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ファシリティマネジメントの国際規格ISO 41001

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ファシリティマネジメントの国際規格ISO 41001

2018年4月に発行された「ISO 41001:2018 Facility management – Management systems – Requirements with guidance for use ファシリティマネジメント – マネジメントシステム – 要求事項及び利用の手引」は、組織の土地、建物、設備等を経営的視点に立って最適な状態で保有し、運営し、維持し、企業活動の発展を助けることを目的として策定されました。

ファシリティマネジメントの初めての国際MS規格であるISO 41001:2018 は幹事国の英国をはじめ、日本、アメリカ、ドイツ、中国、韓国、インドなど、28の参加国 (Pメンバー) と17のオブザーバ国 (Oメンバー) を擁する ファシリティマネジメントの技術委員会、ISO TO 267により策定され、2018年4月18日に発行されました。

ファシリティマネジメントは、「施設管理」と訳されることがままありますが、その範囲は単なる施設や設備の維持管理に限定されるものではありません。ISO はファシリティマネジメントを「人の生活の質を向上させ、中核となるビジネスの生産性を向上させる目的で、人と場所とプロセスを建造環境 (built environment) の中に統合する組織の機能」としています。

つまり、土地建物や設備、施設などの固定資産をただ維持、管理するものと捉えるのではなく、経営的視点から企業や組織の顧客や従業員、その他の利用者にとって快適で魅力的なものとするとともに、コスト低減や省エネルギーも実現し、組織の活動をより発展させ、持続可能性を達成することがファシリティマネジメントの目的なのです。

国際ファシリティマネジメント協会 (IFMA) では、コミュニケーション、緊急事態への対応と事業継続、環境と持続可能性、財務、ホスピタリティ管理、人的要素、リーダーシップと戦略、オペレーションとメンテナンス、プロジェクトマネジメント、クオリティ、不動産及び資産管理、技術をファシリティマネジメントのコアコンピテンスとしています。

さまざまな面での事業活動のパラダイムシフトの必要性が叫ばれている今、経営視点からのファシリティマネジメントは組織にとって不可欠の要素となっていくと考えられます。

なお、マネジメントシステム規格であるISO 41001は他のMS 規格と同様に附属書SL に準拠しており、第3者認証の対象となります。

ISO から発行済みの関連規格及び関連文書としては以下があります。

  • ISO 41011: 2017 Facility management – Vocabulary ファシリティマネジメント – 用語
  • ISO 41012:2017 Facility management -- Guidance on strategic sourcing and the development of agreements ファシリティマネジメント – 戦略的業務委託と合意書の作成に対するガイダンス
  • ISO/TR 41013:2017 Facility management – Scope, key concepts and benefits ファシリティマネジメント – 適用範囲、主たる概念と便益 (TR はTechnical Report)
CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018