ストーリーテリングを通じて品質を伝える
サンディ・ドミンゴス=シプリー (Sandy Domingos-Shipley CQP MCQI) が、ストーリーを語ることでエンゲージメントを向上させる方法について語ります。
物語の力
人類は歴史を通じて物語を語り継いできました。洞窟壁画、口伝、印刷物、そして今ではインターネットを通じて、世代から世代へと語り継がれてきました。
物語や伝説は、子供たちが世界について学び、複雑な考えや感情を理解するのに役立ちます。しかし、ストーリーテリングが力発揮するのは子供たちに限ったことではありません。大人にとっても、ストーリーテリングは人々をメッセージに引き付ける最も効果的な方法のひとつです。特にその主題が複雑であったり、あるいは刺激的ではない場合にその効果を発揮します。
私は品質と変化を伝えるツールとしてストーリーテリングを使うのが大好きです。これは、チームをシステムやプロセスに関与させる素晴らしい方法です。あまりにも多くのクオリティプロフェッショナルが、チームに対して箇条や方針については話しますが、なぜあることをある方法で行う必要があるのか、なぜ何かを変える必要があるのかを示すことはしません。
ストーリーテリングでは聴き手を第一に考えます。聴き手をヒーローにします。あるいは聴き手が共感できる人物をヒーローにします。聴き手を旅に連れだします。
ですから、同僚に何をすべきかを指示するのではなく、それが彼らにとってどのように物事を改善するかというストーリーを伝えるのです。
変化を説明する
例えば、現実のシナリオから話を始めることができます。「昨年、ABCでいろいろな問題が起こり、その結果XYZが起こったことを覚えていますか?あの事件は…」
そして解決策を紹介し、最後に期待される、あるいは望ましい結果を説明して終わります。
これは、単に「ISO9001の箇条9には、こうしなければならないと書いてあります 。」と言うよりもはるかに興味をそそります。
特に、なぜその変革が必要なのかを理解していない場合、変革は従業員にとって受け入れがたいものです。ストーリーは、変化の必要性を説明し、その変化の利点を説明するために使うことができます。
優れたストーリーテリングのコツ
目的を決める
ストーリーの目的は何ですか?聴き手が何をするように促したいのですか?あなたのストーリーを聞いた結果、聴き手にどう感じたり、どう考えてもらいたいですか?
聴き手を知る
聴き手のメンバーはどのような人たちで、どのようなことに関心があり、どのように情報を受け取るのが好きなのかを理解しましょう。そうすることで、相手の心に響く説得力のあるストーリーを作ることができます。
適切な物語を作る
聴き手を旅に連れ出しましょう。明確な起承転結のあるストーリーの流れを作りましょう。場面を設定し、登場人物をリアルに、あるいは親近感を持たせるようにし、対立を導入し、解決で終わります。
関連性のあるものにする
聴き手の経験に関連した例やたとえ話を使います。これはストーリーをより親しみやすく、記憶に残るものにするのに役立ちます。
データと指標を取り入れる
データと指標を使用してストーリーを支え、変化と品質の影響を実証します。ビジュアル素材を使用して、データにアクセスしやすくしましょう。
参加を促す
フィードバックや提案を求めて、信頼関係を築き、コミュニティ意識を醸成しましょう。同僚に自分の体験談や経験を話してもらいましょう。
成功事例を共有する
他の組織が同じような変化をうまく乗り切ったというストーリーを共有することで、変化は可能であり、ポジティブな結果をもたらすことができると同僚を安心させることができます。
ストーリーを見直す
あなたのストーリーはうまくいきましたか?あなたの同僚たちは、関心を持ちましたか?ストーリーは望ましい結果をもたらしたか?自分のストーリーや伝え方を改善するにはどうしたらよいでしょうか?
ストーリーを活用してよりよいビジネスを構築する
ストーリーテリングは、コミュニケーションや変化、方針のための効果的なツールであるだけでなく、ビジネスの他の領域におけるエンゲージメントを向上させる素晴らしいツールにもなります。
価値を伝える
品質と継続的改善の文化を築こうとしているなら、その両方を価値とする必要があります。あなたの組織が実際どのようにこの価値を実践してきたかについてのストーリーを共有することで、同僚の心でその価値を強めることができます。これは、価値が単なる机上の言葉だけではない文化を創造するのに役立ちます。
チームのモチベーションを高める
サクセスストーリーは、従業員の功績を称える素晴らしい方法です。このようなストーリーを共有することで、従業員のモチベーションを高め、自らの成功に向けて努力するよう鼓舞することができます。成功に貢献した要因に焦点を当て、その要因を組織の他の分野でどのように再現できるかを示します。
つながりを築く
ストーリーは、社員や同僚とのつながりを築くのに役立ちます。組織の歴史や文化に関するストーリーを共有することで、従業員が帰属意識を持ち、自分の仕事に誇りを持てるようになります。ストーリーは、共通の経験や課題を強調することで、異なる部署や拠点の従業員間のつながりを構築するためにも使用できます。