ISO 9001の改訂が「重要な節目」を通過

進行中のISO 9001の改訂は、11月20日に国際規格草案 (DIS) 投票が終了し、重要な節目を迎えました。改訂の現況、CQIとメンバーの皆様が改訂において果たしている役割、CQI の姿勢について考察します。
DIS投票は世界中の品質コミュニティが意見を出し合い、改訂版規格が合意に基づいて策定されるようにするもので、改訂における重要な段階です。個人個人が提案された変更を確認し、各国の標準化団体や承認されたリエゾン組織を通じてコメントを提出しました。
CQIにとって、これは代表権に関わることです。CQIとメンバーの皆様の声は多くの声の一つに過ぎませんが、私たちの役割は明確です。それは、ISO技術委員会レベルで品質の専門家の知見が確実に届けられるようにすることです。私たちは、CQI IRCAのメンバーの皆様から300件以上のコメントがCQI のコメントプラットフォームを通じて寄せられたことを、大変嬉しく思っています。これは、CQI のコミュニティ内での思考の深さと多様性を反映しています。
メンバーからのフィードバックからは明確なテーマが浮かび上がりました。それは、持続可能性のより一層の重視、用語及び定義の明確化、図表や図式の修正、新たに出現するテクノロジーの役割についての認識です。
プロセスの次の段階として、TC 176 SC2ワーキンググループは2026年1月にメキシコで会合を開き、寄せられたすべてのコメントについて議論します。その後、委員会は提案されたどの変更を最終規格に盛り込むかを決定します。CQI の代表者はこの会合に出席して、CQI の戦略的及び運用上の目標に合致するもの、私たちの研究開発プログラムの成果に基づいたものなど、登録メンバーが提案した変更を提唱し、支持します。
なお、DISの投票では、圧倒的多数が新しい版を支持しましたが、多くの委員会メンバーがコメントを寄せ、かなりの数が棄権しました。これは幅広い支持があることを示していますが、引き続き議論が続いているということです。
CQIにおいて規格への対応を担当するPolicy Managerのアレグザンダー・ウッズ (Alexander Woods) は次のように述べています。「CQIの観点から言えば、この草案にはいくつかの前向きな部分も含まれているものの、最も価値のある多くの内容が中核となる要求事項ではなく、『附属書 (参考) 』に置かれています。私たちにしてみれば、せっかくのチャンスを逃したように感じます。ISO 9001は、品質マネジメントのための強固な基盤を提供し続けなければなりません。単に今、このときだけに対応するのではなく、急速なデジタルトランスフォーメーション、不確実性と変動性、変化する顧客や社会の期待、人と地球に対する共通の責任によって形づくられる当面の、そして長期的な将来にも対応するものでなければなりません。より大きな変更であれば、この規格が目的にかなったものとしてあり続ける助けとなるでしょう。
これで議論が終わるのではありません。人々が声を上げることで規格は進化するということを思い出させてくれます。」












