【2017年11月29日】ISO/DIS 9004セミナー
ISO/DIS 9004セミナー
【期日】2017年11月29日
【場所】赤坂見附(紀尾井町)
ISO 9004は1987年の第1版発行以来、ISO 9001に基づくQMS 構築、運用の手引というイメージが強くありました。
しかし2009年の改訂によって、「ISO 9004:2009-組織の持続的成功のための運営管理 - 品質マネジメントアプローチ」となり、規格の性質と目的が大きく変わりました。
対象となるのは、組織のQMS のパフォーマンスではなく、持続的成功を達成するための組織そのもののマネジメントの改善となっています。
今回ISO9004の改訂では、製品/サービスの品質を取り扱うISO 9001からますます距離が置かれ、規格の名称も「ISO 9004 - 品質マネジメント- 組織の品質-持続的成功を達成するための指針」と、ずばり、「組織の品質」がうたわれています。
日本を含む世界各国で企業のガバナンスをめぐるさまざまな問題が表面化している昨今、もっと利用されてしかるべき規格として、ISO9004を取り上げました。
当日のセミナーでは、来日した CQI|IRCA のCEO Vincent Desmond の挨拶に続き、現在改訂作業中のISO 9004 について、Richard Green から最新情報を含めた講義が実施されました。
ISO/DIS 9004セミナーのトピック
- なぜ持続的成功が重要なのか
- 一時、世界を席巻しながら消えてしまった企業群と、過去から現在へ変化に対応し、革新し、成功を持続している企業群との比較 - 改善/確信し続けなければ成功は持続できない - ISO 9004 のこれまで
- ISO 9004:1987から現行版 ISO 9004:2009までの規格の説明 - ISO DIS 9004:2017 の現在の内容
- 全体的な構成の話と逐条解説
特に、新しく加わった箇条 6. 組織のアイデンティティ、7. リーダーシップについて
新しくなった附属書 A の自己評価ツールについて - 主たる変更の概要
- ISO 9001 からさらに距離を置いた (9004/9001プロセスモデルの削除。9001との対照表も削除)
- 本文中にQMP (例えば関係性のマネジメント、顧客重視、事実に基づく意思決定など) が明示された
- 箇条構造の刷新
- 持続的成功達成において、トップマネジメントだけでなく、「すべての階層の管理者」の役割が強調されている
- 目標達成の重視
- 「状況」が持続的成功に与える影響
- プロセスアプローチ採用の必要性の強調
- 人々への権限付与についての記述
- 成熟度モデルの評価基準及びモデルそのものの適用方法の変更 - 発行までの今後のスケジュール
- 2017年12月にFDIS 投票締切
- 2018年 2~4 月ごろISO 9004:2018 を発行予定