IRCA-マネジメントシステム審査員/監査員の国際登録機関 > 情報メディア > ソートリーダーシップ > テクノロジーはある…でも働く人たちはどうだろう?

テクノロジーはある…でも働く人たちはどうだろう?

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
テクノロジーはある…でも働く人たちはどうだろう?
quality.org の英語原文記事はこちら

デジタル化のスピードはすさまじいものがあります。しかし、ラソール・エイヴァジ (Rasoul Aivazi) は、AIの導入が急がれている中、企業が成功するためには、従業員の生涯にわたる教育に力を入れる必要があると述べています。

デジタル人工知能 (AI) は、キャリア開発と仕事の満足度に大きな影響を与えています。これは、キャリア成長と仕事の満足度への影響という観点から考えたときに特に言えることです。

単調で反復的な作業から解放されることで、従業員はより意味のある仕事に取り組むことができ、これは仕事への充実感や目的意識の向上につながります。さらに、先進技術に触れることで、従業員のスキルは向上し、労働市場においてより多才で競争力のある人材となります。

マネジャーにとって、AIツールを活用して意思決定プロセスを効率化することは、リーダーシップ能力を高めるだけでなく、その分野における先見性のある人物としての地位を確立することにも繋がります。名のある組織を率いているのであれば、デジタル技術が引き起こす動向に懸念を抱くのは当然のことです。課題は、変化が絶えない時代において、いかに効果的にデジタル化による破壊的影響をマネジメントし、適応していくかにあります。

多くの企業が直面している技術的な課題は大きいものの、トレーニングの焦点は監査員を含む人材やデジタルトランスフォーメーションの組織的な側面に置かれています。

テクノロジーがどのように企業の運営を変革するかを検討すると、監査員を含む人材に関する検討事項が最も重要な要素であることは明らかです。そもそも、デジタル化の破壊的影響やデジタルトランスフォーメーションは秘密でも何でもなく、現実であり、今まさに起きていることなのです。

2019年に出版された『The Technology Fallacy (テクノロジーの誤謬)』は、デジタルトランスフォーメーションの本当の課題と組織に対するその破壊的影響について強調しています。また、その解決策の鍵は人にあり、特に個人や政策がテクノロジーの進歩に反応する速度はさまざまであることも指摘されています。これら速度の違いは、デロイトのレポート「Rewriting the rules for the digital age (デジタル時代のルールを書き換える)」で概説されており、下の図1に示されています。

テクノロジーは個人がそれを導入するスピードよりも速く進化し (導入のギャップ) 、個人は組織よりも早くこうした変化に適応し (適応のギャップ)、 さらに組織は法律や社会的制度よりも速いペースで適応します(同化のギャップ)。これらのギャップはいずれも、それぞれの企業にとって独自の課題をもたらします。デジタル化による破壊的変化に関するこれらの課題と、それに対して高業績企業がとると予測される対応の傾向については、下記の図1と図2に示されています。

We_have_technology_figure-1.jpg

We_have_technology_figure-2.jpg

前述の通り、個人は通常、組織がそのテクノロジーに適応するよりも速く新しいテクノロジーを取り入れます。かつては高額なため会社を通じてしか利用できなかった先進的な顧客対応用のテクノロジーにも容易にアクセスできるようになったことで、個人は新しいツールをより早く使いこなせるようになりました。例えば、ソーシャルメディア・プラットフォームは消費者が無料で利用できる強力なコラボレーション・プラットフォームとしても機能します。

Google、Meta、Amazonがいずれも世界で最も価値のある企業の上位5社にランクインしている事実は、こうしたプラットフォームの急速な成長を裏付けており、個人がいかに素早くテクノロジーの変化に適応してきたかを示しています。

次に来るのは?

デジタルトランスフォーメーションが産業のあり方を変え続ける中で、労働力に与える影響はその範囲と大きさの両面において深まっていくでしょう。定型的で事務的な業務は今後ますます自動化され、従業員は創造的、分析的、協働的な業務に集中できるようになるでしょう。

この変化には継続的なリスキリングが求められています。中核的な強みとして、個人は適応力、テクノロジーに対する理解力、そして心の知能 (emotional intelligence = EI) を中核的な強みとして身につけていく必要があります。マネジャーにとっての優先事項は、技術革新と人間中心のリーダーシップのバランスを保つ環境を育むこととなるでしょう。従業員をトレーニング、メンタリング、柔軟な働き方などでサポートすることが、リーダーシップとレジリエンスを持続させるために不可欠です。

組織はまた、デジタル化による破壊的変化が浮き彫りにする導入と同化のギャップを埋めるために、その構造やプロセスを見直す必要があります。政策、倫理、そして法制度も、テクノロジーの進歩のペースに対応できるよう迅速に進化する必要があるでしょう。

最終的に、この時代における成功は、デジタルツールを効果的に活用する能力だけでなく、生涯学習と包摂的成長の文化を育めるかどうかにかかっています。これらの変化を積極的に受け入れる人々こそが、デジタル化と相互接続が進み、人間とテクノロジーの協働が不可欠となる世界において、さらなる躍進を遂げるための最良のポジションを確保することになるでしょう。

関連キーワード

CQI レポート The Future of Work 未来の働き方
IRCAテクニカルレポート:ISO22000:2018