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Hoshin Kanri とデミングの14ポイントによるコロナ危機への対応

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Hoshin Kanri とデミングの14ポイントによるコロナ危機への対応

石川馨博士に傾倒し、英国で石川博士の考え方を広めてきたデイヴィッド・ハッチンス (David Hutchins, CQP FCQI, David Hutchins International の会長及びプリンシパル) がコロナ危機後に Hoshin Kanri とデミングの14のポイントを用いて組織を支援する方法を検討しています。(この記事は2020年4月7日にCQI のウェブサイトquality.org に掲載されました)

>>quality.org に掲載された英文の元記事
>>『日本の品質に魅せられた英国人』David Hutschinsについての記事

盃を掲げ、新年を祝ったとき、その数か月後に世界中を見舞った運命をだれが予想できたでしょうか。

私はこの記事を、1982年に米国が不況に見舞われたとき、Wエドワーズ・デミングが著した本にならって、「Out of Crisis危機を乗り越えて」と名付けたい誘惑にかられました。このタイトルはあのときと同じように今の状況に当てはまります。今、私たちが直面しているのはまったく異なる危機ですが、これを乗り越えるには同等の努力が必要です。トップマネジメントが危機を乗り越え、組織を健全でスリムにする手助けをするには、能力のあるクオリティプロフェッショナルこそ適任です。

デミングの本では、日本企業が達成した優れた点とのギャップを埋めるために欧米の企業が適用しなければならない14のポイントを挙げています。多くの産業において多くの企業がこれに対応し、日本の能力と主要な欧米企業の能力の違いはなくなりました。しかし、デミングの指摘したポイントのうち3つについて、欧米はまだまだ十分ではなく、これらの3つのポイントこそ、今回のパンデミックから回復し、我々の経済を速やかに立て直すために必要なものです。

そのポイントとは以下です (「危機を乗り越えて」から引用):

  • ポイント9: 部門間の障壁をなくす。研究、設計、営業及び製造の要員は、製造時に、そして製品またはサービスを使用するときに発生する可能性のある問題を予測するために、チームとして働かなければならない。

  • ポイント12: 時間給で働く労働者の技量に対する誇りを奪う障壁をなくす。監督者の責任は、数から質へ変える必要がある。多くの組織で、時間給労働者は代替可能なものとして扱われるようになっている。時間給労働者は、来週も自分が働けるのかもわからない。経営層は売り上げの減少と、ほとんどすべてのもののコストが増加することには直面することができるが、人員の問題に直面すると無力なことがよくある。従業員の関与と参画の計画の確立は目くらましだった。経営層は、労働者の技量に対する誇りを奪うプロセスの問題に耳を傾け、修正しなければならない。

  • ポイント14: 変革を達成するために、企業内のすべての人を働かせよう。変革はすべての人の仕事だ。


これら、3つのポイントはほとんど完璧にHoshin Kanri を説明しています。Hoshin Kanri は企業の戦略的目標がその組織内のすべての階層で進歩と行動を推進することを保証するための方法です。

クオリティプロフェッショナルがHoshin Kanri の原則を明確に説明するのに今ほど適した時はありません。このロックダウンの残りの期間に使える時間があるなら、これを利用するよりよい方法があるとは思えません。

共通の目標や目的に沿って取り組むことが、Hoshin Kanri の本質です。Hoshin Kanri は、すべての従業員が同時に同じ方向に向かうことを目指しています。1人ひとりを自分の仕事の専門家にすることにより、すべての人々の集合的思考力を利用できるということです。

興味深いことに、ウイルスの最初の発生から間もなく、中国が1,000床の病院を2週間未満で建設したとき、Hoshin Kanri が用いられているのを目の当たりにしました。ロンドンでは、ロンドンのExCel センターに4,000床のナイチンゲール病院が設置され、わずか9日間で稼働しました。これは最高の意味でのHoshin Kanri ですが、この驚くべき業績の責任者は、この戦略計画に使われているHoshin Kanriのことをおそらく聞いたことはないでしょう。

これら2つの成果にはいくつかの共通点があります。まず、人と人との間の壁を打ち破る共通の敵がいること、これにより、全員が協力するようになりました (ポイント9)。次に、デミングが12番目のポイントで述べたように、労働者が技量の誇りを持てるような、他者への相互依存関係を皆が認識しました。そして、3つ目、だれもが変革を達成することに完全に注力しています (ポイント14)。

新型コロナウイルス感染症 (Covid-19) によって、政治家たちは協力せざるを得なくなり、隣人たちはお互いに助け合い、コミュニティは高齢者や弱者を援助するために結集しています。果たして政治家たちは再び、医療サービスをないがしろにし、緊急サービスが私たちの日常生活で果たす役割を見なくなるでしょうか。今、ウイルスは、私たちがかつて何をしていたか、どのようにしてよりよい方法で物事を行うことができるかを考える機会を与えてくれています。もし、あなたがウイルスとの戦いの最前線にいる救急救命サービスや不可欠なサービスに従事しているのでないなら、この地球上のすべての生命に適した、新しい社会を構築するために時間を使いましょう。

New normal、新しい日常をつくるために一緒に働きましょう。

※IRCAの各詳細は下記よりご確認頂けます。

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