ISO 45001:2018改訂情報
ISO 45001:2018 については 2021年12月の体系的レビューにおいて、改訂はしないと決定しました。しかし、ISO 9001 と同様、この決定については異論があり、PC 283 (ISO 45001を担当する委員会) 内にTG6 (タスクグループ6) が設立され、改訂が決定した際に改訂版の作成を容易にするための予備作業を行ったことは既報のとおりです。
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このタスクグループの作成した提案 (以下) は、2023年10月16日にオンラインで行われたPC283の全体会議で検討されました。
- 用語及び定義- 例えば、COVID-19パンデミック以降の働き方の変化を踏まえた「職場 workplace」の用語と定義など
- 多様性 – 働く人の多様性 (年齢、性別、人種、ニューロダイバシティ (神経多様性)など) に関する文言を追加する。働く人の多様性に基づく脆弱性に関連する危険源及びリスクの特定と考慮への言及を追加する。
- 中小企業への配慮- 中小企業の限られた資源を考慮し、文書要求事項の保持または作成に関するすべての要求事項をレビューする。教育訓練の要求事項をレビューする。OH&S 専門家の関与が必要となる要求事項をレビューする。
- 要求事項内で言及される時間 - 要求事項内で言及される時間単位の曖昧な使用 (「できるだけ速やかな」など) を見直す。
なお、このTG6と並行して、TG4がOHSMSの新たなテーマを検討し、これらが45001の次の版にどのような影響を与えるべきかを検討しました。新たに特定されたテーマは以下の通りです。
変更管理と敏捷性、マネジメントシステム実施の有効性、OH&Sの力量、働く人の多様性、リーダーシップと文化、気候変動、職場での障害、働く人の代表と協議、仕事及び職場における境界の曖昧さ、利害関係者のニーズと期待の変化、ウェルネス/ウェルビーイング、新しいテクノロジー、水の利用可能性、品質、流通、サプライチェーン、小規模組織
そして、2023年11月18日にISO 45001 の改訂が決定しました。その後、2024年5月31日に正式に改訂が承認され、現在は計画の段階に進んでいます。これは2018年に ISO 45001が発行されて以来、初めての改訂となります。現実的には改訂版が発行されるのは 2027年以降になると思われますが、現時点で時期は未定です。