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ISO FDIS 19011:2018 – マネジメントシステム監査のための指針

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ISO FDIS 19011:2018 – マネジメントシステム監査のための指針

ISO FDIS 19011:2018 – マネジメントシステム監査のための指針

マネジメントシステム監査の指針であるISO 19011の改訂版は、2018年4月に予定されている発行までの最終段階へと差し掛かっています。

ISO FDIS 19011:2018 の発行

2017年11月にメキシコシティにおいてISO プロジェクト委員会 302 (PC 302) の会合が開催され、2018年1月15日現在、ISO FDIS 19011:2018 が間もなく発行されます。FIDS (国際規格最終案) の発行は2018年4月17日と暫定的にスケジューリングされているISO 規格の発行に先立つ最終段階となります。では、このFDIS にはどのようなことが書かれているでしょうか。

2002年に最初に発行されたISO 19011 は、品質及び環境マネジメントシステムの監査の手引を提供するものでした。当時はISO 9001 とISO 14001 が唯一のマネジメントシステム規格でしたから、これは当たり前といえば当たり前です。2011年に発行されたISO 19011の第2版では、その間に策定されたマネジメントシステム規格を鑑み、より包括的な指針となりました。今度の最新版はもちろん包括的なものであり、引き続き第一者及び第二者監査員、つまり内部監査員と、組織の供給者を監査する監査員が主たる対象者となっています。

現行版からの重要な変更点

1) 7つ目の監査の原則
もっとも大きな変更の1つには、新しく7つ目の監査の原則が導入されたことがあります。現行の2011年版のリストに、「リスクに基づくアプローチ」が追加されています。「リスクに基づくアプローチは、監査の計画、実施及び報告に重大な影響を与え、監査が被監査者にとって、また監査プログラムの目的を達成するために重要な事柄に確実に重点を置くようにします」。

2) 分野固有の知識及び技能の手引き (旧附属書A)の削除
もう1つの大きな変更点は、2011年版の附属書A にあった分野に固有の監査員の知識及び技能に関する手引及び例が削除されたことです。これは、この手引及び例が役に立たないからというわけではなく、新しいマネジメントシステム規格が次から次へと発行されるため、維持するのがどんどん困難になっているという理由からです。

3) 監査を計画及び実施する監査員に対する追加の手引きの拡充
しかしながら、おそらく、もっとも重大な変更は、(新しい版では附属書Aとなる) 現行版の附属書 B の「監査を計画及び実施する監査員に対する追加の手引」に加えられました。これが重大なのは、PC 302 が特別な手引を提供しようと選んだテーマは、PC 302は監査員が何を理解していることが重要だと考えているかを示唆しているからです。

2011年版のリストに、今回、以下のテーマが追加されています: 「専門家としての判断の利用」、「パフォーマンスの成果の重視」、「リスクと機会を監査する」、「製品/サービスのライフサイクル」、「監査の手法」、「サプライチェーンの監査」、「状況を監査する」、「リーダーシップとコミットメントを監査する」、そして、「仮想空間における活動及び場所を監査する」です。さらに、監査員は今後ますます紙の文書以外の証拠を取り扱うようになるという認識の下、「文書レビューの実施」は「情報を検証する」となりました。

4) 監査証拠に関する変更
上記に関連し、もう1つ重要な変更があります。ISO 19011:2011 は監査証拠を検証可能な情報としています。情報が検証可能であれば証拠として採用できるが、検証できない場合は、証拠として使用することができないという明確な区別があります。2018年版では、文書がない場合には「ある程度、検証」の対象となる情報を頼りとしなければならない可能性があり、これがどの程度客観的証拠となり得るかを決定するために、私たち、監査員は「専門家としての判断」を用いる必要があるということが認識されています。監査員は、明確な白黒の世界から、灰色の領域に足を踏み入れつつあるのです。

ISO 19011の改訂を受けて

FDIS からの変更は、(内容に関するものではなく) いわゆる「てにをは」に関するものだけですから、ISO 19011:2018 では上記に概略した根本的な変更がなされることは決まっていると言えます。監査の専門家の多くは、この版がもたらすであろう変更は長年の懸案であったと思っています。これらの変更により、確実に、第一者 (内部) 及び第二者監査員の「ハードルは上が」りますから、私たちは自らを正直に振り返り、これらの新しい指針に照らして、自分の技能と知識を再評価する必要があるでしょう。

私たちすべて、自分の力量を向上させる余地があり、これを知ることは、よりよい審査員になるための第一歩となります。

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