【2017年11月30日】ISO/DIS 19011セミナー
ISO/DIS 19011セミナー
【期日】2017年11月30日
【場所】赤坂見附(紀尾井町)
マネジメントシステム監査のための指針であるISO19011 は、一者/二者監査に焦点を合わせたものですが第三者審査にも有用な規格です。
この規格は特定のマネジメントシステム規格 (例えばISO) 規格の監査を対象にしたものではなく、製品、サービス、契約、サプライチェーンに関連する基準に照らした監査にも用いることができます。
今回の改訂で監査の原則が6つから、「リスクに基づくアプローチを用いる」という7つめの原則が加わりました。
また今後、すべてのマネジメントシステム規格が、原則として附属書SL に基づくものとなることを受け、これに対応する手引が示されています。
なお、附属書A (旧附属書B) には、サプライチェーン監査、状況の監査、リーダーシップの監査などに対する手引きも追加されるとのことです。
本セミナーでは、監査の計画、実施、報告に関する指針を提供するISO 19011について、CQIを代表して改訂作業に関わるリチャードグリーンより、新しい規格の内容も踏まえ、これからの監査についてお話致しました。
ISO/DIS 19011セミナーのトピック
- マネジメントシステム監査の起源
- 産業が発展し、監査が導入された経緯から、附属書SL に準拠する規格の発行が監査に与える影響までを概観 - ISO 19011 のこれまでの経緯
- 起源は6つの独立した規格 (品質関連3つ、環境関連3つ) であった監査/監査員に関する指針が、ISO 19011:2002 品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針として統合された
- 2011年、その後発行された他のMS も対象に含め、ISO 19011:2011 マネジメントシステム監査のための指針として改訂版が発行された
- 2017年現在、附属書SL に準拠するMS 規格の発行をにらみ、2018年の発行を目指して改訂作業中 - ISO DIS 19011 の内容 (逐条解説)
- 7番目の原則として「リスクに基づくアプローチを用いる」が追加された
- 監査プログラムは、リスクがあり、パフォーマンスがよくない領域に焦点を当てる
- 監査プログラムの管理者の責務が変更されている
- 収集する情報には完全に検証可能な情報だけではなく、グレーゾーンの情報も含まれるようになった
⇒「専門家としての判断」を用い、証拠として採用できるかどうか、信頼度を判断する
- 監査報告書に「合意できていない事項」も含む
- 監査チームリーダーは、監査対象の組織のトップマネジメントと戦略的課題について話し合わなければならない
- 附属書Aの分野固有の知識及び技能に関する手引及び例がなくなった
- 以前の「附属書B 監査の計画及び実施する監査員に対する追加の手引」は附属書Aとなり、新しい手引が追加された - 主な変更点の概要
- 監査プログラムの管理、監査の実施は附属書SL に準拠する規格に対応し、変更されている
- 監査員の力量に関し、情報通信技術の「変化」や分野及び業種固有の知識及び技能の「変化」を考慮する - 発行までのスケジュール
- 11月6日から10日かけて開催されたメキシコシティーでの会合でFDISが策定された
- 投票の結果、承認されれば、2018年4月半ばに発行予定