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9001 規格の意味を問い直す

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9001 規格の意味を問い直す

プロフィール

●氏名: 岩本 威生
●生年月日:昭和18年
●最終学歴:京都大学院工学研究科高分子化学科終了 (修士)

●職歴: 三菱油化株式会社(現三菱化学株式会社)
  サウジ石油化学株式会社出向
  日本ポリケム株式会社兼務
  日本化学キューエイ株式会社 (JCQA)

●委員会委員歴:  
          工業標準調査会マネジメントシステム専門委員会委員、
            同   国内システム専門委員会委員、
   日本規格協会ISO/CASCO国内対応委員会委員、
   日本規格協会品質システム審査員評価登録センター判定委員会委員、
   日本化学試験所認定機構認定委員会副委員長、
   日本規格協会ISO/TC176国内対応委員会委員、
   製品評価基盤機構(NITE)試験所認定センター認定委員会委員、
   IRCAアドバイザリーコミティ委員、
   JACB(日本適合性認証機関協議会)幹事会幹事、
   JACB品質技術委員会委員長、副委員長、等。

●著書: 「ISO9001:2000解体新書」日本規格協会刊
  「ISO9001:2000 主体的取り組みのススメ」(日刊工業新聞社刊)
  「2008年版対応ISO9001新・解体新書」(日刊工業新聞社刊)
  「ISO 9001、14001対応2015年版規格利用者のためのマネジメントシステム規格解体新書」(共著)(日刊工業新聞社刊)
  「試験事業者のためのISO/IECガイド25 解釈と試験所品質システム構築の指針」日本規格協会刊
  「ISO/IEC 17025に基づく試験所品質システム構築の手引き」日本規格協会刊

●雑誌投稿歴:
「化学工学」(化学工学会)、「化学経済」(化学工業日報社)、「標準化と品質管理」(日本規格協会)、「ISOMS」(グローバルテクノ社)、「アイソス」(システム規格社)など

●資格:  
  第一種公害防止管理者(大気、水質)、
  作業環境測定士、
  第一種放射線取扱主任者、等。
  実用英語検定一級。
  IRCA、JRCAの主任審査員資格を持っていたが返上済み。

●賞歴:  
  工業標準化貢献経産大臣表彰(平成25年)

参画活動の概要と動機・目的

IRCAよりメンバーズサポーター登録の照会があり、お役に立つところがあればと考え、日本化学キューエイ株式会社退職の機会にお受けする事にしました。

私はISO9000シリーズの初版が発行された直後の1988年よりISO9000シリーズに着目し、2000年版のISO9002、9003のISO9001への統合、2015年版規格のISO・IEC専門業務指針の附属書SL(後に「L」 に改称)による各種ISOマネジメントシステムとの整合化をフォローしてきました。

また、市場統合を進める欧州等からのQMS認証の要求の流れを受けて、認定、認証制度の標準化を担うISO/CASCOの指針文書を基本に認定機関JABの創設、審査員資格審査活動(後のJRCA)の設立運営、認証機関JCQAの創設のお手伝いをしてきました。2003年にJCQAに入社後は、2004年よりJACBの品質技術委員長としてJACBの地位向上に努力してきました。

その間1996年ごろに、通産省工業技術院(当時)の日本化学工業協会への要請があり、ISO/IEC17025に基づく化学試験所の認定機関JCLAを設立することになり、海外調査を含め、創設と運営をお手伝いしました。なお、JCLAは現在、NITEの試験所等認定センターに統合しています。

これらの関係で、ISO/TC176、ISO/CASCO、IAF、APLACなどの活動にも参画し、グローバルな考え方を学んできました。先のCQIのCEOであったSimon Feary氏とも親しく議論する場を持つことができました。

また、三菱化学在職中はサウジ石化プロジェクトに参画し、ゼロから品質管理システムを確立し、2年間にわたり現地で運営をしてきました。この経験で、オペレーションの元となるマネジメントの重要性と必要性を実感し、後のISOのマネジメントシステム規格の理解に大いに役立ちました。

メンバーズサポーターへの登録の照会を受けた際に、これらの経験がメンバーのサポートに役立つかもしれないと考えお受けしました。

現状のご自身の活動及び、IRCAメンバーへのメッセージをお願いします。

令和2年6月にJCQAを退職して定職を持たなくなりましたが、それまでの経験で、ややもすると、ISO9001規格を自分に役立つ規格と組織が考え、あるいは認証審査で組織の役にたつ審査に使う規格だと審査員が考え、改善が主テーマのTQC的なメンタリティで規格を理解しようとすることが見られることがあると思ってきました。私は、これは翻訳JISが「demonstrate」を「実証する」と翻訳していることが原因になっていると思っています。ここは「演じて見せる、説明責任を果たす」と顧客に対する信頼を得るための仕組みの原則を言っている規格だと理解すべきだと考えています。

メンバーズサポーターとしての登録をされることで、私の経験と理解がメンバーの皆さまにお役に立てることがあれば幸いです。

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