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グローバルサプライチェーン: 信頼と透明性

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グローバルサプライチェーン: 信頼と透明性

quality.org の英語記事はこちら

LRQAのSupply Chain Sustainability Technical Director であるヘザー・ムーア (Heather Moore) 氏は、「気候変動への取り組みはかつてないほど重要であり、データに基づくESG目標の達成に焦点を当てたアプローチは、気候変動規制を遵守するための重要な枠組みであるだけでなく、リスクマネジメントの新たな基準でもある」とし、サプライチェーンに対する取組みをどう扱うべきかについて述べています。

業務慣行が有害な影響を及ぼさないようにするためのESGへの取組みの重要性が高まっています。昨年の国連気候変動枠組条約締約国会議 (COP27) では、信頼と透明性の重要性が示され、サプライチェーンに対する更なる監視が期待されています。取組みを公言する際には、証拠の裏付けがあることが重要です。そうでなければ、ブランドは 「グリーンウォッシング」として反感を買う可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の大流行から気候変動に至るまで、いくつかの課題は一機関の能力だけでは対処できないことがますます明らかになってきています。ESGの成功の測定も、そのような分野のひとつです。私たちは、組織が自らの影響とともにサプライチェーンの影響にも責任を持つとする変化を目の当たりにしてきました。この協力的なアプローチが変化をもたらします。規制や法律が基本的な基準を定める一方で、コンプライアンスを超えた企業の積極性が大きな違いを生み出す可能性があります。

透明性を優先する

プロセスを実施し、コンプライアンス、リスク、持続可能性のマネジメントの観点から成功を定義する責任を負っているのは、クオリティの専門職だけではありません。ESGの進捗に関する透明性を実現する上で、すべての部門が重要な役割を担っています。

データの価値を活用するためには、適切なESG指標の測定が極めて重要であり、すべての利害関係者の信頼を得るためには、データを容易に入手できるようにする必要があります。廃棄物管理から賃金の未払いや税金の透明性に至るまで、データの可視化は、サプライチェーン上のすべての関係者が目標を達成していることを保証します。それがなければ、リスクを特定することがさらに難しくなります。

焦点が環境及び社会的主張の妥当性に移るにつれ、説明責任が極めて重要になります。データの検証は、サプライチェーンの可視化に不可欠なツールと見なされるようになってきています。完全な透明性を達成するために、組織は、データが第三者によって独立してチェックされ、検証されていることを確実にしなければなりません。

規制を反映する

第三者検証への注目は、世界規模での政府の政策や規制にも反映されています。最も注目すべきは、EUの企業持続可能性報告指令 (Corporate Sustainability Reporting Directive = CSRD) が報告書の改善を求めており、欧州単一市場をより整合性のあるプロセスへと移行させていることです。最初のコホートは、2024年1月1日以降、データ収集を開始する必要があります。この点を考慮すると、品質マネジャーはこの指令が自社のビジネスとサプライチェーンにどのような影響を与えるかを理解することが最も重要だということになります。

進歩を確実にモニターし、伝えることも重要です。COP28の主催者が直面する課題のひとつは、化石燃料の段階的削減を実際にどのように測定するのかということです。ESG方針を誓約したり伝えたりする際には、目標をどのように達成するかについて組織の戦略を示す必要があります。戦略の詳細を伝えることはリスクを軽減するだけでなく、組織が目標を達成するための軌道を維持するためにも役立ちます。

サプライチェーンを重視する

ESGパフォーマンスの取組みをグローバルサプライチェーンに拡大すると、組織のマネジメントは幾重にも複雑になります。ESG目標を自社の施設や建物内、自社業務の下でマネジメントするのは容易ですが、ESGパフォーマンスは内部のマネジメントの枠を超えて確認する必要があります。

二酸化炭素削減や倫理的パフォーマンスなどの問題に対する行動規範を承認し、デューデリジェンスを実施するためには、組織は拡大されたサプライチェーンにESGを組み込む方法を見つける必要があります。ESGに関連する罰則や報奨は、調達プロセスの中で、サプライチェーンの取組みに対する組織のコミットメントを企業や利害関係者に伝えるために利用することができます。多くの組織は監査報告書を公開することで、サプライチェーンの活動に関する透明性を確保する姿勢を示しています。

持続可能でない慣行や人権侵害に関与したブランドの評判がますます危うくなっている現在、コンプライアンスへのアプローチは、年に一度の「その時点」のチェックから、年間を通じたリスクに基づくモニタリングと緩和プログラムへと移行し、コンプライアンスを越えた取組みが行われています。組織が責任ある慣行のための能力をサプライチェーン内に構築するためには、このような深いレベルの関与が必要です。

最後に

今世紀初頭では、ESGについての会話の中心は「課題」と「要因」でしたが、今日では「指標」と「パフォーマンス」に焦点が当てられるように進化しています。ESGが競合他社との差別化を図る手段であった時代は過ぎ去り、今やESGは効率的なグローバル経営の特徴となっています。COP27会議が各国間の連帯を新たにすることを目指す中、グローバルなサプライチェーンを運営する組織は、サプライチェーンのすべてのつながりに責任を持ち、保証する必要があります。

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