ちました。
このアプローチにより、プロファイル内の各構成要素に割り当てられている階層は、対象の役割において典型的に見られる力量を正確に反映したものとなっています。

プロファイルが各役割におけるクオリティプロフェッショナルの典型的な力量を正確に表していると言えるのはなぜですか?

プロファイルは、各役割において抽出した、クオリティプロフェッショナルの代表標本の自己評価データに基づいています。各プロファイルの各構成要素の信頼性を検証するため、広範な統計的検定を実施しました。また、標本変動の可能性を考慮して信頼区間を使用しました。

各プロファイルは、クオリティプロフェッショナルによって構成されるプロジェクトガイダンス委員会(Project Guidance Panel)が検定及び検証を行いました。

自分の役割がキャリアパスマップに無いのはなぜですか?

キャリアパスマップに現在含まれているのは、CQIメンバーのデータに基づいてクオリティプロフェッションで最も一般的であると判断された一部の役割です。ご自身の役割が無い場合、メンバーの中でその役割を担っている人が少ないことやマップに含まれている別の役割と重複していることが原因として考えられます。今後、より多くのデータが入手可能になるにつれてマップを拡張し、より広範な役割がマップに含まれるようにする予定です。

典型的な力量プロファイルに関する質問はどこに送ればよいですか?

ircajapan@irca.orgまでメールでお問い合わせください。

ほかのよくある質問

よくある質問への回答が掲載されている専用のFAQページはこちらをクリックしてください。

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