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ISO 14001:2015 – 環境マネジメントシステム – 要求事項及び利用の手引き

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ISO 14001:2015 – 環境マネジメントシステム – 要求事項及び利用の手引き

ISO 14001:2015 – 環境マネジメントシステム – 要求事項及び利用の手引き

ISO 14001はISO 9001 に次いで広く使用されている規格です。地球温暖化やその他の環境問題は私たちの生活や生命に直結するものであり、ISO 14001には国連や世界首脳会議など、重要な国際機関、国際会議における決定が反映されています。

ISO 14001:2015 の発行及び移行

マネジメントシステム関連の業界が、ISO 9001及びISO 14001 の最新版の発行を待ち構えていたのはつい先日のことであったとは思えません。附属書SL に基づくこの改訂は、大きな影響をもつ改訂であると言われていました。そしてそのとおりになりました。

変更の範囲を鑑みて、国際認定フォーラム (IAF) はISO 9001:2008及びISO 14001:2004 それぞれについて認証された組織には3年間の移行期限が設定されました。これが2015年9月のことでした。現在、この期限までには余すところ1年となり、まだ移行を完了していない組織にとっては、残された時間は多くありません。

ISO 14001 の成り立ち

ISO 14001 は、数からいうと、ISO 9001 に次いで2番目に多くの登録証が発行されています。2017年9月初旬に 国際標準化機構 (ISO) からISO 2016サーベイが発表されましたが、ISO 14001 の登録数は346,000となっており、2015年の319,000から増加しています。一番多いのは中国 (137,000件) でついで日本 (27,000件)、その次が英国 (26,000件) となっています。アフリカと中東はもともとの数は少ないですが、増加率は最大です。1999年に最初のISO サーベイの時には世界全体で ISO 14001 の認証は14,000件だったことを考えるとずいぶん変わったものです。

ISO 9001 が英国規格 BS5750にルーツを持つのと同じく、ISO 14001 のルーツは英国規格 BS 7750です。BS 7750は1992年に英国規格協会 (BSI)  から発行されましたが、これは世界で最初の環境マネジメントシステム規格です。

BS 7750 は広く使われ、ISO はこの規格をもっと広く利用できるようにしようとしました。1996年、ISO の技術委員会 TC/207 が策定したISO 14001 が発行されました。ISO TC/207 は、1992年の国連の環境と開発に関する会議で焦点が当てられた持続可能な開発という課題へのISO のコミットメントをサポートするために1993年に開設されたものです。

その後、2004年にISO 14001 は改訂されましたが、2004年の改訂版では新しく重要な要求事項がいくつか導入されました。例えば、EMS を文書化し、継続的に改善する必要性、手順を (単に作成し、維持するだけでなく) 実施することの重要性、そして法的及びその他の環境関連要求事項によりフォーカスする必要性などです。

この規格の現行版、ISO 14001:2015もまた、重要な国際会議で骨格が決められました。2005年の社会開発に関する世界首脳会議において、経済繁栄、社会正義及び環境保護という持続可能な開発の「3本柱」が設定されました。重要なのは、この3本柱が互いに矛盾することなく、互いに補強しあうということが強調されたということです。

ISO 14001はどう変わったか

ISO 14001:2015 は、序文でこのつながりを思い起こさせ、ISO 14001 の要求事項が環境保護を目指す組織に「体系的な枠組み」を与えると述べています。トップマネジメントの役割は、通常のビジネスに環境によい運用を組み入れることによって、このようなシステムを運用することを成功させるためには決定的に重要なファクターとみなされています。

ISO 14001 の2015年版に関連するもっとも重要な変更点は以下となります。

  • 附属書SL の上位構造、共通テキスト及び共通の用語と定義の適用
  • 新たに追加された組織の状況とリーダーシップの要求事項
  • 組織がライフサイクルの視点を取り入れなければならない (つまり、組織が管理したり影響を与えることのできる直接的な環境側面以外の環境側面も考慮する) という要求事項
  • 環境方針には組織の「環境保護」に対するコミットメントを含まなければならないという要求事項
  • 「法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項」は「順守義務」となり、順守レベルの状態に関する知識と理解を維持することの重要性が強調されている
  • 脅威と機会の管理がより強調されている
  • 組織は全般的なパフォーマンスだけでなく、環境パフォーマンスを改善することが要求されている

ISO 14001 に関連する規格の開発

現在、ISO TC/207 は、87の国家機関メンバー、37のオブザーバーメンバーを擁し、ISO の委員会の中でももっとも支持されているものの1つです。さらに、世界貿易機構 (WTO)、世界保健機構 (WHO)、持続可能な開発国際研究所 (IISD: International Institute for Sustainable Development)、及び国連環境計画 (UNEP: United Nations Environment Programme) といった組織がこの委員会の重要なリエゾン組織となっています。

ISO TC/207 は現在35に上る環境関連の規格を担当しています。さらに下記を含む26規格が開発中です。

  • ISO/AWI 14002-1 環境マネジメントシステム – ISO14001 のフレームワークを主要な環境分野の環境側面及び条件に適用するためのガイドライン-第 1 部:一般
  • ISO/CD 14005 環境マネジメントシステム – 環境パフォーマンス評価の利用を含む環境マネジメントシステムの段階的実施の指針
  • ISO/AWI 14007 環境マネジメント – 環境コスト及び便益の特定 – 指針

ISO 14001 テクニカルレポート

CQI|IRCA の発行するISO14001 のテクニカルノート
「ISO 14001:2015 国際規格を理解する」の入手法など、詳細はこちらから

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