内部監査の有効性
審査員は、クライアントの内部監査が効果的であるかどうかをどのように測定することができるでしょうか? ISO の審査実施グループ (APG) がアドバイスします。
適切で効果的な品質マネジメントシステムを追及している組織は、システムが意図したとおりに機能していることを確実にするために気のしていることを確実にするために内部監査を実施しなければなりません。内部監査を実施しなければなりません。内部監査はシステム内の弱点の連なりと同時に、改善のための潜在的な機会を明確にし、トップマネジメントにとってのフィードバックの仕組みとして機能します。内部監査プロセスがどのように運営管理されているかが品質マネジメントシステムの有効性を確実にするための鍵となる要員であるといえます。
要求事項及び指針
ISO 9001では次のような規定があります。「組織は、管理の対象となるプロセス及び領域の状態と重要性、並びにこれまでの監査結果を考慮して、監査プログラムを策定すること。」これは、問題が発生したことを過去の履歴が示していたり、または問題が起こる可能性があるかまたは現在発生しているプロセス及び領域に内部監査プログラムの焦点をあてることを意図しています、このような問題は、人的要因、プロセス能力、変化する顧客要求事項、作業環境の変化などに起因するかもしれません。
不適合リスクのレベルが高いプロセスについては、内部監査プログラムで特別注意を払わなければならないでしょう。以下のような項目の影響を受けるリスクが高いプロセスには、特別の注意を払うことが望ましいといえます:
- プロセス能力に深刻な影響を与える欠陥
- 顧客の不満足
- 法令規制要求事項への順守違反
監査プロセスの評価
内部監査プロセスを調査する際に、第三者審査員は次のような点を評価すべきです:
- 監査に必要な力量及び監査に適用される力量
- 内部監査計画を作成する際に組織が実施しているリスク分析
- 内部監査プロセスに経営陣がどの程度参画しているか
- ISO 19011が提供している指針 (ただし、ISO 9001はISO 19011の使用を要求していない点に注意すること)
- 品質マネジメントシステムの有効性を評価し、改善の機会を明確にするためにどのように監査結果が利用されているか
第三者審査員は組織が重要な領域やその他のパラメータを明確にするために用いているアプローチを評価しなければなりません。例えば、組織は以下のようなプロセスを明確化しているかどうか評価します:
- 製品の品質に重大な影響を及ぼすプロセス
- 特別に注意を払う必要があるプロセス
- 妥当性確認を行う必要があるプロセス
- 資格をもった要員が必要なプロセス
- パラメータを綿密に監視する必要のあるプロセス
- 複数の場所にまたがるプロセスまたは労働集約的プロセス
また審査員は、組織が有効性の尺度を規定するプロセスのパフォーマンス指標を確立しているかどうか、そして、そのような尺度が組織の全体的な目標及び目的に合致しているかどうかを確認すべきでしょう。これらの要因が明確になったら、審査員は次に組織が監査の頻度を決定するときにこのような情報を利用しているかどうかを調査する必要があります。
監査員の力量
次のステップは、組織の内部監査員の力量を評価することです。組織が内部監査員の力量要求事項を明確にし、適切な教育訓練を実施し、内部監査員のパフォーマンスを監視しているという証拠があることが望ましいでしょう。内部監査チームに適切な業界知識をもった要員を入れているかどうかも併せて評価すべきでしょう。
次のような場合、監査プロセスの結果に内在的なリスクが存在していることを内部監査員が理解しているかどうかも審査すべきです。
- 監査結果に影響を与える重要事項が検討されていない
- 不適切なサンプリング手法を選択している
- 不適切に収集された証拠を重要視している
- 監査計画及び内部監査手順から逸脱している
監査計画の評価
組織は、内部監査活動の中で、利用できる資源を最大限に使えることが望ましい姿です。これは、内部監査の計画を作成する際に、リスクに基づいたアプローチを採用するとうまくいきます。
組織が内部監査プロセスにおいて、内部監査計画を作成するにあたり、資源の効果的で効率的な利用を確実にするためにリスクに基づいたアプローチの採用を検討したかどうかを確認すべきです。また、このほかにも、監査プロセスにおいて監査が失敗に終わるかもしれないという内在的なリスクや、監査結果に対するリスクが確実に最少化されている姿が望ましいでしょう。
最後に、第三者審査員は組織が効果的な内部監査プログラムを実施している証拠を探さなければなりません。
上述の要因を考慮すれば、第三者審査員は組織が効果的な内部監査プログラムを実施しているか、また内部監査の結果が品質マネジメントシステムの有効性分液をする際に利用できる証拠となり得るかどうかを判断することができるはずです。