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規格とは?

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規格とは?

quality.org の英語元記事はこちら

CQIは長年にわたり、国家規格および国際規格の開発に積極的に関わってきました。CQIおよびIRCAのメンバーにとって、規格は「日常的な作業ツール」の一部となっています。

ISO、すなわち国際標準化機構は、規格を「a document, established by a consensus of subject matter experts and approved by a recognised body that provides guidance on the design, use or performance of materials, products, processes, services, systems or persons (材料、製品、プロセス、サービス、システムまたは人々の設計、使用またはパフォーマンスに関する指針を提供する、対象分野の専門家のコンセンサスに基づき制定され、公認機関によって承認された文書)」と定義しています。言い換えれば、規格とは、合意され文書化された、何かを行うための方法です。規格には、私たちが使用する製品やサービスの信頼性、一貫性、有効性を助けるためのガイドラインとして使用できる明確な基準が含まれています。

CQIとIRCAのメンバーにとって、これらの文書は「日常の作業ツール」の一部です。品質関連の実務者は製品やサービスの設計、開発、実施、改善のために使用し、IRCA監査員はそれらを評価するための基本基準として使用しています。

※ CQIとIRCA
CQI (Chartered Quality Institute) は、1919年、英国において設立されたクオリティに従事する人のための専門組織です。それ以来、時代に応じ、少しずつ姿を変えながら、2019年には100周年を迎えました。2001年には、各専門分野でたった1組織のみが認められる王室公認 (Chartered) のクオリティの専門組織となりました。 今日、第4次産業革命と呼ばれる激しい変化の時代において、クオリティという職業を時代に即して定義し続け、従事する人の地位を確立/向上させるために活動しています。
そして、IRCAは1980年代に英国において始まった第三者認証制度の発足当初から、このCQI においてISO 審査員/監査員の評価登録を行う部門として世界中の審査員/監査員の評価登録を行っています。

規格の種類

国内規格と国際規格

規格には国家規格と国際規格があります。世界的な標準化を推進するために1947年に設立されたISOには、24,000以上の規格があり、166カ国が加盟しています。また、ほとんどの国では、国家標準化機関 (NSB) が監督する独自の国内規格策定機構を持っています。英国のNSBは英国規格協会 (BSI) です。英国の規格は高く評価されており、BS 5750がISO 9001に、BS 7750がISO 14001になるなど、国際的な規格の基礎として採用されたことが何度もあります。

国内および国際的な基準を持つことは、ビジネス界だけでなく、私たち 1人ひとりにとっても非常に重要です。関連規格の要求事項に従っているということで、電気プラグが安全に配線されていること、医療機器が管理された状態で開発されていること、そして専門的なサービスを提供する人が有能であることを私たちは確認できます。規格は、橋が落ちないように、飛行機が落ちないように、そしておむつかぶれができるだけできないようにする手助けをしています。つまり、規格は私たちの生活のあらゆる場面に関わっているのです。

規格には、要求事項を定めたもの、ガイダンスを提供するもの、ガイダンスと要求事項の両方を含むものなど、さまざまな種類があります。

要求事項規格

要求事項規格の役割は、ベストプラクティスを示すことではなく、製品、プロセス、またはサービスが満たすべき最低限の許容品質レベルを特定することです。要求事項規格は、何をしなければならないかを組織に伝えますが、どうすればいいかについては述べていません。どうすればよいかは、組織自身が選択する問題です。

ガイダンス規格

ガイダンスには通常2つの形態があります。ほとんどのマネジメントシステム規格には、要求事項をどのように解釈するかについてのガイダンスを提供する附属書が含まれています。それだけでなく、その関連の要求事項規格をどのように実施するかについてのガイダンスを提供する専用の規格もあります。これらのガイダンス規格は、関連の要求事項規格にほとんど、あるいはまったく触れたことがなく、しかし、組織にその規格を導入する責任がある人のために書かれています。

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規格に関するCQIの役割は?

規格は、その分野の専門家が集まって、規格のあり得るべき内容を検討し、合意の下に発行するものです。一見、そのプロセスは簡単そうに見えますが、まったく新規の規格の策定には2〜3年かかることもあります。

CQIは、長年にわたり、主にマネジメントシステム規格を中心に、国内外の規格の策定に積極的に取り組んできました。ISO 9001、ISO 14001、ISO 27001、ISO 45001、ISO 37000、ISO 19011、ISO 17021-1は、近年、同じシリーズや関連するシリーズの他の規格とともに、CQIから直接の影響を受けています。

CQIは、効果的な貢献をしたいという熱意と能力を持った組織としてISOに認められ、その結果、ISOの主要な技術委員会のカテゴリーAリエゾンの地位を獲得しています。これは、CQIのメンバーの皆さんが規格開発に関連する個別のコメントを提供することができるということだけでなく、重要な決定がなされる際にCQIがその場にいるということを意味しています。この特権を与えられているのは、ほんの一握りの外部組織だけです。

CQIは主要な会議に「指名された代表者」を派遣していますが、それだけでなく、国家規格や国際規格の規格開発会議に個人的に出席するCQIメンバーの中には、技術委員会組織で上級職に就いている人もいます。CQIの専門知識は、委員会の招集者、技術/作業グループのリーダー、あるいは監査実施グループ (AGP) のメンバーとして、規格開発プロセスの管理の中心に存在しています。

最近設立されたCQIのStandards Coordination Committeeと、その前身であるCQI Standards Panelは、ステークホルダーからのフィードバックに基づいて、規格の変更案に関するCQIの方針を決定する役割を担っています。

CQIのStandards Coordination Committee (規格調整委員会)

CQI Standards Coordination Committee は、CQIがスポンサーとなって行う規格関連の活動の戦略を調整し、指揮するために存在します。これには、CQIにとって重要な規格の決定、その開発への参加の指示と調整、国際規格の使用に関連する製品、サービス、資産の開発の推奨などが含まれます。  委員会の活動範囲は、CQIにとって戦略上または業務上重要な、品質およびその他の関連するマネジメントシステム規格、およびマネジメントシステム監査規格を網羅し、CQIの製品、サービス、または資産の対象となっている規格も含まれます。

委員会は、さまざまなバックグラウンドや業界から選りすぐられた、規格のユーザー、策定者、ソートリーダー、マネジメントシステムの専門家で構成されています。

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